2016/10/04 のログ
ご案内:「タナール砦」にタマモさんが現れました。
■タマモ > そう、それは偶々だった。
今の住処としている場所よりも前、居場所を失っていた自分に一時の居場所を与えてくれた者が行方不明だと聞いた。
その場所は、何度か行った事のある…なんとか砦?まぁ、名前なんてどうでもいい、うん。
受けた恩は恩で返す…なんて教えは受けてない、むしろ、存在的にはそんなものは仇で返せ的な感じだ。
だが自分は違う、恩は恩で返すべきだと考えている。
結構良い立場だった気がするのだが…その割りに動きを見せない王都。
そんなものに期待するくらいなら…そう思って、その場所に向かう。
むしろ…
「………で、これはどういう状況なんじゃろうか?」
砦の屋上、少女の姿はすでにそこにあった。
なんだかそこらに穴が開いているが、そんな事よりも見える景色は異常だった。
なんかわらわらと変なものが湧いてる、それらを上から眺めて呟いた。
■タマモ > 「………はっ!?いかんいかん、本来の目的を忘れてしまうところじゃった…」
足元に見える蠢く物体はどうでも良い。
というか、あんな場所に目的の相手が居るとは到底思えない。いや、むしろ居たら怖い。
となれば、今こうして立っている砦の中だとは思うのだが…
「どう見ても…これが怪し過ぎるんじゃ、これが…」
何でこんな穴が空いたのだろう?そう思いながら、砲撃で空いた大穴へと身を乗り出して、底を見る。
一つずつ虱潰ししかないか…とはいえ、探さない訳にはいかない。
普段、何も無い時ならば匂いで分かるかもしれないのだが…無駄に鋭敏な臭覚は、それ以外の臭いも嗅ぎ取ってしまい役立たず。
…誰だあんなもの放置してるのは、臭いの原因へと一瞥し、憂さ晴らしに足元の石ころを一個投げ付けておいた。
■タマモ > 「ん…?」
すん、とほぼ役立たずの鼻を鳴らし、軽く首を傾げる。
いくつもの臭いの中に、覚えのある匂いを嗅ぎ取ったからだ。
浮かぶのは…以前に数度とはいえ会話を交わした者達。
自分がどんな存在かを気にする事なく、むしろ、そんな自分を気遣うように己の過去を聞かせてくれた…
「なるほど、そういう事か…」
すっと表情から感情が消える。
あの中のいくつかが、自分の知った相手だという事に気付いたからだ。
視線を巡らせ、蠢く不死者を確認していく。
名前とかを覚えるのは苦手な自分だが、顔や体格、服装や装備はしっかりと覚えている。
考えが正しければ…見渡していく視線が、ある場所でぴたりと止まった。
「………探す前に、一つだけのぅ?」
胸元に両手を合わせるようにすれば、いくつかの印を組む。
それに合わせ、別の力を発動させようと集中をし…
「どうせ魔法やらも使われておるんじゃろうが…せめてお主等だけでも解き放ってやろう」
視線を止めた一点、そこに蠢く数体に狙いを定める。
言葉と共に行使するのは、その場に掛かるあらゆる魔力を消し去り、同時に留まろうとするだろう魂を解放する。
…数体の不死者は、ゆっくりと崩れ去っていく。その後には塵も残らない、まるで何も無かったかのように。
■タマモ > 「受けた恩は返す…それだけじゃ」
あの言葉で、少しは気も楽になったのを覚えている。
些細な事だろうと、どれだけ自分への助けとなったか…だが、もはやその者達はもう居ない。
何者がこんな事をしたのか…壊滅をさせた者がやったんだろうが、覚えのある壊滅させれそうな相手は数人。
その者達はいずれも、こんな力は使っていなかった。
となれば、見知った相手ではないか…自然と唇の端がつり上がる。
理由は簡単だ、ならばやった相手に容赦はいらないと思ったからで。
まぁ、まずその相手を見付ける事からしなければならないが。
「さて、感傷に浸っている暇はない…探さねばな?」
解放したのは数人程度、まだ足元はわらわらと不死者が蠢いている。
他の者達には悪いが、全員を解放する余裕は無い。最悪、探している相手は危険な状況かもしれないのだ。
…半分は面倒なのと疲れるのもあるが。
再び穴の方へと近付けば、改めて底を見る。
まぁ、そこらに引っ掛かっていてくれたら楽なのだが、見た感じそんな事はないみたいだ。
では、さっそくと、床を軽く蹴れば身を舞い躍らせる。
緩やかな落下をしながら、底へと向かっていく…果たして、探し人は見付かるかどうか、それは分からない。
ご案内:「タナール砦」からタマモさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にシナトさんが現れました。
