2021/11/18 のログ
ご案内:「無名遺跡」にエルファラさんが現れました。
■エルファラ > 冒険者でもないのに、遺跡に潜る者は稀にいた。
例えばこの女。周囲の誰一人認めないが、料理人。食材となりそうな生物がいないかどうか探索に訪れたという訳で。
売られていたダンジョンマップを手に装備品を詰め込んだバックパックを背負い入口を潜り、周囲の気配に敏感に反応し、何かを察知すれば立ち止まって確認。無害な物も有害な物も、兎に角食えそうなものであればチェックを入れる。
襲ってくるならば、料理人とは思えない反射速度で撃破した。
メインは料理人、サブは格闘家、ではあるが実情はメインが格闘家と世間は見做す。
危うげなく階を踏破して行きつつ、途中でマップに記されている通り、罠を発見した。発動させてしまえば触手に襲われるという類の。
「…………。」
徐に罠が発動するトリガーとなっている変色した床の一部を、どん、と無造作に踏みつけ。
刹那に、左右の壁から伸びてくる、うねうねとした無数の触手を素早い身のこなしでステップを踏み、全て避け切っては触手がぎりぎり届かない安全圏へ退避し。
「食べられるかしら。これ。」
真顔で呟きながら、バックパックから包丁を取り出し、スパンッと伸びてこようとして鼻先辺りで届かずに悶えている触手の一本を30センチ程切り落とす。むず、と右手で蠢くそれを掴むと、鼻先に寄せて匂いを確認したり、毒の有無を探り。
■エルファラ > 「炙ってみるか。」
毒素は無さそうに思える。問題は味か。吸盤のない蛸の足…と形容出来る触手を一つ切り落として、傍でその仲間が蠢いている通路の隅にて燃料を取り出して火を熾し、鉄串に刺し塩を振って炙り焼きにして試食タイム。焼いている間もしばらくはうごうごと蠢いていて、生命力の強さを物語った。
「タウリンたっぷり含まれてそうね……。問題は味だけど。」
こんがり焼けた所を何の躊躇もなく噛みついて。口内で咀嚼して味わい。
「うーん……。」
さて、味の評価は――。
ご案内:「無名遺跡」からエルファラさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にレフェーリアさんが現れました。
■レフェーリア > 時折、思い付いた様に愚かな事をしてみたくなる時があった。
自分がそれだけ飢えているのか、それとも既に手遅れであるのか。
「……あ、ああ……また、私……」
残り香の如く後悔の念が湧き上がっても、そこは既にダンジョンの中。何が来るのかも分からないまま無軌道に扉を開き、階段を降り、暗がりへと進む。
気が付けば異質な雰囲気と共に今現在の自分の居場所さえも無くしてしまった体たらくで、そんな状態に背徳を味わえる程にどうしようもなく狂おしい気分すら湧き上がっていた。
「っ……あぁ……」
手ぶらに薬草とも言うべき道具の類さえも無いローブ一枚という身軽にも程がある姿。
熟れた身体は妖しく震えて、見えない先を浮かれた視線で見通して、尚も扉へと掛けられる手も足も止まらず。
深淵へと踏み込んでいく。
ご案内:「無名遺跡」からレフェーリアさんが去りました。