2016/06/16 のログ
ご案内:「タナール砦」にオーベさんが現れました。
■オーベ > (目深にローブを被った男が砦の廊下をゆく。辺りでは魔族と人とが入り乱れ争っているが、魔族も人も誰一人として男の行く手を阻むこと無く、また咎めることもしない。目的の部屋―――砦の司令官の部屋の前までくれば、静かにドアを開き、室内へと入った。司令官は、戦死したか、或いは今もどこかで勇戦しているのか不在。ほう、とフードの奥から安堵の息が溢れれば、静かに書棚に寄っていき、背表紙に指を当て…ぴたり、と指が止まった)…噂通り、ここにあったか…(探し求めていた稀覯本を見つければそれだけを抜き取り、懐へ。部屋を出るときた時と同じように静かに、息を殺し先をゆく。不可視、不認知の結界を自らに施し、慎重に進むと地下へ続く階段にさしあたる。「虜の気配がします」と自身の影に潜む使い魔の声がすれば、少し悩んだが階段を降り、牢屋の前に立った。じ、とフードの奥から虜になった少女を見下ろしては、珍しいな、等と思いつつ杖の先で軽く金属製の錠を叩けば、錠が開き石床に落ちた)逃げたければ逃げれば良い、この先は君の裁量で好きにしてくれ、最後まで面倒は見られない(エルフの少女にそれだけ告げれば再び階段へと向かい歩き出そうとする)
■リムル > ・・・だれ?だれか、いるの・・・?(がしゃり、と錠が落ち逃げたければ逃げろ、という声がする。首に嵌められた魔力封じがなければその姿はかなわずとも輪郭くらいは把握できたかもしれないが、今はそれも叶わぬ身。じゃら・・・、と鎖が擦れる音を鳴らしながら気だるそうに身体を起こし、ぱちくり・・・と数度瞬きを。しかし、声の主が遠く行ったのを感じれば流石にここにいつまでも滞在するのは得策ではない・・・と感じ、ゆっくりと出口へ向かって歩を進めようか。じゃら・・・じゃら・・・、という鎖の音と、足枷から繋がる重石でごりごりと地面を削る音を重く、鳴らしつつゆっくりと、出口へと。)
■オーベ > (虜囚の少女の困惑する声に返事は返さない。自分の目的が知れたら都合が悪い事この上ない…なんせ、火事場泥棒である。言い訳するのであれば希少な書物を戦火からお救いすべく参上した、と言えないこともないが、頭上では目下戦争中。話を聞く者がどれほどいようか?黙って立ち去ろうとすれば、不満気な気配が影の中からこちらへ向けられた。仕方ないだろ、と言い返したくもあったが、結局、使い魔の気配に負け、歩き出した少女の元へよっていく。立場の弱い雇用主サイドであった―――)…動くな。顎を少し上げて眼をつぶるように…少し音がするが君を傷つけたりしない…と、思う(彼女が従えばまず、足枷の鎖を、影から伸びた刃が断ち切り、続いて首筋へ指先を近づけ、意識を集中する)…魔力を抑える首輪かあ…1つ持ち帰ってみたくもあるが、手間だな(つ、と指先がそっと首輪に触れればパシン、と小さくヒビが入り2つに割れて落ちた。よしこれだけすれば、と階段に向かおうとするも影の中の気配は未だ、囚われの身であった彼女を気遣うような気配…えぇ…と、思いながら、これ以上どうしろと…と首を傾げる。姿が見えていたら滑稽であったろう…仕方ない、と腰にあった鞘に入ったナイフを彼女に差し出し)…大サービス、だ。4500ゴートの名刀、持って行きなさい…(これには影の中の使い魔も納得の様子。ほっ、と安堵するが、実際には古道具屋で買い求めた生活するに必要な程度の機能のナイフである)
■リムル > なに・・・?そこにいるの・・・?(少し掠れた囁くような小さな声が少女から溢れる。もとより声は然程大きくなく、コミュニケーションも上手い訳ではないエルフの少女である。緊張していれば尚のことである。彼から動くな、と言われれば身体を硬直させ、緊張しながら固まるようにして彼の言葉に従うだろう。そうすれば、牢内に響く鎖が切り裂かれる音と、ごとん、と首輪が二つに割れ地面に落ちる音――。身体が軽くなった感覚を覚えつつ・・・そのナイフを受け取る。そのナイフの感覚を不思議そうに手で弄びながらも、やがてはそれを装備して。その後・・・まだ彼が近くにいるならば、その魔力の残滓を辿り、指を伸ばし・・・届くならば、その服の裾をつい、と引っ張り) ・・・ありがとう。(と、囁くように告げて)
