2021/03/25 のログ
ご案内:「無名遺跡」にテルミットさんが現れました。
テルミット > 無名遺跡の中を、我が物顔で進むのは一人の女
マッピングの完了している以前の地図は、冒険者ギルドやそこらの地区で高値安値で売ろうとしている奴はごまんといるだろう
最も、それをほいほいと買い上げる馬鹿はそれほどいない

確かな信頼と安全を築いている地図狂いですら、もう作り替わっているかもしれない
そう言って地図を売ることを拒否したり、金が半分以下になっていたりとする
それが無名遺跡だ

「アァッ?ここも塞がってんのか。
 勘弁してくれよ。」

以前に訪れたのは二月も前だったか
構造が一階の時点で変わっており、新しく魔導機械の部品を漁りたくて来たというのに成果は芳しくない
手製のマッピング地図はもはや諦めており、新たに削り整えた木棒に、削った木炭を差し込んだそれ
図面を描くのと変わりない カツカツカツンとフリーハンドでも引かれる線に迷いはない。
しかしそれは帰り道で使える程度がギリギリの代物だろう。

背中に取り付けた愛用の戦槌と、腰に下げる太枠の単発銃がガチャガチャと鳴らされながらも歩いていく。
第一層 第二層で済ませようというのに、ところどころには斜面上になった渡り廊下のような長さの道が見えた
階層を下へと誘うための明らかな罠と見える。

周囲には遺跡の探索用に誰かが仕込んでいたのか、光苔が群生しており明かりには困らない
また、その切れ目がある場所は変形があった印となり大変重宝していた。

テルミット > 速度を生かした制覇を目指す冒険者は、行きつく先を目指す
しかし完全制覇 隅から隅まで調べないと気が済まない者は、階段や斜面道を見つけようとも
その道を記せば別の場所へと赴いていく。

テルミットは後者のタイプであり、遺跡に来たからには機械 部品 なにか特別な金属
それらが頭の中を支配する 新しい動力なども魅力的に見える中で、第一層は無価値な脚の部品や頭部
錆びた螺子などがところどころに落ちている。
時折そんな錆びた部位を齧り、摂取するダンジョンモンスターもいるものの、脚で追い払える程度でしかない
精々が猫を被った女が悲鳴を上げる、メタルチャバネ程度が関の山。

種付け蟲や共存する触手等もいるものの、テルミットからすれば怒りマークを頭部に張り付け、追い払う
ドワーフ斧も顔負けな、ウォー・ハンマーの一撃が蟲を壁へ叩き放ち、触手が押しつぶれるほどの圧
潰れた蛞蝓程度の代物へと成るそれらに、歯をむき出しにして怒る怒る。
未だ反射のようにウネる触手らのモゾモゾウネウネと、それでは遺跡に潜った需要がない!と聞こえてきそうだ。

「うっせぇぇっ! 触手はどうでもいいんだよぉっ!」

まるで聞こえているかのように、抗議触手へと言い放つ。
機械マニアに人型以外の、生態系有機物プレイは不要と言いたげだ

ご案内:「無名遺跡」にミシェルさんが現れました。
ミシェル > 「う~ん、出遅れたなぁこれは」

テルミットのかつて通った道を、また一人の女が通っていく。
壁に描かれた目印を見ながら、速い歩みで進んでいく。
研究者にして探検家、宮廷魔術師を務めるミシェル・エタンダルはため息をついた。

「もっと早く出るんだったなぁ」

この区画の調査を彼女も計画していたのだが、誰かさんに先を越されたらしい。
別にこの遺跡の探索にはルールとかも無いのでままあることなのだが。
とはいえ、本来なら労力だけで見つけられたはずのものを金を出してその冒険者から買わなければならなくなるのはもったいない。
別にケチなわけではないが、使える金は有限だ。なるべく節約したい。
それに、先行する冒険者が希少な魔導機械をそれと知らずに破壊してしまうおそれもある。
なので、せめて追いついて同行したいところだ。

「しかし寄り道が多いみたいだ。徹底的に探索するのが目的と見た」

それならば、追いつくのはたやすい。ミシェルはハイペースで前へ進む。
所々にある魔物の死骸や戦闘の痕跡を見るに、前を行く冒険者は魔法を使うタイプではないらしい。
万が一攻撃されても大丈夫だろう。冒険者には気が短いのもいるから用心するに越したことはない。

