2020/09/15 のログ
ご案内:「無名遺跡」に美鈴さんが現れました。
美鈴 > 誰が何を狙って動いた結果か、此れがどんな未来に結びつくのか。
何ひとつ知らされぬ儘、公主たる女は肌に纏いつく薄手のローブ一枚の姿で、
其の日、生温かく湿った空気の澱む部屋に居た。

遺跡の奥深く、何らかの儀式に使われていたらしき、天井の高い開けた場所。
中央に聳え立つ石柱に、後ろ手に枷を嵌められた身体を縛りつけられ、
白い布で目隠しをされて、周囲の様子を窺い知る術はごく限られている。
事実、此処が一体何処なのか、何の為にこうして居るのか、
公主たる女はまるで理解していなかった。

連れて来られる直前、強引に含まされた酒精の中に混ぜ物でもあったのか。
常に無く、いつも以上に、昂り始めている自覚はあった。

「嗚呼、……早く来て、どうか、どうか――――――」

吐息交じりの呟きが希うのは、勿論、救世主などではない。
寧ろ、其の真逆の存在を―――只管に渇望し、薄物の奥で秘すべき場所を濡らしていた。

美鈴 > 目隠しの下、うっとりと細めた眼差しに狂気が宿る。

――――――其の先のことは、未だ、闇の中。

ご案内:「無名遺跡」から美鈴さんが去りました。