2019/04/30 のログ
ミラ > この手のエロ系で勇者を返り討ちにしてどうにかするのが、自分の立場だからして弱点だとしてもそれはそれでよし。
コレクション的にはレアリティの高いものが手に入ったと喜ぶべきか。
お約束の媚毒の体液を持つ触手を切り裂きながら、その返り血を避けてコレクションとしては価値ありとビキニアーマーを評価付ける。
刀身に残る体液を、大剣を勢いよく振り払う事で落とし。頭の中にマッピングした構造図を参照しながら、進むべき方向を思索。
わりと力押しで進んできたが、媚毒体液はちょっとなとか進む先の脅威度やらなにやらを考慮しつつ頭を悩ませ。

「……ん?」

そして、自分の進んできた背後の方から響く靴の足音に気づいて振り返る。
そんな足音をがする時点で動物型や触手型のモンスターではないだろう。となると、装備を身に纏った人型か、人間の冒険者どもか。
どちらでも、とりあえずは顔でも見るかと通路の中央に陣取り近づく足音の主を待ち構える。

サタン > 歩みを進めながら時折横たわる死骸やぶった斬られたトラップの痕跡を眺めながら思索する。
斬撃ばかりの痕から、まずパーティを組んだ冒険者達ではないだろうと、他の攻撃手段が見受けられない辺りより推測した。
そしてこの迷宮の難度も決して低いわけでは無かろうと、魔族の亡骸や罠の性質などから推し量ってゆく。
そしてそこから導き出した結論として、単独でこれほど図抜けた力量の持ち主が相手であれば
聊か鈍った状態の戦闘力だが、手っ取り早く勘を取り戻すには丁度良いであろうか。
などと言うバトル脳な魔王は、時折リポップされてくる魔物を、両手はそのままに詠唱も無く小さな火球を生み出して射ち焼き滅ぼしながら、先行く強者の気配へと向い進んでゆく。

「――…此方に気がついたか…。」

深部へと向う者の気配が歩みを止めたのを感じ取れば
両手はポケットより出して、軽く拳を握り、開きと繰り返して徐々に戦闘態勢へのギアを上げてゆく。
次第に距離は縮まり、その姿も双眸に捉えること可能になれば、その先には大剣片手にした露出過多な女の姿を捉えることとなるだろう。

「――…確か、大昔にそのような装いの勇者連中など相手にしたことがあったが…勇者…には見えぬな。」

なにせその纏う気配は同族の物であり、先ほどまでの力量と感じる魔の気配は自身と同等の力量の持ち主であると把握できる。故に

「――…確かに魔王であれば、露出癖があろうが変態だろうが誰にも止められないとは思うが、貴殿もその類か?」

何せ、男の同僚にはネジが全てぶっ飛んだような奴もいるのだ。
驚きはしないが、一応確認のためにと
真紅のビキニアーマーを纏い大剣を手にした女へと問いかけてみた。

ミラ > 足音の主が近づくにつれ、濃く感じる気配は同胞の者。それも、かなり格の高い者のそれ。
ダンジョン産のモンスター風情にしては格が高すぎると、警戒心を高めてきりりと表情は真面目なものに。
そして、目にした姿はダンジョンアタックに相応しいとは言えない装い。それでいて無傷なその姿は、感じる気配相応の力量の証だろう。
ここまで近づけば、相手も魔王級の存在だというのは言われずともわかる。ダンジョンの中にあって、余裕たっぷりな態度のも当然だ。
さて、いかに対応するかと逡巡した束の間に相手が先に口を開き。

「あっ……ち、違うわぁぁぁぁっ! 誰が、露出狂だぁッ!」

相手の口にした台詞が羞恥心にクリティカルヒット。思わず、手にしていた大剣を相手めがけてぶん投げつつ、胸元と股間を手と腕で隠すようにして身を小さくし。
真っ赤な顔で、声も大きくそんなわけがあるかと必死に主張する。
冷静さを保つ頭の片隅が、ビキニアーマー勇者の相手をした事があるのかとか。客観的に見れば、今の自分の格好は確かに露出過多だなとどうでもいい感想を浮かべていた。