「おっと、あれか?」

前方に人影。思ったより見つけるのが早かった。
ミシェルは声をかけながら、そこに駆け寄った。

テルミット > 「一階層程度じゃあめぼしいものは無しか。
 こりゃあとっとと二階層に赴くほうが……。」

マッピングはほぼほぼ埋まりつつある。
おまけに機械や部品に目を見張る審美眼があるせいか、機械系のトラップ
仕掛けには目ざとく見つけることができる。

宝箱に仕掛けられた繊細な仕掛け 袋小路で閉じようとする牢獄壁
トラップにもまた、機械技師は活路を見いだせる。
誰が閉じ込めようとする鉄柵に喜ぶと思っただろうか
しかも壊れないようにと造れば造るほどそれに喜ぶのだ。
おまけに本人に至っては、そこらで引きずってきた “錆びた機械兵A” をわざわざ小焚火で熱し
それを放り投げてまで作動させるメタプレイ

ガッコンッと下げられた鉄柵 機械兵に群がる触手と麻酔針
おーおーと眺めながらも、後ろから小走りに近づいてくる物体A
足音隠さず声をかけるのであれば、後ろに下げていた火薬と反応の暴力に手をかけることもない。

三つ編みを垂らす首がそちらを向き、ヨッと手を上げる気軽な挨拶。

「なんだ女好き
 あんたも来てたのか。」

急ぎ足で訪れていた知己が目の前に。
互いに機械と女好き 共通点も多く、話はいろいろと弾む相手だ
貴族ながらに質の良い冒険装備と、金属の塊と革ツナギの装備
研究者と職人という二人がそろえば、この遺跡 怖さは半減もいいところだ

機械は暴かれ、見てはいけないところを見られ、汚される運命にある。

「見ろよこの鉄柵 アダマイル製だぞ。
 一階層にしちゃ破格だ。」

深く愛された鉄という意味を持つ、下層域の産物
そして上級硬度の鉄の出現 それは簡単に左右されない自信の表れだろうか。

ミシェル > 「おや君か、知ってる相手で良かったよ」

駆け寄ってきたのにも関わらず息も切らさずに、テルミットににこりと微笑む。
相手は機械を愛する職人。その方面の知識においては自分よりも詳しい。
そんな彼女とは一緒に仕事をしたことが何度もある、割と親しい間柄だ。
同行を申し出れば余程の事情が無い限り許諾してくれるだろうか。

と、彼女が指で示した先をしげしげ眺める。
燃え盛る機械兵が触手責めを受けている前衛的な風景が鉄柵で仕切られている。

「確かにそうだね。こんなものに使うなんてなんとももったいない話だ…」

トラップの製作者はこの金属の価値を知らなかったのだろうか?
それとも古代文明ではありふれていた金属だったのだろうか?
後者のほうがロマンがある気がするが。

「一階層でこれとなると二階層でも結構なものが見つかりそうな気がするね。
まぁ、アダマイル製ゴーレムとかじゃなきゃいいけど」

この遺跡のようなダンジョンというものは、だいたい深層になるほど強大な罠や魔物が待ち構えている。
だが、その強さの上がり方はまちまちで、いきなり強くなることもあれば同じような強さの魔物が延々湧いていることもある。
そして、不思議なことに探索して見つかるものの価値も魔物の強さにだいたい比例しているのだ。
強力な魔道具や魔導機械から漏れ出る魔力に惹かれているという説もあるが定かではない。
そして、逆に言えば良い物が見つかる場合強大な魔物が潜んでいることも多いのだ。

「で、この階層の探索はどれほど済んだのかい?僕の予想だとほぼ済んでるんじゃないかと思うけど」

テルミット > 「おいおい何言ってんだ。」

隣り合わせになり、分析した結果が同一だと知れる者の、お気楽な台詞にその尻をパシンッと叩く
よく仲のいい者らでやるような触れ合いと同時に、顔付きは勿体ないという言葉を否定する。

「空気を読まずに最初から下級も上級も閉じ込める柵なんぞ、よほど意地の悪い奴がやったって話だ。」

トラップはおなじみ 閉じ込める檻は上級
クリア以外は認めないという力業を否定してくる造りを、職人はその意地の悪さを感じ取った。
穴の底まで誘う前に、一層で下手を踏めば仕留めようとする気持ちが込められている。

「もったいないじゃない ヤバいってことだよ。」

後に続く道で宝を望む気持ちは強まる
しかし製作者の意図が加減無しと知れている。
下層へ行くほど危険は高まるのはわかる、意地の悪さまでは読み取れない。
一階層探索の調子を聞かれれば、手巻きの紙巻を咥え、マッチが火を灯す。
しわくちゃの紙巻がじりじりと燃えながら煙を吐き捨て。

