2020/08/23 のログ
■アネラ > 「よかった……。
仕方ないことですけど、警戒されちゃうのって、ちょっとだけショックですからね」
きっと計画的な暴漢なら、いろんな便利な手段でもう襲っているのだろう。
笑顔に、申し訳ないという、情けない笑顔。
ぴょんとハネてくれる仕草に、安心の笑顔。快活なお姉さんで、一緒に居て楽しい。楽しいは旅の第一目標。とても嬉しい。
「ゴブリンですかー……群れだとちょっと面倒ですよねえ。罠がなさそうならちょっと安心です。
あれ。無理ですかね。うーん、もうちょっとなにか考えておこう……。
生傷が絶えない人は多いですし、すごく需要がありますよね。術士は多いわけではないですし」
隣あって一緒に採取。思えばこういう作業は小さな頃以来。
しかも1人でなく2人でやるのだから、二人分の成果が溜まっていくのがなかなかに嬉しい。
「はい。どういたしまして、ですよ。
……トリーシアさんは、これでお帰りですか?」
目的を達したのなら、ここに長居する理由はない。自分のように居ることが目的ではないのだから。
少しさみしいな。なんて顔。
■トリーシア > 「気を付けないと大変になっちゃうことが多いですから。
やっぱり最初は警戒しちゃいますから」
街中でちょっとした買い物の後の親切と思えばお持ち帰りが何度か。
そんな経験もあり、初見では多少は警戒をしてしまう。
そんな警戒もゆるく、申し訳なさそうに情けない笑みを見せる少年に大丈夫と笑い返し、自分は元気とみせて。
「僕もあれは3匹が限界だから逃げちゃうかな……。この辺りはもう探索された後なんですよ。
だって子供の遊び場には危険すぎますから。
そう言う人に良く売れるんですよ」
なので沢山あっても困らないですと手伝ってもらって楽し気に集め。
そして二人でやれば早く集まって本当に満足そうにして。
「本当に助かりました。
そうですね……良かったら一緒に街に戻りますか?」
少年の顔に寂しさのような物が見えると申し訳なさそうにして。
良かったら一緒にと誘いをかけて。
■アネラ > 「ええ。女性からしたらたまったものではないですからね。
潔白の証明、なんてそうそう自分だけじゃできたものじゃない」
それでも、自分はこうして信頼してもらえているのだから嬉しい。
笑顔を向けてくれるトリーシアさんに、自分の笑顔も元気に。
……こんなにいい人だと、トラブルに巻き込まれやしないかと、ちょっとだけ心配でもある。
「ちょっとした手傷でもおうなら、リスク有りと相手にしないのが一番ですよねー
あ、もうきっちり探索されてるんですねえ。じゃあまた散歩にでも来ようかな……。あ、勿論、ちゃんと用心してです。危ないことはしませんよー。
先程の説明からすると、自分で製薬できるのでしょうし……すごいなあ」
二人分の成果はちゃんとしたもの。満足そうな顔に、自分も笑顔。思えば、この時間は笑顔が多いなあ。
「いえいえ、遊びに来ただけの気まぐれですから。
……あ、その。はい。もしよければ、同道させてください」
トリーシアさんの表情をみて気づく、自分が子供っぽく物欲しそうな顔でもしていたのかということ。
ちょっと頬を朱に染めながら、しかし笑顔で返す。
思わぬ場所での思わぬ出会い。こういうものをこそ、大事にしたい。
■トリーシア > 「本当に大変ですよ……こりごりです。
でもアネラ君みたいに必死にされたら信じちゃいますね」
あそこまで必死なのに疑いませんと頷き。
こんな場所で笑い合えるのだから悪い人ではないと見ていて。
「僕は戦うのがそんなに得意じゃないですから逃げれるなら逃げちゃいますよ。
はい、そうでないなら一人できませんし…ここに生えてるって判らないですよ。
散歩に進めれる場所じゃないですけど、気を付けるならいいのかな。
これでも錬金術師なので作れますよ」
そこ魔大丈夫ですと胸を貼って威張ってしまう子供っぽさを見せて。
「気まぐれだったのなら今日の出会いは本当にいい出会いですよ。
勿論ですよ、それじゃ行きましょうか」
