2020/11/01 のログ
チューベローズ > 「ふふふ。 そうね、たしかに会話をしようとする意思も大事ですわね。」

カンテラの光の中に足をh魅入れた少女。
本当はもっと近づいても良いがまっとうな冒険者であれば不用意に近づけば、今以上に警戒をさせる。それぐらいの事は頭の片隅にあって足を止め、相手の言葉に少女はくすくすと楽しそうに形のいいぷっくりとした唇で弧を作り笑みを浮かべる。
「折角おしゃべりしていても、一方通行だったり同じ事しか言わない。 なんていうのは玩具でもできる事だわ」

だというのに、数多の冒険者は同じことしか言わなかったり、壊れたおもちゃのように助けてとしか言わなかったり、会話を楽しめた記憶はさほどない。
相手と穏やかに言葉を重ね、名乗られ、目的を告げられればふむふむと頷いて。

「私はチューベローズと申します。 以後お見知りおきを焔様。」

と、相手の名前を受け取れば膝を軽く曲げ、ふわりと広がったスカートを指で摘み軽く持ち上げカーテンシーを一度。
「まぁ、冒険者というのもやはり大変ですわね…。」

こんな場所まで見に来たという相手を少女は労うように見つめ、小さな手を自身の頬に添え、大変そうとため息一つ。
間延びした声で告げられる相手の出自。
少女派穏やかな笑みを浮かべたまま小さな頭をフルっと横に振り。
まぁ、気になさらないで? 焔様の声も言葉も私は好きだわ。等と言葉を返してから、話題を一つ戻す。

「どのような方かしら…。 未だ帰れない冒険者の方って…絵などあるのかしら…?」

そして継いだ言葉に少女は一瞬きょとんとした表情を浮かべ。
クスクスクスクスと愉しそうに笑う。

「嫌だわ? こんな埃っぽいところ。私の物だったらお掃除して、もっと可愛くしていますわ。
まぁ、こうしてたまにきて遊ぶ分には趣もありますけどね…。」

等と埃塗れの床をこんっと足でノックしてみせ、
相手にとってはさらに悪い事だろうか、同じ冒険者でもなく、遺跡の護りてでもない純粋なる異物。
人の側にも遺跡の側にも立たぬ少女の立ち位置。

そして相手の問いに関しては守りてではないというただ一つの情報を与え、それと思うが儘に会話を重ねさらに情報を与える。
少女は少女でまるでお茶会のお喋りのようにゆるゆると会話を楽しんでいるつもりではあるが…、空気の壁のせいで相手の汗の匂いは感じないが、少女の瞳はじっと相手を映している。

> 「わぁ……こわぁいわぁ。」

カンテラの明かりの周囲、其処迄狭くはないが、広くもない、彼女の姿をはっきり見れる場所となるともう、いっぱしの戦士であれば間合いの中。
不用意と言えるほどに踏み込んでくる彼女は其処で動きを止める、それ以上踏み込むのであれば、女もナイフを投げる必要を感じていた。
実際の話、今、女は―――冒険者の方は窮地に立たされているといって良い、背中には壁があり、それ以上下がることの出来ない場所だから。
紅く潤おう唇が、艶めかしく、恐ろしいといって良いだろう。

「お喋りする玩具、とはぁ……凄い物をもってぇ、居るんですねぇ?」

玩具という物の意味が違うのだろう、一般的には木彫りの人形とか、ぬいぐるみ、とかだ。
彼女は―――少女は、人間の事を、そう言っているのだろう、そう思えてならない。

「ぁは……お見知りおきぃ……して貰うのはぁ、こっちの、方なのかもねぇ?」

チューベローズ、名前は覚えは――。有った。

「ペーネミュンデ伯のお孫様のお名前ぇ……だったかしらか。お城の拷問官のぉ」

だとしても。
此処にいる少女ではなかったような、聞いているのは、もう少し年が上だったような。
見たことはないが、盗賊ギルドなどで、あまり関わり合いのならない方が良い貴族として、名前があった気がする。
書面上の情報ゆえにそれがすべてだとは思わないが、その食い違いを思い出しつつ。
拷問官がこんな所にと言う思考もある、もしかしたら、別の存在だという可能性も又。
答えが出ないままに、彼女の言葉にありがとぅ、とお返事を。声が好きだと言われて、悪い気自体はしないから。