サタン > 言葉は時に伝説級の魔剣や殲滅級の魔術よりも強力な武器となる。
などと、女の手からぶん投げられた危ない軌道を描きながら飛んでくる大剣を眺めながら思う。
そして飛来する危機に対しては半歩片脚をずらして身を翻し、その物騒な攻撃を避ければ、飛んでいった方向を眺め行く。
どこぞで転がるか刺さるか、かなりの力を宿した武具のようにも見えたが、まぁ自分の所有物でも無いので気にしないことにすると、また半歩脚を元の位置へと戻して向かう。
迷宮に木霊する大声が反響を繰り返しながら響き渡っているが、肩を竦めれば、高めていった戦闘態勢を解くように握った拳を解き。

「――いやなに、先ほどの剣といい、その装いといい力有る武具のようにも見えた。
それに、あれほどの重量級の武器を振うのであれば、失われる俊敏性を軽装にする事で最小にして挑んでくる連中も俺の相対した中にはいた。」

当たらなければなんとやらだ。と、大きく膨らんだ胸元と僅かな布地しかない股間を隠しながら男の問いに大声と身振りで主張する相手に対して過去の経験から説明してみる男。

「――まぁ、俺とも同等級の力の持ち主とお見受けする故、無理に止めはせぬが…。
確かにその魅力であれば、その姿に見とれ堕ちる輩も居るであろうし。」

誘惑系の効果も狙っているのだろうと、一先ず露出狂ではないという主張は受け取りつつも、多分本質からはずれた事を口にしながら、男は歩みを進めながら近寄っていった。

ミラ > 思わずぶん投げた大剣を危なげなく身を躱して、落ち着いた様子を崩す事もなく紡がれる男の言葉に耳を傾ける。
重量級の装備を扱うために別の所の装備を削る。そういう輩を相手にした経験があるという事からの、台詞かと思いきや誘惑して魅了するためにこの格好をしているのではと勘違いしている様子。

「だから、違うと言っているだろうが! そりゃ、そういう手段を取ることもある。場の雰囲気にあわせて、色気を優先する事だってあるが、好き好んでこんな恰好するような露出狂ではない!」

誘惑して堕とすだけなら、ここまで過激な格好する必要はない。能力頼みの力押しでいいのなら、それこそ肌に触れさせる必要も特になく。肌をここまで露出させる必要も無い。
羞恥に顔を赤らめ、涙まで滲ませながらお前は勘違いしていると声も大きく主張し。

「はぁ……。たまたま、この装備を手に入れたから性能試験をしてみるかと着てみただけだ。誘惑して堕とすだけなら、言葉ひとつでもどうにかなる」

大声を出しての抗議で、感情の波もひとまずはおさまり。近寄る相手をじろりと一瞥。向ける視線。投げかける声に、魅了と誘惑の魔力を乗せて堕とすつもりなら、この程度の芸はできると同格相手と思えばの戯れを仕掛け。
開き直ったのか、姿勢を変えて胸元で腕を組んで堂々と立つ。それでも、顔に赤らみが残るあたりは刺激された羞恥心がまだ残る模様。

サタン > 露出狂という単語はどうやら相手にとってNGらしいと、大声に乗せた主張内容を聞きながら、結論付けた。
まぁ、その装いそのものの魅力というならば確かに効果はあるだろうし、武具に宿る力の気配自体も確かに強力な物のようだと気配を探り察し。
誤解に対する抗議と力の一端を見せるためか、戯れに仕掛けられた魅了と誘惑の力を、男の障壁は問題なくレジストをして防ぐ。それは仕掛けた相手も察する事出来よう。
一歩、また一歩と、感情の振れも落ち着きを取り戻したのか、腕組みながら立つ女のすぐ傍へと近寄って行き。

