2020/12/19 のログ
クレス・ローベルク > 「……あの、ティアさん?気持ちはわかるけど、せめてもう少し足掻いてから考えよう?ね?」

ぶんぶんと首を振った所を見るに、流石に思い直した様だが、この状況で生贄にされるとメンタル的にちょっときつい。
勿論、いよいよとなったら、どちらかが食べられる様な事になるかもしれないが。

「まあ、確かに横よりかは可能性はあるね。何とか、登れるような道があれば……」

と、呟いて。
「まあ、此処でこうしていてもしょうがない」と言って。
何時もより気持ち歩幅を縮め、周囲に視線を配りながら。

「とりあえず、先に進もう。
このまま立ち往生していても、良いことはなさそうだ」

見れば、遠い所の通路が崩れ、どろどろとした液体が流れ出している。
まだ全然遠い所だから害はないが、あれに触れればどうなるか、考えたくはない。

「ちょっと危険だけど、見かけた部屋とかは片っ端から調べよう。
どこに出入り口があるか、解らないから」

そう言って、歩いていくと、早速突き当りに扉が一つ。
何か都合がいい気もするが、しかし入らない訳にもいかない。
一応、扉に触れない程度に耳をそばだてたりしてみるが、中から音は聞こえない。

「……とりあえず、俺の後ろからついてきて。中に入ろう」

中は、大きな天蓋付きのダブルベッドと、その近くの壁に貼られている張り紙が一つ。
他は、特に何もない。
そして、その壁にはこう書いてある。『いやらしいことをしなければ出られない部屋』、と――

ティアフェル > 「は? はー?! なに? なんのことよッ。変な云いがかりつけないでよねっ!」

 ちょっと頭を過ったから完全に云いがかりとも云えないが内なる戦いに突っ込まれると、食って掛かった。
 口に出してないのでセーフ扱いしてくれないとは。被害妄想め。

「石造りを崩すのは大変だからねえ、こんなことならさっきの穴から登ってけばよかったねー……」

 こんなことになるとは思ってなかったから仕方ないが……なんともダンジョン踏破はままならない。
 進行を促されて若干肩を竦めつつも肯いて歩き出し。

「そーね、さっきの天井抜けたところに辿り着くといいけど……。
 うん、判った……罠とか大丈夫かな……」

 少々警戒気味に、見つけたいかにもといった感じの突き当りの扉に行きあたっては先に入るとの声に肯いて後ろに付き従い。そして、ご休憩所といった室内に、張り紙……。

「…………。」

 張り紙と彼の顔を交互に見。少々熟考気味に黙りこくって。そして何かに思い至ると静かに口を開いた。

「はい、じゃ、よろしくねー?」

 どん、と徐に彼の背中を押し、ベッドに突き倒そうとしつつ何気ない調子の声で発した。

クレス・ローベルク > 「いや、だってこの状況でじっとこっち見られたらさあ……!」

なんていうか、眼が違った。
ヒーラーというより、サバイバーの眼だったと後に彼は語る。
最も、男の方も少しはそう考えていたからこそ、そう思ったわけで、本当にただの被害妄想であった可能性もあるが。

ともあれ、部屋の中に入り、突如ベッドに突き倒された男。

「うわあっ!?」

と、ベッドにダイブする男。
え、何?何?と混乱しながら、え?何?とおろおろと周囲を見渡して。

「え、まさかティアちゃんから押し倒してくれるなんて……っ、いや、うん冗談だから引かないでね。ちょっと都合よく現実を解釈してみたくなっただけだからつまり何を言いたいかというとごめんね!」

力関係的には此処まで謝る必要はないのだが、二人はこのダンジョンを攻略するパートナーであり、そこで引かれるとちょっと悲しい。
まあ、彼女の去勢術とか腕力とかが怖いというのもあるが。

「……で、なんかアイディアとか、ある感じ?」

ティアフェル > 「み、見ちゃいけないっていうの?! あなた見られるのが仕事みたいなもんでしょ…?!」

 強引な論法で色々誤魔化しにかかる。ちい、と舌打ちカマして腕組みしそっぽを向いてなるべく切れることで流そうと試みた。

 そして徐にダブルベッドに突き倒すと、ぼふっと柔らかなそれはノーダメージで彼の身体を包むはずで。
 怪我をさせる気なんかなかったからそれを見やりながら、何か云い訳がましいようなことを云い出す様子に、腕組みポーズで小首を捻り。
 押し倒したのはまあ、事実っちゃ事実だ。故にしれっとした顔で質問に対して述べた。

「――この紙には、」

 と妙な内容の張り紙を指差して。

「別にいやらしいことを二人でしろとは書いてないわ。
 つまり。ひとりでも3人でも構わないってことでしょ?
 ――だから、クレスさんが一人でやらしいことすれば出られるでしょ。はい、よーい。アクションっ」

