2016/01/19 のログ
ご案内:「タナール砦」に魔王アスタルテさんが現れました。
ご案内:「タナール砦」にタマモさんが現れました。
■魔王アスタルテ > 【前回の続きだよ~】
■タマモ > 「ふふ…さぁ、じゃんじゃん持ってこい…とまでは言わぬが、用意を頼むのじゃ。
しかし、なかなかに重そうな名であるのぅ?いや、だからこそ期待も出来るというものか」
魔王だの帝王だの、こう、いかにもな名前だ。
あんまり銘柄とかを気にしてた事がなかったが、これからは少し気にしてみようか、とか思った。
「おぉ…それでは宴とか、用意する側は結構気を使ってしまいそうじゃのぅ。
いや、逆にそこまで気を使う事もせんのじゃろうか?」
宴といえば、やはり豪華に大量に、という印象が強い。
その通りにしてしまえば、この少女にはきつい量だろう。
それを考えると………どんなものだろう?うん、それは今から分かるから見れば良いか。
「ふむ…そうか、ならばその時になったら遠慮なく願うのじゃ」
そうそう、そういえば今目の前にしている相手はアスタルテの後ろにいつも居る者達だ。
となれば、見た目以上に丈夫なんだろう。
本人もそう言っている事だし、と、本当にそうなったら任せる事にした。
「安心せい、妾のように幼少の頃より飲めていた者も居るのじゃ。
逆に飲めない者とて居るのは当然じゃろう?」
正確には、知らずに飲んでいた訳だが…それはそれ、飲めたには変わらない。
宴の席で飲めないのは、やはり少々気になるところだろうか?
なんとなく、こう…苦笑するアスタルテをぎゅーっと抱き締めてみた。
「ふむ…機会があったら聞いてみるのも良いじゃろうな」
聞いたところで分かるのか?という意見もありそうだが…気にしたら負けである。
魔族の国…そういえば、聞いた事はあるが実際に見た事がないな、とか思い出していた。
「こう言っては何じゃが、同じ妖怪でない限りは…人間であろうと、何者であろうと、同じじゃろうな。
どう見ているかは、まぁ、あれじゃ…人間でいう人間以外といった感じじゃ、多分のぅ」
実際に親と一緒に居たのは里を離れるまでの話だ、それを思い出すように、小さく唸る。
かなり昔の事なので、そうぽんっと思い出せるような代物ではなかった。
「うん?まぁ、人間全てがそうとは言わぬが…逆に、そうでない人間なんぞそう多くもないじゃろう?」
現に、この世界に来てからもそんな事柄がよくあった。
正しい者よりも、そうでない者の方が蔓延っている。
正直者が馬鹿を見る、そんな事が多いのだろうから、そうなっていくのは仕方ないといえば仕方ない気がする。
それは何も人間だけという訳でもないだろうが…数の多さから、どうしても目立つだろう。
少女はそう難しい事は考えない、ただ、己の目で見てきた事からしか考えていない。
「むむむ…あー、やっぱり難しい事を考えるのは苦手じゃ。
あれじゃ、やはり己の正しいと考える事をやってればそれで良い。
気に入らなければ…それなりに動くだけじゃ」
人間がどうとか、魔族がどうとか、結局はこの世界の流れはこの世界の者達でしか動く事はないだろう。
自分がどうとかこうとか、考えても、動いても、どうしようもない。
やはり、自分の思う通りに動くしかない、結局結論はそれだった。
「うむ、焦ったところで良い結果なんぞ得られんじゃろうしな?
そうじゃのぅ…では、案内が必要になった時は頼むのじゃ」
とはいっても、可能性の一つでも見えれば気が急いてしまうかもしれない。
今は何も見えないからこそ、である。
そして、案内を頼むのは良いのだが…うん、相手が誰でも気にするような性格ではなかった。
「………なん…じゃと…!?
いや、待つのじゃ。妾の持ち歌とか、とてもあるとは思えないんじゃがのぅ!?」
頼み事を聞いた途端、ぴしり、となにかヒビ入ったような音が聞こえた気がした。
この世界の歌なんて知らない、己の世界の歌があるとは思えない。
そして、少女がよく己の世界で歌っていたのは…どう考えても無さそうなもの、アニソンばかりだった。
どうする?断れそうな雰囲気ではない気がするぞ?