■シナト > 何でも、王国最強とも言われる対魔族の師団が壊滅したらしい。
無論、風来坊のこの黒ずくめの男には何ら関連性の無い事ではある。
ただ、暇潰しと興味本位でフラリ、と気儘に近くに散歩でも赴くような気軽さにて。
一人、ノンビリと男はそこに居た――傷跡生々しいタナール砦に。
「うへぇ~…こーりゃまた凄いもんだねぇ。何処の誰かがやったんだろーかねぇ」
緊張感ゼロの暢気な声で呟きながら、癖のある黒髪靡かせ、砂色の眠たげな瞳で砦の一角から眼下を見下ろす。
いちいち数を数えるのも面倒くさいが、しかしまぁ…どうやらこれは。
「んーと、例の第七師団、だっけ?その師団のメンツも”お仲間”にされてるみたいだねぇ…」
明らかに装備が他と違うのをそこかしこに見掛ける。おそらくここで戦死した挙句、その尊厳まで奪われたのだろうか。
「…ま、俺にはなーんも出来ないけどねぇ。南無南無…と」
己の出身国での拝む仕草をゆるーいノリでしておく。追悼の念も成仏の願いもありはしないが。
■シナト > 「いやぁでも、魔族も頑張るねぇ。人間もこりゃ頑張らないとキツそうだわ~…」
形だけの祈りを終えて。元々何かに祈る気など無い。そういうのは別の誰かに任せよう。
そして、傍観者的な感じが満々なセリフを呟く。どちら側かといわれれば魔族側なのだろうけども。
どのみち、同族からもあんまり良い印象を持たれていないのは明白だろう。簒奪者とはそんなものだ。
そうこうしている間に、こちらを人間と見たのか何体かこちらに目を付けたようで。
「ありゃ~~俺も敵と見られてんのかねぇーー…や、まぁどっちでいーんだけども」
ゆるーい笑みを浮かべてこちらに気付いたアンデッドにひらひらーと手を振ってみせる。
命ある者に見境無しなのか、魔族と見られてないのか…どっちにしろ。
「まーー元人間だからしゃーないかぁ。まー別に君らと戦う気はそんな無いんだけどねぇ」
数的な意味で。これらを一網打尽は、相当強力な浄化的な何かが必要だろう。
生憎と、そういう類の術もアイテムも武器も無い。しかし…。
(既に生を奪われて、更に死まで奪われたらそれこそ無になるんだろーかねぇ)
どうでもいい事なのだが、なんとなーくそんな事を考えてみる。
ジリジリとアンデッド数体が間合いを詰めてくるのだが、特に気にした様子は無い。
むしろ気になるのは――…。
「んーーやっぱ元師団のアンデッドさんは結構良い剣とか使ってるんだろうなぁ」
アンデッドよりもその武器とかの方に関心が向いていた。あくまで自分の興味優先である。
…あ、何か渋い眼帯しているアンデッドもいらっしゃる。…よし、アレ貰おう。
「そろそろ包帯も面倒だったしねぇ…と。」
のらりくらりと歩き始めた、かと思えば次の瞬間には既にアンデッドの十数体のど真ん中に居た。
男は目の前のアンデッド…眼帯を付けたソイツを覗き込んで笑う。
「はろ~~ちょっとこれ貰うよん。もうおたく使わないだろーし」
と、言い終える前にもう眼帯だけ毟り取り―次の瞬間、男の顔面に血錆びた剣が叩き込まれていた。
■シナト > 「おーぅ、良い素振りしてますなぁアンデッドさん」
と、パクった眼帯を持ったまま上半身を逸らすようにして回避しつつ笑顔。
身を起こすついでに、左眼を覆っていた包帯をシュルシュルと解いて…ポイッと目の前のアンデッドの視界を覆うように投げる。
その間に、もう左眼に眼帯を装着し終えていた。…これで少しは男前度上がっただろうか。
「なーんて…あ、包帯投げ付けてスマンね――と!」
ついでに、アンデッドが腰に差していた短剣を無造作に引き抜いて目の前のアンデッドに刺す。
と、どんな力が働いたのやら。浄化術ではないが粉々にアンデッドが砕け散る。
パラパラと粉微塵になり、風に流されていくそれには一瞥もせずに。
「んーむ、そこそこ良い短剣と見た。剣は――あ、やっぱダメだこれ。刃毀れ酷いし血錆びあるし」
論外だなぁ、と嘆いたフリをしながらその剣を拾い上げ…無造作に周囲に一薙ぎ。
今、まさに全方位から一斉に襲い掛かろうとしていたアンデッド達を斬った…いや、粉々にした。
同時に、相当な負荷でも掛かったのか…その剣は砕け散ってしまったが。
生きてようが死んでようが等しく奪い去る。この男の本質は案外そんなもんなのかもしれない。
だからこその《簒奪の魔王》なのだろうか。いや、これは蔑称に近かったか。
「と、ゆーかこれはむしろ死体漁りみたいなノリになるんだろうかねぇ」
こちらに気付いたのかまたアンデッドがわらわらと。普通ならさっさと退却でも何でもするのだろうが。