少年の言葉にそれではと手を差し出して握っていき。
そうして念の為とゆっくりと遺跡内を歩いて外に出れば色々と話しをしながら王都へと共に歩いていく事に…。
■アネラ >
ご案内:「無名遺跡」からトリーシアさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」からアネラさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にレギオンさんが現れました。
■レギオン > 無名遺跡と呼ばれる場所の中層過ぎ。
初心者冒険者ならば、先に進むのと、生命の危機を天秤にかける階層。
石造りの回廊には無数の罠が仕掛けてあり、魔法生物も凶悪になってくる。
その回廊のひとつ。薄っすらランタンの灯りが照らす小部屋。
男は、壁に背中を預けて休んでいた。正確には、傷の復元を待っていた。
右腕と左脚に空いた大きな穴、それがじくじくと再生するのを見ながら――。
「はァ……最悪だ。ツイてない。」
――ため息を吐き出す。
“探索に送った冒険者が戻ってこない。様子を見てきて欲しい”
事の発端はそういう依頼。此処に潜ったのが明け方前。
それから休まずに潜っていたところで、魔物と遭遇。
その戦闘中にうっかりトラップを踏んだという次第。
急所めがけて飛んで来た無数の鉄矢を躱しそこなった結果がこれだ。
矢じりにはご丁寧に毒が塗ってあり、更に手の込んだことに引き抜く際に肉を抉るよう複雑な構造になっていた。
詳しく見たいのならば、彼の足元に転がってるものや、通路に転がっているのを見れば良い。
――正直、見たくもないけれども。
「――木乃伊取りが木乃伊になる、なんて上手いこと言ったやつがいたもんだな。」
勘が鈍ったか、とぼやきながら傷の再生を待つ。
今は、そう急がなくても良いだろう。
今後の方針を考える時間も欲しいし、同じような依頼を受けた冒険者は他にもいたし
存外、探してる冒険者達が無事帰還するかも知れないし。
そんなことを思いながら、無事な左手で干し肉を取って、齧る。不味い。
■レギオン > 『ヨブ。完治までの予想時間は――……?』
干し肉を噛みながら、目を閉じて問いかける。
本来はそんなことさえする必要ないのだが、気分というのは大事だ。
思考に等しい時間で告げられたのは、小休止には十分ではあるが、ゆっくり寝るには足りない時間。
このまま待つのもどうかな?と思うが、再生速度を上げるまでしなくても良いかな?という時間。
つまるところは、このまま苦痛と退屈に耐えながら待つのが最適解。
「やっぱり…最悪だな――」
背中の荷物には数日分の食料と治療薬、毛布、寝具を何枚か圧縮して詰めてある。
それを使えば、もう少しこの殺風景な石造りの部屋――方形の、壁しかない場所――も快適にはなるだろう。
“救助以外で使ったものは、報酬から引いて買い取ってもらう”と釘を刺されてさえいなければ。
いよいよとなれば、躊躇いはしないがそこまで切迫していない。
「もう少しピンチになりゃ良かったな。
こう、腕が飛ぶとか、首がなくなるとか……。」
改善できるが、改善するほどでもない中途半端な危機的状況。
誰かと出会うか、何か新しい展開でもない限り、そこに甘んじるしかない。
石壁に背中を預け、石床に尻を乗せ、味気ない干し肉を齧りながらぼやくのが最適解。
だから、「最悪だ」と男は渋面でぼやくのだ。
■レギオン > そうして、幾許かの時間が過ぎた。
とりあえずの栄養補給用――それが必要かは置いておこう――の干し肉が尽きた頃。
深く空いた穴は塞がって、左脚も右腕も動くようになった。
「よし、休憩終わり。お仕事の続きをしてきますか、ね。」
欠伸をひとつ噛み殺して、立ち上がる。
荷物を担ぎ直せば、もう出発しても差し支えないだろう。
歩く足取りに呵責も、憂いもない。
そのまま、迷宮の奥を目指していく。
結局、依頼を果たすことができたか、否か。
それは、この先の時間だけが知っていて―――…。
ご案内:「無名遺跡」からレギオンさんが去りました。