 もちろん、わたしはやらない。やる訳ない。だからって人にやらそうとするかという。
 当然のことのように述べては、アレならちゃんと目と耳は塞いでおきましょう。と、人道的配慮は忘れません。

クレス・ローベルク > 結局、生贄候補にされかけた点については押し切られた男。
虚実入り混じる様な駆け引きならともかく、押し問答では流石に分が悪かった

そして、いろいろと言い訳をまくし立ててみたが、意外と彼女は冷静である。
それは良いのだが、その内容は何というか、理としては当然であるが、あまりにも横暴なもの。

「ほほーう……」

目と耳をふさぐ彼女に聞こえない程度に呟き半目になる男。
宜しい、そっちがその気なら、こちらも大人の大人げなさというものを見せてくれようと。
幸い、男の職業は剣闘士――舞台に上がる都合上、多少の演技の心得もある。

「ああっ♡ティアフェルちゃん、こんな所でっ♡
駄目だよ、幾ら部屋から出るためだからって♡」

男は、まるで自慰の最中うわごとを言っているような……犯されている時の様な、甘くて切羽詰まった、大声を――具体的には耳を塞いでも聞こえるぐらいの大声を。
尚、実際には肉棒は取り出してもいないどころか勃ってさえいない。
ただ、エロい声を大声で出しているだけである。

「そこぉ……♡ティアちゃん、そんな所に指を入れたら汚いよぉ……♡」

何がとは言わないがどんどんとエスカレートしていく内容。
最も、此処までしてティアが性的な事に耐性が強かったら、かえって恥ずかしいのは男の方なのだが。

ティアフェル > 「クレスさんだって一生こんなとこにいたくないでしょ。がんばるのよ」

 まさかこっちにさせる訳ないよね、と貼り紙の指示などクリアしてやる気はさらさらない。
 びっくりするほどフェミニストなこの人ならばきっと立派にやってくれる筈だ――問題は、この状況では立つものも萎えるだろーな…という生々しい懸念のみ。

 一番年の近い弟は17歳である――つまり、図らずもそういう現場には出くわす事故もあったが、敢えて見たいとも聞きたいとも思わないし、さすがに気まずい。

 生贄として立派にファイト、と心で身も蓋もない声援を送って、後ろを向いて目を閉じて耳を塞いでいたが――その、無駄にリアルな彼の科白が結構でかい声だったもんで……少しばかり内容が耳に入り。

「…………オボエテロヨ………」

 低い声で苦々しく唸っていたが……

 ゴゴゴゴゴゴ……――

 重たげな引きずるような擦れるような音が不意に響いて、貼り紙のある壁が動いた。

 彼がベッドの上でしたことは――違う意味でいやらしかったので、反応されたらしい。

クレス・ローベルク > 「駄目だよぉ、そんな所でイケないよぉ♡アッ、アッ、あ……あ、開いた」

演技の中では、前立腺をしつこく刺激されて今まさに絶頂を迎える寸前であったが、どうやらその辺で"いやらしさ"としては十分だったらしい。
当然、演技であるため体液だのの処置をする必要もなく――まあつまり効率としては最大限であったと言っていいだろう。
男は、ぽん、とティアフェルの肩に手を置くと、

「ごめんね、遅くなって。でも、ティアったらダメって言ったのにあんなに強引にするんだもん……」

無駄にしおらしい声で拗ねた様にいうが、勿論本気ではなくただ何となくティアとヤった風な雰囲気を出してからかっているだけである。
珍しくティアフェルをからかえるのが楽しいのか、その笑みは満面のもの。
さて、と男は笑って、

「まだ、脱出はできてないし、どんどん先に進もうじゃあないか」

という男。
その後、暫くして脱出路を見つけたが、その間にまたどの様な試練があったのか。
それは、別の話である――

ティアフェル > 「…………もうちょっとで蹴り入れちゃうところだったわ……」

 設定を作るな設定を、とツッコミたい気分満載で、開くのを待って耐えていたが。
 限界を迎える前に入って来た扉ではなく貼り紙の壁が動いてまた違う通路への道が開いた――。

 いらいらと震わせていた肩を叩かれて、キッ、と睨みつけると。

「やかましい! 何よ、鼻の穴から指入れて奥歯ガタガタ云わせて欲しかったの?! えぇー? やってあげようか? 穴に入れてあげよーか?! 逝きたいんでしょ?!」

 逝くお手伝いをするベクトルに傾き始めた。楽し気に喜色を前面に浮かべる顔を見て、キーッと頭を沸騰させ。
 それからマイペースに進んで行こうとする背を追いかけて。

「待ちなさいよ! こーなったらクレスさんを触手部屋に投げ込んでやるー!」

 そしてわたしは憂さ晴らしをして気持ちよく帰る。とそんな風に情熱を燃やし始め。ガンガンダンジョンを進んでいくのであった――。

ご案内:「無名遺跡」からティアフェルさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」からクレス・ローベルクさんが去りました。