「―――それは、これよぉ?」

探し物を手伝ってくれるならば、警戒は兎も角、見せることは見せる。胸元に手を突っ込み、一枚の羊皮紙を取り出した。
数人の冒険者の似顔絵が書かれている
他にも、この周囲で居なくなったと言われる一般人もだ。
どれでもいいから見つかれば御の字、程度の認識なのだろう、女は彼女に放り投げる。
羊皮紙は意志を持っているかのように、彼女の手元へ。


「あらぁ、それは、失礼しましたぁ。」

女は、きょとんとした様子で一つ返事を。とは言え、それは、危険だという認識を、さらに強くするのみだ。
此処に『遊び』に来ているという時点で、此処を彼女が『遊び場』程度の認識をしかしていない、実力的には、もっと上だと言っているのだ。
今すぐ回れ右をして、逃げたい、後ろが壁でなければ。
そして、自分を見るその目、何かを―――。

「!?」

気が付いた。忍びの技に瞳術という、目を使って掛ける催眠などの術がある事を。
慌てて、意識を強く、心に鍵を。

チューベローズ > 怖いという言葉。少女はこてんと小首を傾げ不思議そうな顔をする。まさか相手の警戒心が振り切れる前で足を止めたことを言われたなどとは考えていない様で。
「なんだか失礼な想像をされている気がするわ? 魔法で作ったぬいぐるみさんの事ですのに。」
まぁ この状況であれば仕方のない事なのだろうが、少女は少し頬を膨らませて見せる。

少女にとって相手が想像するモノは可愛さがない分どちらかというとごみに近い。等と頭の中でちらりと考えてしまう。
その頬のふくらみも一瞬。自分の名前を祖父の職業を知っていれば、尚少女の興味をそそる相手。
其れは少女の顔により深い笑みを形作る。

「まぁまぁ、焔様はお爺様のお仕事も、家名も知っているなんて博識ですわね。」

凄い凄いとパチパチと小さな手を胸の前で叩き控えめな拍手を向けて満面の笑みである。
表では少女は深窓の令嬢であり、屋敷や庭園でお茶をして、笑みを振りまく程度の話しか流れていないだろう。
相手の声や話し方が好きと言えばお礼の言葉に少女は穏やかな笑みを浮かべる。
そして、取り出された羊皮紙。
其れがふわりと待ってくればあ少女は手をつと伸ばし優雅な動作でそれを受け取りながらも、相手の瞳を見詰めていた少女。心に鍵を掛けた瞬間に、くすりと悪戯っぽい笑みを向けてからその中身をのぞき込む。
「ふふ。できる冒険者の方ってやっぱり素敵ですわね…。 焔様の様な冒険者がもっと増えてくださればいいのに…。」
等と相手からしたら恐怖に感じるかもしれないようなことをちらりと言って。
そして少女は何処からともなく、純白の羽ペンを取り出すと、さらさらと羊皮紙に何かを書き加え相手に向けふわりと戻す様に魔術を編めば羊皮紙は風に揺れるカーテンのようにふわふわと相手の胸元へと戻っていく。
それは濃い少女の甘い香りに晒されたが警戒する相手の為に、催淫の香りを消したただの匂いを届け。

「ねぇ焔様、そんなに警戒をしないでも大丈夫ですわ? 焔様は好みの方ですから、危害を加える気もありませんし…ずっとそんな目で見られていたら…哀しいですわ?」
等と言葉を重ね、寂しそうに憂鬱そうにはふと、小さくため息をついて、
その中身は何名かの冒険者と一般人に〇が、その他の冒険者に×がつけられている。
そして少女は相手がそれを見てから悪戯っぽい笑みを浮かべ、説明が必要かしら?等と悪戯っぽく甘く囁きかけた。
相手がもし肯定すれば、キスでも強請ってみようか…

> 「あらあらぁ。失礼しましたわぁ?でもぉ……冒険者にとって、一番怖い物はぁ、未知の、相手ですものぉ。
知らないからぁ、いっぱい考えて、いっぱい、怖く思うのですよぉ?
このような危険な場所を、遊び場なんて、言ってくださる女の子は、怖い物ですよぉ?」

怖いもの知らずと言うのは、死にたがりと、女は笑って見せる。
相手の実力が判らぬままに、襲い掛かって返り討ちなんて、笑い話にもなりはしない。【相手が本当に魔族】ならば、外見なんてそれこそ飾りでしかないのだし。
見た目で侮るなどと、出来る筈もない、頬を膨らませる少女に、女はにこやかに言って見せるのだ。