「嗚呼、これで済んだよ。
 しかし回収もできない素材を魅せられるなんざ生殺しもいいところだ。」

鉄柵は、回収 固定を許さない
上級金属を断つには上級金属か、もしくは熱し、加減を見てやる手間暇がある。
ここでそれができるはずもない。

「で、ミっちゃんは着いてくる気満々と。」

同意な相手に、ウォー・ハンマーを肩に担げば、歓迎の印にハグを求めるように手を広げてみようか。

ミシェル > 「……ま、悪意は感じないでもないね」

尻をさすりながら、ミシェルは苦笑いする。

「でも意地悪にこんな凝った檻用意するなんて、やっぱりもったいないだろう?」

そもそも、この手の遺跡にあるものなんて悪意を感じないもののほうが少ないのだ。
別にミシェルも油断はしていない。
ただまぁ、彼女の言う通り第一層のトラップにしては加減が無い。
これは慎重に行かないと下層は危険だろう。

「そりゃいいや。君の審美眼に適うモノもあまり見つからなかったんだろう?
なら遠慮なく下に行けるね、これで。勿論付いてくるよ?」

ハグを求められれば、応じないわけにはいかない。
ミシェルはこちらも手を広げ、遠慮なく抱きしめる。

「まぁでも、一旦休養でも取るかい?
二階層目から厳しそうだからね…ここは」

顔を上げて、そんな提案を。
危険な場所は無理せず余裕を持って探索するのが常道。
ミシェルもきっちり探索するときは、一階層ごとに休養を取っているのだ。

テルミット > ミシェルの言い草に、技師としては目を細めて恐れ顔

「ここまでしなくてもできるだろう、てか?
 こえーこと言うなぁミッちゃん。」

素材をもったいないといまだ言う辺り、安い素材で同じ効果は見込めるはずだという節約志向の台詞
確かに鋼の塊でもできるだろう 大多数はそれで賄えるのだから。
そんなやりとりをしながらも、既に記していた階層へ冒険を続ける。

途中で印をつけるのも忘れないものの、この変化するダンジョンではどこまで保てるのやらだ。
やがて、海藻近くの一室 休憩できそうな遺跡内の空間
罠もなく、個室空間の場所 ミシェルという魔術師が魔除けを施し、テルミットが槌で敵を屠れば事は済めそうだ

身体を休ませ、下層へ赴かせる、計画性を根付かせるためでもあるのだろうなと
こういった部屋をダンジョンの意思のように感じるテルミットは、気楽にはできないものの「
休息用の天幕 ではなく広げた寝袋の中で寝そべり、ツナギを緩め、体をほぐす。
ブーツすら脱いで槌を傍に於いては、主に重労働をしていた身
干し肉や酒精を少し口にしただけでいいとし、機械油をたっぷり染み込ませたウール系素材
機械のための防腐布だろうそれは、探索中に見つけた襤褸布

パチリと燃えるのを眺め、遺跡の土で体が冷えないようにと焚火傍のダンジョン休息が始まった。

ミシェル > 「君は相変わらず、最低限の寝床なんだねぇ」

ミシェルも個室に入り、まずは入り口に魔法で結界とトラップを念入りに仕掛ける。
まず見つからないよう認識阻害を念入りに、扉が開かないよう結界、
そして入り込まれた時のトラップ魔法をたんまり。
一流の魔術師らしく念入りな、悪意たっぷりの罠だ。
魔術のトラップに、凝った素材などいらない。

次にミシェルも寝床を用意する。地面に魔法陣を書いていくと、自分のリュックをまさぐる。
取り出したのは、ままごとの人形が使うような、手のひらサイズのミニチュアのベッド。
当然おもちゃであるそれを魔法陣の中心に置き、呪文を唱えると、
次の瞬間にはそれがぐん、と大きくなっていた。人が寝られるほどに。

「まぁこんなものかな…」

ベッドに腰掛け、自分のリュックからサンドイッチを取り出す。
家具ぐらいならひな形とこのダンジョンの構成物質で作れるが、
流石に食べ物は魔法で作れない。水ぐらいなら作れるかもしれないが…。

そしてミシェルは伸びをすると、魔法のベッドに飛び込む。
柔らかな枕と清潔そうなシーツ付きだ。

「……君もこっちに来るかい?」

ミシェルは寝転びながら、いたずら気な視線をテルミットに向けた。

テルミット > 【継続】
ご案内:「無名遺跡」からテルミットさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」からミシェルさんが去りました。