2019/11/02 のログ
ご案内:「無名遺跡」にメルトスラッグさんが現れました。
■メルトスラッグ > ――…無名遺跡
無数にある遺跡群の一つ。
その中の一つである熱気に満ちたダンジョン。
炎の精霊に愛されているのか、それとも近寄り溶岩が湧き出しているのか、
調査がされていないために不明ではあるが、此処は間違いなく危険なダンジョンである。
石で作られた通路は灯りがないために薄暗く、火に耐性がない者は軽く動くだけで汗ばむくらいの気温という難易度の高いつくりとなっている。
その暗い闇の中で天井より滴る水音がある。
涼しげな音とは程遠いネチャ、ヌチャ、と粘り気の重たい音。
明かりで照らすならそれは水音では有るが水滴ではなく、天井の一部からトロリと糸を引いて石畳に落ちる粘液の音であった。
その音の原因は天井に張り付いている巨大なナメクジのモンスターメルトスラッグの仕業である。
粘液も衣服ならしみこんで汚れる程度で済むが、それを防ごうと金属で受け止めると悲劇がまっている。
メルトスラッグ、その名のとおり金属を融解させるナメクジのモンスターが金属を溶かすために滲ませている粘液なのだから。
強固な防御魔法が付与されていなければ粘液が触れた地点からドロドロと溶けていくだろう、溶けて落ちたそれは石畳に潜む何かが美味そうに啜るだろう、初心者殺しと呼ばれるモンスターの1匹であるが、真に怖ろしいのは人間や亜人の女がメルトスラッグと対峙した時である。
■メルトスラッグ > じっと天井に張りついているだけであった巨大なナメクジはそれだけでは獲物を得られないと判ると、ずり、ずりずりずり、と鈍重な動きで身体を揺すり、天井に張り付いたままノロノロと次なる狩場に向けて這いずりだす。
この通路は妙に粘液の滴る量が多かったのは強大なナメクジのモンスターの狩場だったため、石畳の床に薄らとつもる程に粘液が広がっていたのだ。
だがしかし獲物がいない場所に何時までも留まるようなモンスターではなく、次なる狩場へ移動しまた同様にその動きをとめて、侵入者を何時までも待ち続けるのであった。
ご案内:「無名遺跡」からメルトスラッグさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にカインさんが現れました。
■カイン > 「…全く持ってついてない。落ちた先がまさかこことはな」
時折雨音が響く以外は己の発する音以外、シンと静まり返った遺跡の中。
ランタンを片手に少し濡れた金属音を響かせながらさ迷う影があった。
仕事で訪れた山中、目当ての魔獣を探索中に間抜けなことに足を滑らせた先がこの遺跡だった。
右を見ても左を見ても同じように見える通路に困った様子で足を止め、
状況の知れぬ様子に大きな息が知らず知らず吐き出され。
「どっかに出口はあると思うが…ここまでノーヒントだとどうにもな」
言いながら腰の剣を鞘ごと外すと地面の左半分を軽く小突く。
ガシャン、と金属音が響き渡ったかと思えば目の前で観音開きになる床、
そしてその奥に続く奈落に思わず顎に手を当て。
「…毎度思うんだがこういう場所に住んでた連中はどれだけ特殊な性癖してたんだろうな」
歩いてるだけで落下の危険のある家。自分であれば死んでも願い下げな物件である。
おまけに底に槍でも敷き詰めてあるならまだ可愛げがあるが、
どこに繋がってるともしれぬシュートとなればなお気味が悪い。