「ふふ、冒険者職業は、シーフ、ですからぁ。捕まったら、いっぱいお仕置きされてしまいますものぉ?」

拷問官、シーフ、関係性でいえば、警邏に囚われ、罪状を吐き出すために拷問をされると言うのはざらにある、つまりそういう事なのだ。
シーフギルドからすれば、関わり合いになりたくない、相手に拷問官もしっかり入る、だからこその、彼女への理解。それがすべてだとは、言わないし。知っているのは、家名と、彼女とその祖父ぐらいだと。
彼女がどのような存在か、等とは、今初めて知りつつあると言うのが正解だ。
深層の令嬢が此処にいる、それ自体が、そもそも理解の範疇の外でしかないのだ、と。

「たまたま、そういう物を、知っていたぁ、だけですわぁ?
 知らなければ……どうされていたのかぁ興味は、在りますが、聞きたくなくも、在りますしぃ。」

満面の笑みと称賛に、目ではなく、彼女の足元を見るようにして返答を返す。本当に、父親に忍びの技を東方の忍者の技を学んでいたから気が付けただけだ。
しれっとそんなことをする深層の令嬢、其れに囚われたら、どうなるのか、怖くもあり、興味もある。
訊くのが怖いが、勝るが。
渡した羊皮紙に、戻ってくると、〇と×。それの意味は直ぐに分かる。

「案内していただけるのであればぁ、私に、出来る範囲で、お礼は、しましょう。」

敵意が無いと言うのは、何となくわかる―――しかし、敵意と言うのは基本的に敵になる以上のレベルの相手に向ける物だ。
つまり、人がありに敵意を向けるか、と言えば、否である。彼女の存在が、そうであるのだろうことは、今のやり取りで把握した。
なれば、警戒をし続けるだけ、彼女の機嫌を損ねると考えて、最低限身を守るための警戒にとどめることにする。

説明は必要はない。
〇と×で、生死の確認はできたから、後は、連れて帰れるかどうか、だ。
連れて帰る方法はあるから、彼女の気まぐれにかけて、願い出る。

チューベローズ > 「ふふふ。 確かにそれはありますね…。」
相手から伝わる恐怖や好奇、様々に揺らめく感情は少女の心を愛撫する様に撫でる
それをおくびにも出さずに、楽しそうに会話を交わし…。
続く言葉にコロコロと笑う。

「まぁまぁ、確かにそうですわね。 でも正直に最初から言っていただければわざわざ私達に合わないですみますわ…焔様へのお仕置き…なんだかいけない想像をしてしまいそう」

ころころと笑いながら少女は愉しそうに赤い唇が笑みを浮かべる。
知らなければどうなっていたかという言葉ににんまりと、悪戯な笑みを浮かべる。
少女が愉しく違う遊び方にしたか、はたまたその前に少女と会う事は無かっただろう─。

「ふふ。 そうなったら、こうしてお喋りできなかったことは確かですわね…」

自身の足元しか見ない相手をみつめる少女の笑みは叱られた子供が目を逸らす様を思い浮かべてしまい、楽しそうな笑みがこぼれる。

「まぁ、それでは、その方々が焔様を悩ませるのも勿体ないですからね、キスをお願いしようかしら…」

等と囁きながら少女は自身の唇に、少女の細い指人差し指を軽くつけチュッとリップノイズを立ててから、その指先を甘い吐息でふっと飛ばして投げキッスをしてみるが、それは本当にただの投げキッス。
なんら誘惑の魔術や魔力はこめていないが…相手がどう受け取るか…。
そして相手から感じる安堵感。
少女はくすくすと悪戯な笑みを浮かべる。
相手はどうやら希望的な方で〇と×を認識した様で。

〇は少女が関与していない為遺品や死体が残っている。
×は少女が手を下したので血の跡しか残っておらず、生存も死亡の証明もできない物であったが、あえての悪戯心。
実際には〇を付けた一般人を含めた冒険者達は、ならず者の冒険者に襲われ戦利品を漁っていたところで少女が目を止め、おもちゃにして壊したので捨てた事で何も残っていないので×を付けたが真相であるが、その過程は相手にとって関係のない事であろうとの判断もしてさらりと思考を流しながらゆっくりと足を踏み出し相手との距離をゆっくりと詰めていく。

