2020/02/27 のログ
ご案内:「無名遺跡」にネメシスさんが現れました。
■ネメシス > (待ち合わせ中)
ご案内:「無名遺跡」にロヴィーサさんが現れました。
■ネメシス > 無名遺跡と呼ばれる遺跡群は不思議な所である。
既に粗方探索を終えたと思ったらいつの間にか未知の区画が現れたりする。
今回二人が向かっているのもそんな区画であった。
最奥部に至るまでの道はロヴィの懸念通り、長柄を思いきり振り回すには聊か狭い場所。
それでも前衛をロヴィが務め、後方からティシフォネの強弓で仕留める闘い方で難なく進んでいく。
念のために持ち込んだ傷薬も使うことは無く。
そうこうしているうちに最奥部。
ここは数メートルはある巨大ゴーレムを運用することを想定していたのか。
巨大な古代神殿を思わせる広い空間であった。
ゴーレムは武器こそ持っておらずも、朽ちた柱を掴んでは長柄武器として振り回している。
「これ、結構キツイわね。」
ティシフォネは後衛として、柱の陰に隠れながら弓を連射する。
イチイの弓は威力に長けており、ティシフォネ自身も細身ながら強力な矢を放っていた。
それらが全て命中とはいかずとも、ゴーレムの身体に刺さっていく。
「ううん、矢では難しいわね。」
矢は刺されどゴーレムの戦力を立つには不十分。
勝負は前衛を張るロヴィの奮闘に託された。
■ロヴィーサ > そんな遺跡を堂々と闊歩する女が一人。
罠を壊して扉を壊して。
堂々と破壊の限りを尽くしたかと思えば、本当に壊せない場所や壊してはいけない罠には手を止める。
繊細なのか豪快なのか、運がいいだけなのか。
とりあえず彼女はおそらく目的であろうゴーレムと対峙し、クック、と肩を揺らして笑った。
鈍い銀色を放つプレートメイルは、ところどころチェインで補完された……フルプレートではないそれ。
そしてハルバードを手にした女は、ぶぅん、っと空気を切り裂いて一回転させて構えて。
「よぉっし、来いやコラァッ!!
このロヴィーサが相手してやるって言ってんだ、光栄に思えッ!!」
まるで戦場。矢が飛び交う戦場を思わせる名乗りをあげれば、ゴーレムの意識を一気に引き受けて。
「は、っ!」
思い切り遠心力をつけて、ハルバードを脛に叩き込む。
カツゥーンッ、と、甲高い音が響き渡ってはっきりと食い込み。
「………ってぇっ……」
痺れる。あーコイツ固いわ。
■ネメシス > ロヴィは名うての冒険者らしい働きで冒険を先導してくれる。
そんな彼女の背を歩くティシフォネは彼女の背中に逞しさを実感した。
そして今もである。
ゴーレムは刺されども致命傷には至らない矢にはあまり意識を払わず。
重量武器であるハルバートを手にしたロヴィをもっぱら相手取っていた。
獅子の咆哮を思わせる名乗りは冒険者と言うよりは戦士であろうか。
ゴーレムの膝にハルバートの刃が突き刺さり、左の膝にはっきりとした傷が生じる。
片足とは言え機動力を削ぐことには成功する。
ロヴィの重い一撃に柱の陰に隠れるティシフォネは目を見張るが、
ゴーレムはまだ動けた。
両手で柱を抱えると、足元に居るであろうロヴィ目掛けて振り下ろす。
通常の人間であれば、直撃すれば即死は免れない巨大な柱。
「ロヴィ、一度下がって!」
ティシフォネはゴーレムの片目を狙い矢を放つ。
■ロヴィーサ > 「ったく、かったいんだよ、お前はっ!」
片足でゴーレムの足を蹴って、がつり、っと突き刺さったハルバートを引き抜いて。
そこに現れる黒い影。
自分を狙って柱を振り下ろそうとするのならば、舌打ち一つ。
魔力を込めた左手で自分の左膝辺りをばちん、っと叩けば、地面を砕くほどのダッシュでその場から離れる。
抵抗の無い、自分の足への強化術であることは分かるだろう。
