2016/03/16 のログ
ご案内:「タナール砦」にリーゼロッテさんが現れました。
リーゼロッテ > 「――構え!」

これがきっと低い声ながらとても絵になっていただろう。
しかし、合図を出したのは小柄な少女である。
夜ではあるが、砦の中で組合員の魔法銃訓練を行っている最中だった。
普通に剣や槍といった近接武器の戦闘はお手の物な組合員だが、砦に籠城しての戦闘となれば飛び道具が必要となる。
弓矢も悪くはないけれど、これなら弾幕を貼ることが出来る。
組合員に拵えられたのはマスケット銃型の魔法銃。
銃剣が取り付けられ、槍代わりにも使えるそれを手にした男達が一列に並び、壁際に並べられた藁の的に向けて構えていた。

「…ぁ、脇は閉めてくださいね? こうぎゅっと小さく縮こまるように」

大柄な組合員に近づくと、背伸びするようにして横に開いた肘を閉じさせていく。
こうか? と問いかける男に満足気な笑みで頷くと、全員の構えを確かめてから再び口を開く。

「では……てぇぇぃ!」

発射の合図を出すと、一斉に銃口に生み出された魔法陣から青白い魔法の弾丸が放たれる。
的を的確に撃ちぬく射撃を見やれば、よく出来ましたというように微笑みのまま拍手をする。

ご案内:「タナール砦」にアシュトンさんが現れました。
アシュトン > 随分と派手だなぁ……ま、集団戦だとそれが便利に働く事もあるのだろうが。
(自分には縁遠い得物という、印象を口にしつつ。
その辺に積まれた物資の影から、ゆらりと現れる男が一人。
少し前にそこを見た人物がいれば、「誰も居なかった」と応えるだろうが、そんな注意を払っている人物はいるまい。
青白の帯と発砲音が放たれるのを横眼にしながら、リーゼロッテの方へと近づいてゆく)

とりあえず、周囲に魔物の類や、怪しい人物はいなかった――俺を除いてな。
鳴子に落とし穴、その他トラップの類も仕掛けておいたから、誰か来れば分かるだろう。
あとこれ、罠の配置図な。
(周辺を仔細に調査した地図には、砦の周囲をぐるっと囲むように、幾つもの赤丸がつけてある。
現在、砦警備に雇われて、周辺警戒やら何やらのお仕事中。
それについては彼女も知らされているだろうし、ソレを前提として地図を渡したようだ)

リーゼロッテ > 訓練中に聞こえた声、そちらの方へと振り返ると、完全に顔を隠すような恰好をした彼の姿が見える。
明らかに怪しい姿に、びくっと驚きながら一歩後ずさってしまうものの、差し出された地図を受け取った。

「ぁ、ありがとうございます…」

じっと地図へと視線を落とせば、砦の周辺に罠が仕掛けられているのが分かる。
何時もここは取ったり取られたりだから、こういう罠があれば時間を稼ぐには十分なのだろうなんて思いつつも、戦いという部分はあまり良くわからない少女からすると、何だか凄いのかな? ぐらいな認識になってしまい、表情もよく分かってないような顔をしているだろう。

「参謀さんに渡してきたほうがいい…かな?」

独り言をぼやくと、通りかかった補給の要員がついでに届けてきてやると、申し出る。
微笑みながらお礼を告げれば、抱えていた木箱の上へと置いて男に手を振って見送っていく。

「暗いし寒い中お疲れ様です」

それから彼へと振り返れば、柔らかに微笑みつつ労いの言葉をかける。
組合員達は少女の後で、射撃の練習に勤しみ、青い光がなんとも生まれては消えていった。

アシュトン > まぁ、こういう出で立ちに良い印象がないのは分かる。
もっとも、雇われている間は裏切る事はないし、そもそも戦で魔族側につくつもりはないから安心してくれ。
と、言う言葉も信じるのは難しいだろうがね。
(くくっと、喉元で笑い声を鳴らせば、ゴーグルを上にして目を露出させ。
口を覆う布も、ついでに下へとズラしておく。
次いで手にしたペンで、「罠を回避するなら、この辺のルートを選ぶだろうから、巡回を少し多めにしたほうがいいな」と付け加え。
口頭で済ませると、ペンが手品のように袖の中へと消えていった)

こういう仕事は慣れてるからな、これと言って苦労はないんだが。
やはり、寒さは身にこたえる。
どうだい、休憩時間、一緒に一杯とか?
或いはそのあと個人的に温めてくれると、嬉しいんだがね。
(肩を揺らせば、ウシンクを一つ投げかけて。
グラスを手に取り、酒を飲む様な仕草をする)