> 「シーフと言うのは、とても面倒なものですわぁ?だって、盗賊、盗む人ですものぉ……、何をしていなくても猜疑の眼で見られてぇ、謂われなくてもぉ疑われてぇ。
何かあったらぁ、真っ先に捕まえに来るようなぁ、人達ばかりですものぉ。
シーフが身を隠すのはぁ、其れこそ、正しい人でもぉ、身を守るための術なのですよぉ。」

冒険者として登録し、一般的に盗みを働かないようにしていても、その技術は、物を盗むための物だから、何かあれば直ぐに此方に嫌疑の眼が来る。
其れゆえの、シーフギルドに、其れゆえの、諸世術だ。正直にいう事ばかりが正しいわけではない、とシーフだから、言える。
正しい事を言って、それを逆手にとって、捕まえて拷問するような、堕落した拷問官、多いしとも。
彼女の家が、そうだ、とは言ってはいないけれども、彼女ならば、理解はできるかもしれない。

「心を壊されていたかぁ……傀儡になっているかぁ……ですかねぇ。」

瞳術、瞳で掛ける術は、基本的に暗示―――催眠術などの術が多い。それを考えれば、彼女の言葉の意味が良く判る。
先に気が付けて、彼女が最初からその気でなくて、良かったと安堵仕切りである。

「はぁい。それで良ければぁ。」

キス。彼女の提示した報酬。
それで案内してくれると言うのであれば、女に否はない。元々、好色ではある。
キス位はあいさつ程度の物でしかない。好みの相手とかであれば、此方から言われずとも何度でもする程度に。
報酬でのそれと言うのは味気ない物もあるが、それは其れだと言い聞かせる。

「それでは、失礼しますよぉ?」

彼女に近づく恐怖は有るが、それを押さえつけて、小さな体に視線を合わせるように跪く。
まるで騎士が姫にするかのように膝を立てて座らないと、彼女と視線を合わせるのが難しいから。
そして、そっと手を伸ばし、彼女の柔らかく白い頬に手を這わせ、顔を寄せる。
紅い唇をそっと柔らかな唇に重ねて、ちゅぅ、と音を立てて吸い付く。
子供だましのキスは、望んでいないだろうから、しっとりと、深く、甘く、優しく。
唇を擦り合わせ、啄み、深く結ばれるような口づけを贈ろう。時間をかけて、とろとろと甘い時間を、恋人の様な触れ合いを。
たっぷり、5分程は唇を重ね、愛撫し、唇を離して。

「は、ぁ。」

甘く濃厚な、快楽の吐息を吐き出してから視線を向ける。
案内して、くださいましね、と。
人は、希望に縋る生き物で、焔も其れの例に違うことなかった。
だから、〇は生きていると思い込んでしまったのだ、実際に見てしまえば、諦めが付くし。
仕事なので、淡々と遺品を確保して、状況をメモに取り、冒険者ギルドに戻り報告をするのだが。
彼女は付いてくるのか来ないのかは、彼女次第。

チューベローズ > 「シーフの方もいろいろと大変なのですねぇ…
まぁ焔さんならばそんなへたを打つことも少ないでしょうが…」

相手の言葉にふむふむと頷き、小さくため息を零す。
まぁ拷問官も拷問官で、依頼主のニーズに合わせて仕事をすることもあるが…。

「ふふ。 どうですかね。」

上げたそれがどれも物騒で少女はコロコロと愉しそうに笑い、あっさりと乗って来れば、もう少し積んでも良かったかと考えながらもこの段で吊り上げるような不細工な事はしない。

「はい。」
騎士のように自身の前に膝付く相手、少女は嬉しそうに見つめ、触れた手にそっと甘える様に頬を寄せ、
そして重なる唇。
少女の小さな唇が受け入れる様にうっとりと薄く開き、小さな舌が擽るように舐り、甘く啄み、舌を絡ませ躍らせて。
少女の手や指先も相手の顔や後ろ頭を滑り。
5分も立てば上気した肌。
少女のシルクの様な艶やかな肌は相手の首筋に絡みつき、ふわりと甘い吐息を吹きかけるが、相手の為にも会えて今は魅了や催淫の効力を切っていて…。
そして長いキスが終われば離れる唇。
少女はうっとりとしながらもその唇を寂し気に見送り。