■オーベ > …戦場の幻のようなものだよ、なんなら君の信じる神様の使いだとでも思っとくれ…(エルフが何を信仰するかは露ほども知らぬが、まあ、火事場泥棒です。と挨拶するよりは良いだろう。彼女が此方の言葉に従い、暴れることもなかったから、彼女を捉えていた首輪も鎖も、簡単に外すことが叶った。一点、勿体無いと思ったのは首輪を正規の手順を踏まずに解呪したから、持ち帰って調べることが出来なくなってしまったが)…スマンが君を癒やすような力は不得手でね…牢から出られただけでも幸運と思ってくれ。そして、上では戦いが始まっているが、俺は一切、手助けをするつもりはないし、出来ないと思ってくれ…すまないね。ただ、高位の魔族はいないようだからそれは安心すると良い(双方の軍が戦闘状態に陥ってから念入りに使い魔を飛ばし、双方の陣容をしらべたらか、これは恐らく間違えない。居たらいの一番に自分が牢にぶち込まれているか、稀覯本を諦めさっさとケツを捲って逃げているところである)
■リムル > (このエルフの信仰する神はといえば狩猟と豊穣の神。それがこんな所に現れるとは少々考えにくい為か、エルフはとりあえず 妖精さん として捉えることにした。えらくファンシーな名前にされたものだが、彼にとっては正体がばれなければなんでもいいのだろう。たぶん。 正規の手順を踏まなかったとはいえ、ソレ対策の虜囚を殺すような悪質な罠がなかったのは幸いと言える。力が自慢の魔族である。虜囚に逃げられたとしてももう一度力の差を見せつければいいし、それが出来ないのならお前が弱いのが悪い、とでも考えているのだろうか。) ・・・うん、わかった。ありがとう、妖精さん。(――そう、えらくファンシーな名前で呼んだ。魔力を首輪の封じられ吸われ続けた後遺症でも残っているのか、ふらふらと危なっかしい足取りながらもエルフは日の光を求めて、歩き出し――。)
■オーベ > (何がどうなって、自分が妖精さんになったのか、皆目見当がつかず、思わず吹き出してしまった。ただ、冷静になってみれば、姿は見えぬ、魔術は使う、という辺り妖精と言えないことは無いような気もしたし、彼女の少女らしい容姿からすれば、まあ、そんな所ではないだろうか、と落ち着いた…エルフが長命というのはすっかり頭から抜け落ちていたが)…行きがけのついでだよ。ここを出ることが出来たのならば忘れてしまって構わない…それでも恩に感じてくれるのであれば、どこかで善行の1つも積めば良いさ(妖精さんはそう語る。それらしくなりきって言うものだから、影の中からは笑い声が聞こえてきそうである。ともあれ、ふらふら、と歩き出す彼女を見れば、困ったように嘆息し、彼女に風の加護の魔術をこっそり掛けておく。普段通りとは言わずとも、少しはマシに走り抜けられるであろう。そうして彼女を見送れば、ふむ、と自分も再度、息を殺すようにして牢屋を後にする―――決して、彼女を囮にしたわけではない)
■リムル > 妖精さん、笑った・・・?(こてん、と首を傾げつつその見えない妖精さんの様子を伺う。長命、とはいうがこのエルフは未だ若く、そして長く人と関わりの薄い森の奥で引きこもっていた為にどこか子供っぽい所が抜けていないのは否定できない。)わかった。(妖精さんの語りにこくり、と頷いて返す。なんとなくの場所は魔力のコントロールが戻った為に把握出来るものの、正確な位置まではわからない。少女の視線は彼の実際の顔よりも大分低い位置に注がれることだろう。そして、風の加護を受ければ おや? と不思議そうに。そして周りに風の精霊なり、魔力なりを感じれば・・・再び ありがとう、と礼を告げたことだろう。――そして、エルフと青年の脱出劇は始まりを告げる。息を潜め、敵を見つければ彼の加護に重ねてエルフ自身もなけなしの魔力を強化に回し、目にも止まらぬ速度で駆け抜けよう。それこそまるで、砦内に一陣の風が吹いたように。砦の勝敗はわからないけれど、武器も装備も回収し、見事エルフは脱出に成功したことだろう。)
ご案内:「タナール砦」からリムルさんが去りました。
■オーベ > (首を傾げる様が子供のように見える。笑ったというか吹き出してしまったのだが、これには答えず、こほん、と咳払い1つ。告げられた礼にも返事を返すことはなく、彼女にしばし遅れて階段を上がっていく。その頃には既に彼女の姿は見えず、自分もコソコソと、血塗れで争う人間魔族の脇を抜け、上階を目指し、城壁の上まで出れば、一陣の風のごとく走り抜けていく背中を見た)あれは、ちょっと、俺には無理だな…(身体能力が違う、と思いつつ壁から階下へひょい、と飛び降り、ゆっくりと着地を決めれば血腥い戦場に背を向けて歩き出す。「偶には良いこともするのですねえ」と、影の中から声が聞こえれれば、苦笑を浮かべ)あのねえ、本質的に俺は善人だよ?…争いごとにうんざりってだけ(影の中に潜む使い魔にそんな自己弁護をしながら、ゆっくり、ゆっくりと砦から遠ざかっていくのであった)
ご案内:「タナール砦」からオーベさんが去りました。