リーゼロッテ > 「ご、ごめんなさい…びっくりしちゃったもので」

謝罪の言葉と共に頭を下げると、続いた言葉にきょとんとした表情で顔を上げた。

「……えっと、なんでです?」

信じろと言われてすんなりと信じる質ではないが、こうしてちゃんと仕事をする彼を疑うつもりはなく、何故そうなるのやらと軽く首を傾ける。
手品のように消えるペンの動きには、子供っぽく目を丸くして驚きつつ、器用な人だなと思わされるばかり。

「そろそろ春なのに…まだ風が冷たいですからね。 ふふっ、じゃあ後で……えっと?」

隼の背にしがみついて飛翔するときも、風の冷たさを感じる季節。
苦笑いを浮かべながら頷いて同意するも、最後の言葉に再び疑問符が浮かびそうな顔をしていた。
性経験こそここ最近増えたものの…襲われるやらが多く、それらしい誘い言葉に慣れていない。
温めるという言葉に、ホットワインとかが一瞬浮かぶもなにか違うようなと考えていき…。

「どういう意味でしょうか?」

結局わからず、困った様に苦笑いを浮かべながら問い返した。

アシュトン > いや、気にしなくていい。
そもそも、人に見せる格好でもないんでね。
(顔を緩くと横に振る。
まぁ基本として、誰にも見つからずを前提とした装備である。
チームを組む場合は、別の話だが)

俺みたいなタイプの仕事人はだ、まぁ平たく言えば裏の仕事にも足を突っ込んでるからね。
だからこうやってちゃんと仕事をしている――ように見せかけて、裏で侵入の手引きをしているかもしれない。
特に上のヤツはその可能性を考慮するし、考慮しておくのが普通って事さ。
(こちらとしては、それに関して気にする様子はない。
ただ餅は餅屋、そういうモノを雇う利点も確かに存在する、という事である。
何やらペンを消したのを興味深げに見ているなと、そんな気配を察すると。
右手からペンが出て、ソレを投げると左の袖に消え。
そしてまったく同じモノがまた右手に出てくる、何てことをやってみせた)

この時期は、どうしてもな。
暫くとすれば温かくもなってくるだろうさ。
それじゃ、後で良い酒を拝借して――ん?
(コートの上から身を摩ると、相手の返答に口の端を上げ。
いっそ司令官の部屋から失敬してくるのもいいかもしれないな、なんて考えていた時だった。
意味を問う言葉が続けられれば、ずるっと肩が落ち、先ほど隠れていた物資箱に頭をぶつける)

い、いや、うーん、何と言えばいいのか。
(思わず言いよどむ。
本当に分かっていないのか、もしくは天然なのか、両方なのか。
誘いの言葉を聞き返されると、どう説明するかと頭を左右に揺らし)

――……一緒のベッドに入って、互いに身を寄せ合って、男女の行為をしませんか、という意味だ。
(いっそ開き直って、包み隠さず告げる事にする。
自分で言っておいて、眉間に変な皺が出来てしまっていた)

リーゼロッテ > 人に見せない恰好ってなんだろうと、言葉の意味に意識を傾けるも、とりあえず驚かれる恰好なのかもしれないと思い直して納得することに。
問い返した言葉には、納得のいく内容が返り、なるほどと少女でも理解しながら頷いていた。

「それは困りますね…でも、参謀さんなら悪いこと考えているのとか、多分見抜いちゃいますし…大丈夫です」

もし彼が危ない人なら真っ先に自分が釘を差されるので、それがないあたりは安心ではあるものの…裏を返すと、子供扱いな為、苦笑いが浮かぶ。

「わっ…! 凄いです! お兄さん、大道芸人さんだったんですか?」

右手と左手の間を自在に行き来し、ワープするように移動する不思議な一瞬に目を丸くして驚く。
微笑みながら小さく拍手すると、紡ぐ言葉は少しずれた感じがするかもしれない。

「っ!? だ、大丈夫ですか…!?」

こちらの返答に崩れながら頭部をぶつけるのを見れば、先程とは違い、慌てふためいて驚くと彼の直ぐ側に近づこうとする。
たんこぶになったりしていないかなと、ぶつけた部分を見ようと彼を見上げていく。
そして、言い淀んだ言葉、仕草に瞳を瞬かせながらきょとんとしていると、ストレートな言葉が耳に届き…数秒の魔を持って理解に至れば、ぶぁっと頬から耳へと熱が広がるように真っ赤になって、両手をバタバタと顔の前で振って否定する。

「ぃ、ぁ…そ、そういうのは…ちゃんと大人なお姉さんとかにいってくださいっ! わ、私みたいな子供なんか…っ!!」

Yes とも No とも言わず、子供故に吊り合わないといった理由だけを並べて真っ赤なままに頭を振っていた。

アシュトン > ま、当然のように注意はしてるだろうしな。
それにこの手の仕事で裏切った事もないし、その辺の事実も担保になってるんじゃないかな。
(汚い仕事も、ロクでもない事もするが、契約を交わした以上は、というのはひとつの矜持だろうか。
事実、これと言って怪しい動きも、していない)