「うーーん、何か掘り出し物とかありそうな気がしないでもないし」
眠たげな視線が向けられた先はアンデッド…ではなく。
矢張りというべきか、奴等が持つ武器や纏う装備。大半がボロボロだが。
■シナト > 「んーー大半がやっぱアレかぁ。良い剣とかあれば貰って行こうと思ったんだけどねぇ」
最早火事場泥棒か墓場荒らしか、そんな感じの呟きである。
どうせ奪う事で悪名が通っているのだから、今更であるしそこは大した事ではない。
死者への冒涜?だからどうした。死んだら結局はただの肉の塊だろう。
死んでも成仏出来ず操られる哀れな操り人形。そうか、ご愁傷様。まぁ、それはそれ。
…まぁ、流石にここら全部のアンデッドを相手になんてのはしたくない。
と、いう訳である程度の引き際のラインは決めてはいる。
(さーてさて、剣の2,3本くらいは…おっと、あのアンデッドさんの腰のヤツとか良さそう)
目を付けるが早いか、先程と同じように一歩、二歩と歩き出して…
今度はそのアンデッドの側面からこんにちは。腰に差していた剣を鞘ごとかっぱらう。
――ついでに、そのまま鞘ごとフルスイングして周囲のアンデッドごと薙ぎ倒していたが。
「…おー何かやっぱり良さそう。そこそこ業物なのかもしれないねぇ」
上機嫌にのたまう。アンデッドのど真ん中にまた突っ込んでいるのにも関わらず暢気なもので。
■シナト > 「あーハイハイ、成仏したいなら他の人を当たってくださいなーってね。
俺は単に興味本位で来ただけの一介の冒険者ですよー…あーついでに今トレジャーハントもしてるかなぁ…っと」
無造作にアンデッドの1体に貫手。肋骨を1本抉り出して一振り。瞬間、白い巨大な骨刀と化したそれが周囲を豪快になぎ払う。
同時に、骨刀は薙ぎ払われて粉々になった周囲のアンデッド達と同じく粉微塵となって風に溶けていく。
「…んー取りあえずどうしよ。眼帯と良さげな剣が見つかっただけ収穫ありかねぇ」
一息。奪った剣は鞘ごと空いてる右腰へと吊り下げておく。
後はここから見える範囲では目ぼしい装備をつけてるアンデッドは見えない。
とはいえ数が多いのもあり、全てのアンデッドの装備を把握するのは無理な話だ。
「ここらが潮時かなぁ…とはいえ、ちょっぴりこの状況を作った輩にも興味はあるけど」
いやぁ、でもこれだけのアンデッド軍団を作り出して使役するとか凄い強そうだ。
触らぬ悪魔に何とやら、というヤツだろうか。とはいえ、普通に触るのがこの男だが。
■シナト > 「んー深追いすると足元掬われるのは目に見えてるしねぇ…」
まぁ、さっさと引き上げるのが吉だろうか。収穫はあったのだからそれで良しとする。
ならさっさと退散がベスト。とはいえ、このままトンズラするのも面白くない。
「んー……『剣と眼帯とアンデッド十数体の人生を頂きました。 ハーディス』と」
何か砦の地面に魔法でガリガリと削って書置きを残してみる謎の愉快犯的行動。
しかも自分の名前でなく魔王名の方である。こんなアホな事をする魔王も珍しいかもしれない。
「ふー……やりきった!よぉし、帰ろうーー」
誰が見つけるとも知らず、そもそも放置プレイで終わる可能性も高いのだが。
単にノリと気分と気紛れの産物なのでさして気にもしない。
そのまま、ヒラリと砦から飛び降りて…お得意の風の魔術を駆使して滑空するように高速で地面へと。
後は着地と同時にサッサと走り去るのであった。
ご案内:「タナール砦」からシナトさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にタマモさんが現れました。
■タマモ > 穴から抜けた先は、砦の中だった…当たり前と言えば当たり前だ。
まぁ、良い感じに突き抜けて一階の床にも大穴が開いていたが。
そんな訳で、砦内部で今度は探索を開始していた。
「おーちゃんやーいっ、居ったら返事の一つもしておくれー…っと」
静かな砦内部に響く声、探索と言っても、やる事は呼びながら歩き回る程度。
声を上げているのだ、そうしていれば当然のように外にいた不死者が入ってくるだろう。
…そんな事は分かっている、だから、入り口には結界を張っておいた。
不死者には開かないように…そうでない者がこっそり開いたらどうしようもないが、そんな者は居ない…と思いたい。
「やれやれ…実はここからもう脱出しておるとか、そんなオチではないじゃろうな…?」
はふん、と溜息を付きながら呟く。
…生死不明だ、死んでいる可能性は?…そんな可能性、これっぽっちも考えてはいない。
適当に歩いては扉を開く、そんな感じだ。