焦ったところで仕方が無い雰囲気を出していたのに、いきなり別の意味で焦らされる少女である。
■魔王アスタルテ > 『がっはっはっは! 安心しとけ。
酒は大量に注文しているからな。いくらでもあるぜ。
あの酒は超秘蔵だからな。本来なら、そう簡単には飲めねぇぜ』』
(ブルートは豪快に笑いつつ、念話で砦にいるコックに酒の確認をしていた)
「あははー。気を使わせてしまってるのかな。
宴なんだから、やっぱりみんな楽しくがいいよね!
(アスタルテが宴を好む理由は何と言っても、みんなが楽しく盛り上がれるからだ)
『それでは、私はタマモちゃんの可愛い寝顔を堪能するわね』
(スライミーはタマモに、優しく微笑む)
「あたしのような幼い外見でも、お酒飲める者は飲めちゃうからね。
幼少の頃より飲んでいたという事は、タマモちゃんもそうだったのかな」
(飲めない者もいて当然。タマモのそんな言葉に、アスタルテは頷いてみせる。
宴の席でも、やはりアスタルテはみんなのようにお酒が飲めない。
それでもアスタルテは、宴が大好きだ。
なぜなら、みんなが楽しく盛り上がれるのだから。
そんな時、タマモから抱き締められたので、アスタルテも彼女の背中に手を回す)
「あははー♪ タマモちゃんにこうして抱き締められるの、
凄く優しくて暖かいから、あたし好きだなぁ」
(まあ、お酒の事はロト本人に聞くのが最も手っ取り早いだろう。
アスタルテは知識こそ豊富だが、さすがにお酒にまで精通していなかった)
「あー、自身の種族とそれ以外という価値観に定まっちゃうって事だよね。
妖怪というひとつの種族に生まれて、さらに他の種族とあまり関わってこなかったのだからそういった価値観にもなってきちゃうものだよね。
そうなっちゃう気持ちは、魔族であるあたしも分からなくはないよ。
まあ、魔族にも人間にも妖怪にも、少なからずそういった感情があるから種族間での複雑な対立なんかも生まれちゃう事もあるわけだからね」
(自身の種族とそれ以外、そんな価値観を持ってしまうのはある程度は仕方がない。
だけど、他の所属の事も理解し、歩み寄る努力を怠れば互いに偏見を生む事にも繋がりかねない。
この世界で永く生き続けたアスタルテは、その事をよく理解していた)
「今の腐敗したマグメール王国こそが、人間はどういった者が多いかという事を物語っているねー。
もちろんマグメール王国が人類の全てという事でもないけどね」
(腐敗した王国。
城内では毎日のように政争が繰り広げられ、王族や貴族達は平気で平民を虐げる。
全ての人々がそうであるわけではない。だがタマモの言うようにそうでない人の方が多いだろう)
「あははー。それが、タマモちゃんらしいね。
自分の信念の通りに動く、それはすっごく大事だよね。
あたしもそうやって、これまで生きてきたよ」
(“純粋なる魔王”は、魔族や魔物を率い、導きし者。
アスタルテはその使命を己の信念として、片時も疑う事すらなくこれまで過ごしてきた。
これからも、己の信念を曲げる事も揺らぐ事も決してないだろう)
「そうだねー、のんびりしていた方がきっとこの世界を楽しめるかもだねー。
その時はいつでも呼んでよ~」
(呼ぶ方法については、念話で大丈夫だろう。
ここで生活していくうちに、元の世界に帰る手掛かりもいつかは見つかるかもしれない)
「あー、そっかぁ。
タマモちゃんの世界の曲はさすがに、入ってないね。
それじゃあ、あたしの持ち歌でデュエットしちゃう?
それがいいね! タマモちゃんと一緒に歌ってみたいよ~」
(ちなみにアスタルテの選曲は、まさしくアイドルが歌っていそうな曲である。
さらにアスタルテの歌い方や可愛らしい振り付けなんかも、どこかアイドルっぽさがある。
それ故に、宴でも盛り上がるのだ)
■タマモ > 「ふむ、そうか…考えてみれば、かなりの数が居ったんじゃったか?