目的のいなくなったところに柱を叩きつけたゴーレムの片目に、矢が食い込む。
「ナイス!」
今度は狙いがティシフォネに向かうだろうか、脚を引きずりながら、ずしん、ずしん、っと暴れるように突き進んでくる。
■ネメシス > ロヴィはちゃんとハルバートが突き刺さった時の備えをしていた。
刺さった武器を引きぬいたかと思えば、魔力で脚力を強化して距離を開ける。
哀れ、ゴーレムは空振りをするだけにとどまらず。
片方の視界を塞がれる。
「こっちに来たなら対処の仕様もあるわね。」
ティシフォネが使っているイチイの弓は手慣れた射手であれば連射することができる。
片足を潰され、殊更に重くなったゴーレムの隙をつくなどお手の物。
数発撃っては移動を繰り返し、絶え間なくもう片方の目を目掛けて矢を放つ。
最初は巨木のような太い腕で払われるも、やがて一糸がもう片方の目に刺さり。
視界を失ったゴーレムはその場でむやみやたらと暴れまわるのみとなった。
「トドメいけますか、ロヴィ。」
生憎、ティシフォネの矢筒は空になってしまう。
■ロヴィーサ > 「いい連射! これなら楽勝っ!!」
ハッハァッ、と高く笑いながらハルバードを頭上でもう一度振り回して。
唸りをあげるその質量は触れた柱を、地面をえぐり取って。
「さっさと終わらせたげるっ! 任せなぁっ!!」
吠えながら、ゴーレムの膝を踏み台にするかのように飛び上がり、その顔面にがっつんっ、とハルバ―ドを叩きつけて。
矢をぐしゃりと折りながら相手の顔にめり込ませた上で。
「………ぶ、っとべぇええっ!!」
左手にまた魔力を籠めれば、食い込んだハルバードの柄を殴りつけるかのように掴んで、更に。
めりめりとバターかのようにハルバードが食い込んでいって。
地響き。
倒れ伏したゴーレムの上で、ぜー、ぜー、っと肩で息をするプレートメイル。
■ネメシス > 今居る区画がまるごと崩れるのでは、そう感じさせるほどの地響き。
その後に発生する大量の土煙で一瞬視界が塞がってしまう。
ティシフォネは柱の陰に隠れて視界が開けるのを待った。
そして、音の方へと向けば。
ゴーレムの上で深い呼吸をしているロヴィの姿。
「やったわね♪」
革の鎧だけあって身動きは取りやすい。
足早に駆けると、同じくゴーレムの上で右手を差し出して。
「後は分かりやすい部位をどこか持って帰れば依頼達成よ。
本当はこの奥に部屋があるようだけど、そこは後日本格的な調査隊を送るそうだわ。」
■ロヴィーサ > 「………いえーい。 はっは、嘘つけ新人。
冒険者の前は何してたんだよ。」
にひひ、と笑顔を剥ければ、いえーい、とその右手にハイタッチ。
ただ、その速射と命中精度はしっかり確認していた。
「目を抑えれたのはデカかったな。
ぶちのめすことはできるんだけど、隙が無いと下手したら反撃をカウンターで貰うから、逆に一撃で死ぬこともあるからさ。」
へいへい、と考えながら、ゴーレムの表面、古代文様が描かれた場所を砕いていく。
「ゴーレムのコア的なものがありゃいいんだろうけど、そこら辺はよくわかんないんだよな。 分かる?」
よくわかんねー、とぶつくさ言いながら、それらしい場所を探す女。
新人という相方にできない? なんて頼ってくる。
全てが大雑把だった。
■ネメシス > 「まあ、色々よ。」
元気よくハイタッチをするが、経歴に関してははっきりと言葉を濁した。
前どころか今も別の顔を持っているとは言えない。
「近接武器はそこが危険よね。
でも、今日みたいに連携すればそれもどうにかなるわね。」
実の所巨大ゴーレムの相手は初めてだった。
そして、予想外に手こずってしまった。
おかげで弓に関しては新人以上だとロヴィに知れてしまう。
もっとも、まだ隠している手札はあるので想定の範囲内ではあるが。
「ちょっと、私は新人よ?