はっはっは、こんな事も出来るぞー。
(棒手裏剣状の投げナイフを4本、右手に挟み。
まるで歓声に応えるかの如く、頭の上へと投げればお手玉の様にジャグリングして――)

って、違うわ!
砦の周りに罠仕掛ける大道芸人とか何処にいるんだ!
(このノリ突っ込みである。
ガシャーンと棒手裏剣を地面に投げつけた後――こそこそと回収する。
まー……そっち方面で食っていけそうな気がしなくもないが)

い、いいや、問題ない。
少しぶつけただけだ……
(フードはまだ被っていたお陰が、それがクッションになって見た目程のダメージは受けていないものの。
痛いものは、痛い。
ぶつけた部分を軽く手で摩った後に、告げた言葉にどう反応するのかと暫し眺めていたの、だが)

おやおや
(一瞬にして真っ赤になった顔をみやれば、何か楽しげに口の端を上げる笑みを)

子供って言ってもな、アイツらにちゃんと指導してたじゃないか。
それこそ、自分より屈強そうな男たちにな。
あれだけ出来れば、十分としっかりしたモノさ。
(相変わらず銃撃の練習を続けている姿を、ちょいちょいと指さし)

君自身が考えている以上に、君は魅力的な『女性』なんだがな。
少なくとも、俺の目にはそう映るんだけども――是非抱きたいと、考える程にね。
(視線を合わせるよう前屈みになれば、青い瞳を見つめる双眸を細め。
紅い頬に触れるように、ちょいと、指先を伸ばした)

リーゼロッテ > それなら安心と一層の確証を得ればほっとひと安心して、笑みが溢れる。
恰好は怪しいものの悪い人ではないようだ。

「わっ、凄いですっ! やっぱり大道芸人さ――」

ぱちぱちと拍手を強めて喜ぶものの、違うと突っ込みが入れば、ひゃっ!? と小さな悲鳴あげてビクッと体が跳ね上がる。

「ち、違うんですか…? いまだって」

投げナイフでジャグリングしてたじゃないですかと思いつつ、苦笑いを浮かべる。

「少しぶつけただけって…すごく痛そうなんですけど」

大丈夫かなと心配そうに見上げるものの、血の跡やら赤くなったりといった様子も見えない。
それでも痛そうなあの音は心配になる。
しかし、続いた褒め言葉は恥じらいを更に強めていく、こそばゆい感じに気恥ずかしなっていき、照れてしまうと少し俯いて肩をすくめて、羞恥に耐えるように丸まっていく。

「……うぅ、でも、抱きたいとか、体だけみたいで嫌です…」

求められる事自体は嬉しいものの、真正面から体だけを強請られているみたいで恥ずかしくもあり、モヤッともしてしまう。
覗きこむ視線から逃げるように視線を反らすと、頬に指が当たる。
ビクリと体が震え、その頬は色合いのようにほんのりと体温が高く、暑くなっているのが伝わるだろう。

アシュトン > (まぁ少なくとも、この場では、悪い人ではないだろう)

咄嗟に武器を取り出したり、鍵開けとかもする関係上、手先が器用でこういう事も出来るってだけだよ。
調子にのってあんなことをしてしまったのは、少し反省している。
(自分でやっておいて、なんだか微妙な心持ちである。
なんとなく歓声に応えたくなったからね、仕方ないね。
あるいは彼女がそういうオーラをまとっているからか……)

少しすれば落ち着くさ、被ってるフードもクッションになってくれたからな。
(コートに繋がっているそれを指で摘まんでみせた。
身を隠す以外にもちょっとした防具になるため、案外と丈夫なのだ)

ふむ…………
(どんどんと丸く小さくなっていく様子を楽しげに眺めていたのだが。
相手の言葉に首を傾げれば、少しと考えるように顎を撫でて)

そこは、女心、乙女心という奴か。
恋人と言う訳でもなければ、別段付き合いが長いって訳でもない。
君を見ていて思う所もあるが、どんなセリフを並べても重みが足りないか。
(さすりと頬を一撫ですると、指を一旦と離し。
横顔を眺めながら、片目を閉じて)

ま、無理やりにって訳じゃぁない。
誘っておいて相手が納得できないのに強引に、なんてのも野暮だろう。
だが、そうだな――酒だけでも付き合ってくれるとありがたいな。
親睦を深める、という意味でもね。
(ぴっと、人差し指を一本と立てる。
押し過ぎるとそれはそれで頑なになってしまいそうでもあるし、ならばちょっとと引いてみて。
ひとまず、妥協案である)

