2015/10/25 のログ
ご案内:「タナール砦」にルーキさんが現れました。
ルーキ > 「………また奪われたのか…」

半ば呆れ返るような声が零れ落ちる。
近辺を歩いていた最中、襲い掛かってきた魔族の類を斬り捨てて後。
砦から少し離れた場所にて、その様子を窺っている。
別段己が拠点を取り戻そう、などという心算は無かった。そのような義理は無い。
特別長居をする気もなく。

「――あの程度なら、取り戻すとて造作も無さそうだが」

適当な木の根元に背を預け、座り込む。
傍らに下げていた粗末な水筒を取り上げ一口。喉を潤した。

ルーキ > 「……膠着状態とも言うべきかな」

町の噂を鑑みるに、物騒の度合も日に日に増しているような気はするが。
小さく呟けばごつ、と頭を幹に凭せ掛け小休止。
基より歩き通しである程度疲労してはいた。
場所柄少し危険な気もするが、まぁ何とかなるだろうと楽観的な面。

面倒ごとには巻き込まれたくはないな、と一人呟く。
そうは行かないのもまた現状ではあるのだが。
目下、自分の立場自体が複雑で面倒なものであるとは自覚済み。

ルーキ > 「……ん?」

また一匹、此方に気づいた。
ゆっくり腰を上げると同時、飛び掛ってくる魔物を横薙ぎに斬り落とす。
声も無く倒れ伏したその姿を横目に、剣についた微かな血を拭った。

「……あまり長居は出来ないな」

まぁ、現状を探れただけでも収穫か。
そんなことを考えつつ剣を鞘に収めた。今度は座らず、肩を幹に預けるようにして様子を窺う。

ご案内:「タナール砦」にキスカさんが現れました。
キスカ > むせ返るほど濃厚な戦場の香り。
血糊で汚れた城砦にはまれびとのものとは違う臭気がむんむんと立ち込めていた。
木立の向こうに見知った顔をみつけ、気配を立って樹上の人となる。

風に舞う羽毛のように音もなく、枝から枝へと飛びうつり―――。

「がおーーー!!!」

一対のダガーを逆手に高所からの急襲。
ぎらり、と抜き身の殺意を発散して防具の継ぎ目の急所を狙う。

ルーキ > 気配を絶てば木の上にある人影に気づくこともない。
しかし、高所から受けた襲撃には反射的に身体が動く。
急所を的確に狙う刃を、振り返り様に抜放った剣で受け止めた。

「―――…っ、と……?」

よく見れば知った顔だ。
怪訝そうな表情を隠さずに、刃を横へと払い除ける。

「……どうしたんだ、いきなり。殺す気だったか?」

キスカ > 鋭利な金属音と共に火花が散って、受け流された勢いを転がって殺す。

初手は挨拶代わりみたいなものだ。
正確に頚動脈を穿ち、派手に切り裂くつもりで打ち込んでいた。
ルーキはあの程度で死んでしまうほど柔な子じゃないと信じてのことだ。

「そんな感じ! 元気してた?」

肉食獣めいた表情。満面の笑みとともに明るく答える。
混じりっけなしの純真な殺意を込め、一気に間合いを詰めて激流のような六連撃を叩き込む。

ルーキ > 幼少より一通り磨かれた剣術は、この身を守るのに至極役立っている。
純真な殺意による連撃は、もう片方の剣をも抜いて火花を散らしながら受け止めた。
直に掌に感じる衝撃、痺れに思わずと笑み零し。

「まぁ、元気だったよ。そっちこそ……元気そうで何よりだ」

別段、砦に蔓延る魔物の存在を忘れたわけではない。
とはいえ今は此方に集中しよう。
双剣を勢い良く叩きつけ、ダガーを彼女の手から弾き飛ばさんと試みる。

キスカ > 剣戟の音を聞きつけてやってきた小型魔獣が半ダースくらい。
飛びかかってきた順に眉間に投げナイフを撃ち込み、剣の舞は加速していく。

「ここにいるのは魔物だけ。何しに来たのさ!」

牙と牙がかみ合い、次の好機を狙って再び打ち合う。
意識にのぼるよりも早く白刃が舞う。おたがい、身体に染みついた基本動作の賜物だ。

「―――わぉ!!」

見かけ以上の重量感。双剣士の攻勢に均衡が崩れ、片方の短剣が宙を舞う。
………というのは誘い水みたいなもので、無手からのカウンターで武器の奪取を狙う。