2023/03/12 のログ
ご案内:「無名遺跡」にエレイさんが現れました。
エレイ > 遺跡の地下迷宮。
その通路を、腰にカンテラを下げてスタスタと歩いている、冒険者風の金髪の男が一人。
特に周囲を警戒するでもなくさながら散歩のような悠然とした歩調で、ざしざしと足音を響かせ進んでいる。
そんな男の表情は──少し眉根を寄せた、困惑したようなものだった。

「……モンスターっぽいのがちっとも出て来ない不具合があるのだが。なにここハズレ?」

ポリポリと頭を掻きながら独りごちる。
そう、迷宮に入って暫く歩いているが、男は今のところ敵性存在と一切遭遇していないのだった。

「そんなことはないと信じたいのだが……どうしよう、ちょっと探知してみるべきか? いやいやそれだと冒険の楽しみが……」

こめかみを人差し指でグリグリしながら、しょうもないことで悩みつつ歩を進めてゆく。
曲がり角に差し掛かり、そこを過ぎるとモンスターが──ということもなく、ハァ、とため息。

「……まあとりあえず行き止まりまでは行ってみるけどよぅ……ンン?」

途中、壁沿いに一つの扉があった。
足を止めて、腕組みしながらその扉と向き合い、首を捻って眺めてみる。

「……ほう。ココになら何かありそうかな? むしろなんかあってくれ」

などと、願望を込めたコメントを呟いてから、おもむろに片足を上げるとゲシッと扉を勢い良く蹴り開けてみた。