秘蔵となると数に限りがあるものじゃろうし、皆が飲めると良いのぅ」
改めてぐるりと辺りを見渡してみる。
こういう場だ、それは誰だって飲みたいものだろう。
果たして数が追いつくのかどうか…まぁ、それを自分が心配しても仕方がないか。
「そうじゃな、何であろうと宴は宴じゃ…気にしてばかりでなく、楽しまねば損じゃ」
少女とて楽しむ事が好きである、当然、宴もその一つだ。
裏方の者達はなかなかに忙しいかもしれないが、そういえば、そういう事をするのが好きだという者も居た。
そういった者が居るのだったら、こちらは楽しまねば逆に悪い。
うん、きっとそういう者は居るだろう。そう考えると少し気が楽になる。
「うむ、膝枕をする方が堪能するというのも不思議な感じではあるがのぅ」
された事はあるがした事はない、だが本人がそう言っているのだから、そう感じているのだろう。
なんとも奇妙なものである、と少女は思った。
「そうじゃぞ?でもあれじゃな、酒とジュースどちらが良いかと問われると…やはりジュースなんじゃがな?」
そこだけはしっかり主張しておく。
またこういった場があった時、酒比べの無い場合はどちらもあったらジュースの方が好きなのだ。
好きなジュースよりも酒が勧められたらちょっと物悲しい。
「宴で飲食を楽しむものが酒だけとは限らぬのじゃ。
ほれ、酒を飲む者はあまり食は取らぬじゃろ?飲めぬ者も、そういった意味ではやはり宴では欠かせぬじゃろう。
こうしておると、温くて気持ちよいからのぅ…妾も好きじゃぞ?」
宴だからと必ず酒飲みばかりが必要という訳ではない。現に己とてどちらかと言えば、本来はそちらの類だ。
こう、到着するまでの戯れが如く、抱き締めるアスタルテの温もりを楽しんでみる。
やはりこうしていると、気持ちよくて良い。
「そうなのじゃ。まったく困ったものなのじゃ。
とはいえ、今更それを伝える事も出来ぬ訳じゃが…
まぁ、この先に妾が跡継ぎを迎えたりした時には、妾のように他の者達と暮らさせようとは思うておるのじゃ」
そうしたからと、必ず己のように差別の無い者となるのは限らない訳ではあるが。
しかし、己の経験から考えれば、それが良いものだとは思っている。
己を知るだけでなく、相手も知る事は…大事である。それは少女も考えている事だ。
「うむ、だからこそ妾はあんまりあの城には近付きたくないのじゃ。…近付く気も無いがのぅ」
それだけが理由、という訳ではないが、どうしてもあの場所のあの雰囲気は…好かない。
一応は知る事も大事と何度か寄ろうとはしていたが、結局は見るだけで入らずじまいで終わっていた。
「ふふ…そうじゃろう?やはり妾の考えは正しいものじゃな、うむ。
とはいえ、やはり誰ぞに言われたが式の一つも置いておきたいものじゃ…
一番怖いのは、間違っておる考えを間違っておると判断出来ない状況じゃからのぅ」
アスタルテからの言葉に、満足そうに大きく頷いた。
が、後に続く言葉は今のアスタルテにはあるが、己に無いものに対する不安。
部下の居るアスタルテには誤りがあった時に正せる相手が居るが、今の自分は一人である。
己が考える事が、必ず間違いないものであるという事は…絶対ではない。
「もちろんじゃ、遠慮なく呼ばせてもらうぞ?」
常に都合よく念話の届く範囲に居るとは限らないが、少なくともそういった相手が居るのは良い事だ。
「………やはりじゃったか…まぁ、それは仕方ないじゃろう。
む、むむむ…良かろう、歌えるものが無いのならば、まずは覚えねばならぬからのぅ」
そう、この世界の歌を少女が知る訳がない。
まずはそれを覚える事が重要だ。デュエットであるならば…うん、なんとか誤魔化せるだろう。
上手く歌えるかどうかは、疑問ではあるが。
ちなみに、堅苦しいものでなければ案外少女はすんなり覚えてしまうのだが、それは始まってから分かる事である。