「とても素敵なキスでしたわ…」

唾液で濡れた唇、少女の紅い舌がちろりと出て唇を拭い、手を差し出す。
相手がその手を取れば現場まで相手を案内して、
彼女が問わなければ真相は語られることなく少女の霞んだ忘却の海へと消えていくだろう。

何はともあれ歩き始めた二人、少女は相手の横で悪戯な笑みを浮かべながら相手の腕を胸に抱いたり、じゃれ付く様に指先に唇を寄せながら

「ふふ。 ねぇ焔様… 報告が終わったらもっと、焔様と仲良くなりたいわ?」

等と絡みつくが相手がどう取るかはまた別の話。

> 「そうねぇ……シーフ……盗人、盗賊、基本はぁ、イメージの通りに悪い人なのでしょうからぁ。」

下手を打つという事に関しては、敢えて、返答をしなかった。無能なのか、有能なのか、それは、内緒だという事で。
彼女達拷問官と、下手に友好関係を結んでいい物かどうか、それは、もう少し見定めないといけない事だと思う故に。

「大事にしてくれるならぁ、良いと、思える人であればぁ、私は、良いと思うのですけどねぇ。」

今更のように、しれっと言い切る女は、本心か、またははぐらかしているのか。
恐怖は、忘れていない、警戒もまた、忘れていない。それでも、今は言葉で遊ぶ程度には、彼女への対応は、変えている。
先程の通りに、警戒し続けても、不快にさせるだけであり、得策ではないのなら、彼女を悦ばせる方が良いのだ、と。

此処は、無名遺跡のはずだ。しかし、其処で行われているのは、ある意味淫靡といって良い絡み合いである。
女と、少女が二人、抱きしめあって、唇を重ね合う、触れ合わせ、擦り付け、啄み、舌を絡ませる。
濃厚な、愛の交歓の様なそれは、まるで口づけと言う名の性行為を行っているかのようで、熱心に頬を赤く染めて、啄みあう唇。
柔らかな唇が少し開けば、深く重なり、お互いの唾液がとろりと、唇の端から零れて垂れる。
彼女も、応えてくれているから、深く、深く、甘く、甘く。それでいて。濃厚で、奈落に落ちてしまう様な、背徳の口付け。
女と女が、熱心に唇を貪りあう姿は、一種のエロティックだと言える。

「本気でぇ、キス、しましたからぁ。」

は、ぁ。と熱く濡れた吐息。唇が離れたときに、銀色の糸がつつ、と伸びてぷつり、と堕ちていく。
顔を上気させ、発情を隠さぬ女の顔は、ほんのり赤く、成っていて。
はぁ、は、ぁ。と呼吸を正していく。
二人で歩き、そして―――。

「私は、幻のようなものですからぁ。余り、仲良くしてはいけないと思うのですよぉ。
ですから、もし、幻を見つけ、捕まえられたときは。」

その時は、仲良くしましょう―――そう言って、二人は、闇の中へ。

チューベローズ > 「ふふ。良いも悪いもイメージに引っ張られて大変だわ…、大事なのはその人の人となりですのにね…。」
添う湯鬱そうにつぶやいて見せる少女。それは拷問官の家に要るということもあるが…

大事にしてくれるならという言葉にコロコロと笑いながら、そして始まる淫靡なひと時。
甘く深く濃厚なひと時。
甘く啄み応え、ねだる様に舌を絡ませ、ふわふわとしながらも、混ざり合うかのように絡みつく体と深い口づけ。

相手が熱く濡れた吐息を漏らせば少女は本当に嬉しそうに見つめ。
濡れた唇を自身の舌で拭ってから、本気のキスと聞いて

「ふふふ。本気のキス…とても美味しかったですわ…。もっと欲しくなりました。」

そして呼吸をただす相手を見詰めながら歩き始める二人。
返された言葉にくすりと笑い。

「ふふ。 人生夢幻ですからね… あらあら、では、しっかりと探してみますわね… 上手に逃げてくださいまし…? 捕まえたら、たっぷりとあの続きを…」

等と少女の狩猟本能を擽られれば濡れた瞳が妖しい光を帯び、上機嫌に寄り添いながら闇の中へと消えていった。

ご案内:「無名遺跡」からチューベローズさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」からさんが去りました。