2019/08/16 のログ
ご案内:「無名遺跡」にエレイさんが現れました。
エレイ > 「~♪」

ピーヒョロロと下手くそな上あんまりちゃんと吹けてない口笛など奏でつつ、
遺跡の地下迷宮内で悠然と歩を進める金髪の男が一人。

最近新たに発見されたばかりの遺跡ということで、ギルドからの依頼である調査も兼ねての
探索にやってきていて。

「──さーて……何が出てきますかねぇ。とりあえず変な仕掛けでもモンスターでも
なんでもいいからバッチコイだぜ暇だしな」

などと、ドヤ顔しながら盛大な独り言をダンジョン内に響かせ。
腰に下げたカンテラをゆらゆらと揺らしつつ、見た感じ無警戒な様子で大股で進んでいって。

エレイ > 男の探索は順調に進んでゆく。途中、モンスターとの遭遇などもいくつかあったが、
いずれも男の敵ではなかった。また、通り道や小部屋におかしな仕掛けがあるということもなく。

「──ふぅむ、仕掛けもなければモンスターも雑魚ばかり……最初だからこんなモンか。
この階層(フロア)は初級者から中級者のPT(パーティー)向けといったところかな、と……
さ、次行ってみよう」

そうこうしているうちに、最初の階層は一通り探索が終わってしまって。
少し退屈そうな表情を滲ませつつ、持ちこんだ羊皮紙にレポートを書き込むと、
さらに地下へと続く階段をスタスタと躊躇なく降りていって。

エレイ > 第2の階層も、一応モンスターのレベルは上がってたり、道の入り組み方が多少複雑になってはいたものの、概ね最初の階層と大差なく。

続いて第3の階層──しばらく進んでゆくと、他の部屋の出入り口とは異なる、
大きな鉄の扉に出迎えられた。

「──ほう……ここが本命かな? あるいは第一関門か……いずれにしても、
ちょっと退屈になってきたので面白いことがそろそろ欲しいすなッ」

などと言いながら、扉を押し開けようと両手を添える。
もし開けられないようなら、別途鍵の探索も必要になってくるが──

「──カギは開いているようだな、じゃ、カカッとエントリーさせてもらうぞよ……むぅんッ」

扉に施錠はされておらず、男は自分の考えが杞憂だったことにふ、と息を小さく吐いて安堵し。
そしてそのまま、扉をぐぐ、とおもむろに押し開け、部屋の中へと足を踏み入れてゆく。
さて、そんな男を出迎えるの部屋の中身は一体何か……

ご案内:「無名遺跡」からエレイさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にビビさんが現れました。
ビビ > びちょん――――と滴る雫に、瞼を刺激されて目が覚めた。

普段、閉じ込められているのと大差ない、石造りの四角い空間。
娘が仰臥していたのは、やはり石で出来た簡素な祭壇のようなもの。
ぼう、と蒼い光で空間を照らしているのは、ヒカリゴケの類だろうか。
空気は淀んでいて、けれど日が差さない場所であるからか、
貫頭衣一枚の身には涼しすぎるほどだった。

ぴちょん――――ぴちょ、ん。

いつもの部屋、でないことには気づいたが、
ではどこなのか、がまるで分からない。
ふらつく四肢を何とか動かし、祭壇から滑り降りて、素足を石畳の上についた。
おどおどと周囲を見回し――――首許を戒める銀色に、そっと右手を触れて。

「今、なら……逃げても、いいの、か、な……?」

見渡した限り人の姿はなく、隠れているのなら気配を悟れるはずもなく。
ただ、これは好機なのかもしれない、と、それだけを思った。
自由に、どころか、歩くことにも慣れていない足を、慎重に動かす。
よたよたと、ふらふらと、取り敢えずは前方に見えている、通路らしきものの入り口を目指して。

ビビ > とぼとぼと、素足の娘のか弱い足で、果たしてどこまで行けたのか。
逃げ切れず魔物か悪徳冒険者の餌食となるか、あるいは奇跡が起きるのか。
今は未だ、誰にも分からない――――。

ご案内:「無名遺跡」からビビさんが去りました。