分かるわけないじゃない。」
腰の剣では固いゴーレムを砕くことは到底できない。
そして、ゴーレムの部位を詳しく知っているわけでもなく。
結局、二人でゴーレムの周りをうろうろすることになるか。
そして、どちらともなくゴーレムの胸元にコア的な石らしきものを見つける。
「ねえ、これじゃないの?
どうにか取れない?」
■ロヴィーサ > 「ん、連携もよく取れてたんじゃない? 私も久々だったけど良かったよ。」
いや、もうちょっと苦戦すると思ったんだよね。と口にする。
長期戦覚悟だったのだが、思ったよりも上手く終わった。
「いや、なんつーか、こう。
新人だといろいろ読んだりして勉強したりするじゃない。
心配だからさ。 だから、ゴーレムに関しても知ってたりしないかなーって」
あはは、と笑いながら、うろうろと歩けば……。
「おっけ、任せなさい。」
言うが早いか、躊躇なくハルバードを振り下ろして周囲を砕けば、がっしりとそのコアをわしづかみ。
「このクラスの依頼で、これだけ早く終わったのは久々かな、ありがとね。」
にひひ、と笑顔を向ける。
■ネメシス > 「お互い射程が違ったからってのもあるんじゃない?
近距離だとまた連携の難易度も違ったと思うわ。」
急造ペアにしては確かに上手く行ったが、個々の戦闘力が高かったことによるものではないかと
判断するティシフォネ。
「新人はそうそう勉強の機会なんてないものよ。」
実際は本業があり、そちらが忙しいのが本音であるが。
「流石ね、頑丈な武器が羨ましいわ。」
流石に剣ではゴーレムは砕けない。
指を咥えて待っているしかなかった。
「なら、後はギルドに戻って報告するだけね。
今のうちに取り分を決めておきましょうか。
どの位が妥当かしら?」
クイっと首を傾げるティシフォネ。
要はどれくらいの働きだったろうかと問いかけている。
■ロヴィーサ > 「あー、そうかもね。
これ一人でやると疲れるんだよね。 弓矢を備え付けて、移動しながら持ち替えて。
事前準備とか超めんどいの、ホント。
それに、命中精度も貴方ほどじゃないしさ。」
一人でやる場合の話をしながら、肩を竦める。
あっはっは、と笑いながら相手の肩をぱしぱしと。
「そうでしょ、この武器に関してはいいもん手に入れたなーって思ってるとこ。
無銘なんだけどね、何やっても欠けないのよ。」
でしょー、と自慢げに。 取り分に関して言えば。
「………そうね、夕食一食分多く私が貰うわ。
んで、帰った後の食事は私が奢る。 それでどう?」
なんて、首を傾げる相手の額を、つん、とつついてやって歯を見せて笑うのだ。
■ネメシス > 「一人の時はそんなことまでしてたのね。
私も一人だとこんな化け物相手は流石に受けなかったわ。」
肩を叩かれながら、足元のゴーレムに視線を向ける。
今日の所はロヴィと彼女の得物に助けられたと言うのが正直な所であった。
「へえ、どこで手に入れたのか気になる程ね。
欠けない武器なんて珍しいし、貴重ね。
いいわ、それで手を打ちましょう。
でも、私結構食べるわよ?」
額を突かれてから、にんまりと口の端を伸ばす。
その後は、街まで何事も無く戻り。
夜の酒場で祝勝会を行った事であろう。
ご案内:「無名遺跡」からネメシスさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」からロヴィーサさんが去りました。