リーゼロッテ > 「ぁ、そういうことでしたか…でも、戦争とかが無くなっちゃっても、大道芸人さんのお仕事も出来そうですねっ!」

なるほどと彼の言葉に納得しながらも、何故か満面の笑みでの大道芸人推しである。
よほど先ほどのジャグリングやらが気に入ったのだろう。

何だか観察されているような感じがするものの、頬をなでられると擽ったそうに軽く身を捩る。
乙女心といわれれば、そういうものなのかなと思いながらも彼へと視線を戻していく。

「無理矢理だったら…悲鳴あげちゃいます。お酒…ですか、私はお酒飲めないですけど、一緒になにか飲むってことでしたら…」

それならと素直に頷いてみせる。
一方後ろの組合員達は命じられた射撃練習を終え、次は何をすると少女に声をかけてきた。

「ぁ…えっと、魔力尽きちゃうと大変ですから、今日はこれで終わりにしましょうか。もうちょっと練習したい…って事でしたら、弾は撃たないで、狙う練習だけでもいいと思いますよ?」

組合員達にそんな指示を出すと、大体は疲れたからと酒場に行くなり部屋に戻って行くなりそれぞれ。
散っていく仲間達を見送ると、彼へと振り返る。

「えっと…じゃあ行きましょうか?」

おずおずと彼の申し出を改めて肯定すれば、はにかんだ笑みで彼を見つめる。

アシュトン > それは、慰めになってるのかなってないのか微妙な所だな。
まぁ戦争が終わったとしても、俺みたいなのを必要とするヤツは、何処にでもいるのだろうが。
(それこそ、ヒトの憎しみや妬みやら、負の感情が消え去ってしまわない限りは。
と、微妙に感傷が過ったのをため息で区切り)

命を預けてる同僚にそんな事したら、俺もヤバイ
(肩が小さくと上下に揺れた。
なんだかんだと言っても、ここは最前線の一つである)

酒は苦手かい?
ジュースやらと混ぜても、呑みやすくて案外イケるんだがね。
(クルクルと、立てた指を回す。
言ってみれば簡単なカクテルの様なモノだ)

(隊員たちに指示を出しているのを、暫しと眺めた後。
次いで此方へと向けられた言葉に、頷きを返して)

では、流石に女性の部屋に行く訳にもいかんし。
俺の部屋でいいよな?
(ひらりと手を振ってから、唇で弧を描き。
踵を返すと、先導して砦の中へと入ってゆく。
入り口から、石造りの階段を上り、二階の、更に右端の方。
扉を開くと中は、他と共通の作りな、一人部屋。
――なお、その間に、彼女にも気づかれない位の手際で、物資からいいワインを一本くすねて懐に入れた模様)

リーゼロッテ > 「そうですか…? だって、兵士だった組合員さんが農業を始めた時、勝手がわからなくて苦労してましたし…それなら、手に職があるって凄いと思いますよ?」

ティルヒアから離れた元兵士の一部は剣を鍬に変えて農業に勤しんでいる。
今でこそ様になったが、最初はミレーの人に良く引っ張られてたなとこちらは微笑みながら思い出話が脳裏に蘇る。
続いた言葉には、他の組合員さんが怒って突撃してきちゃいますからねと微笑むも、散っていく時に少しばかり彼に釘差すような視線が飛んでいただろう。

「ぁ、ま、まだ成人してませんから…ワインはちょこっとだけ飲みますけど」

教会で育った故にワインだけは少し飲めるものの、簡単に眠くなってしまう。
そこまでは言わないものの、飲めないと改めて頭を振った。

「そうですね、ではそれで…」

小さく頷き、砦の中へと向かっていく。
階段を登って部屋に向かっていけば、扉の向こうのことは二人のみぞ知る夜となるだろう。

アシュトン > 戦いから遠のいた平和な仕事と言えば聞こえはいいが。
職業軍人だと、やっぱり勝手が違い過ぎて、中々慣れんだろうな。
俺も突然平和な暮らしになったら、戸惑うだろうし……
(想像してみようとするものの、想像が出来ずにカタを竦める。
小さい頃から教えられて、既に染みついている。
とれてしまう事は、恐らく死んでもないのだろう)

(何やら妙に突き刺さる視線は、軽い笑みと共に手を振って流して置く)

そうか……なら、ジュース辺りでも、見繕っておくか。
(支給品の中に、ノンアルコールも恐らくとあるだろう。
その辺から失敬すれば、誰も気にするまい――会計やらが困惑してしまう可能性はありそうだが)

(……その後、二人で飲み明かすなり、親睦を深めるなり、あったのだろう)