「――性能試験と言うのなら、試してみるとするか?」
一言、男は言葉を紡ぎ。
右腕は徐に持ち上げその掌は薄布にすら隠れきれていない臀部の丸みへと伸して、掌を押し当て指先はムニュと柔肉へと指を埋めながら揉み始めてゆく。
無力化したはずの誘惑も魅了の力がまるで無力化されていないかのような様子を見せたように男の手は無遠慮に伸ばされた。

ミラ > 露出の激しさだけを言えば、水着や下着も大差ない。
誘惑の一環としてそのような露出の多い格好をするのはやぶさかでないが、肌を見せつけるのが目的のような露出狂のように言われるのは不本意極まりない。そう感じる羞恥心のひとつやふたつは持っている。

「そもそも、露出が目的ならこのような所に籠ってない。街中でも歩いている」

露出が目的なのか、手段なのか。そこらへんが露出狂かどうかの違いであろうと近づく相手の顔を見据えながら、溜息をつくようにコメントし。仕掛けた魅了がレジストされた気配には、やはりそんなものかという程度の感慨しか抱かぬまま、悠然とした態度で近づくのを許し。


「ん? む? おい、効いてないはずだが。まさか、何を試すつもりだ?」

性能試験と言って伸ばされた手が、自らのお尻へと伸び。何の遠慮見見せずに、柔らかな尻肉を揉み始める。むっちりとした弾力が揉むこむ指先を淫らに押し返し。滑らかな肌が若く瑞々しい乙女の質感を伝え。
確かにレジストされたはずなのに、まさか効いていたのかと戸惑いを見せて相手の顔を見上げる。効いているのなら、この伸ばされた手に怒るのは理不尽であるし。そうでないなら、それはそれで何の性能を試すつもりなのかと。柄にもなく、反応に困って狼狽えた様子が微妙に揺れる瞳に現れ。

サタン > とりあえず露出狂ではないと理解をしているが、今尚説明するように言葉紡いでいるのは、言い聞かせる事で自身の感情の波を落ち着かせているのだろうか、などと伺いつつ反論はせぬまま聴き受けておく事にした。

近づき伸ばした手と指先に感じる柔らかくも弾力ある尻肉の感触と瑞々しい柔肌の触感を愉しみながら徐々に指先は強く尻肉を揉みこみ、鷲掴むようにして遠慮ない様子で捏ね回し。
正面相対するような位置取りを取れば、空いている左腕は薄布一枚だけが支え包み込んだ胸元の豊かな膨らみへと伸ばし、掌は先ず薄布越しに右の乳房へと添えられ豊かな膨らみへと指を埋めるようにして曲げ込むようにして膨らみを撓ませ。
男の反応に狼狽を見せた様子の女の股座へと、自らの股間を擦り当てれば、その内側には既に硬く膨らみ屹立を見せる存在の事を伝える事となるだろう。

「――言っただろう?性能試験、だと…。」

果たして伝説級の防具であるビキニアーマーにそのような裏の効果まで付与されていたのか、はたまたレジストしたように見えて失敗していたのか。
彼女がどのような解釈をしてゆくか、それすらも愉しむかのように、男はゆっくりと顔を寄せて彼女の耳元へと口許を寄せれば囁くように言葉を紡ぎ、熱の宿った吐息を零した。

ミラ > 男らしく武骨で大きな手が、鷲掴むようにして無遠慮に揉み込み、尻肉を味わっている。かと思えば、正面から伸びてきた手が乳房に触れて来て、乳肉の柔らかさを堪能するように指を沈み込ませて来る。
あきらかに、性的な意図を持った触れ方であり。常であれば、怒るところだが。先ほど己から魅了を仕掛けたばかりとなれば、レジストされたはずのが効いていたのかと困惑して、その手を振り払うべきかどうかと悩んでしまう。
ある意味、真面目ともいえるその反応も男の股間が己の股間へと擦り当てられ。硬く熱を持った肉棒の存在を伝えられれば、ゾクリとした興奮が背筋を走り。じわりと滲む淫らな蜜が媚肉を潤していく。

「あ……。この、仕方のないヤツだな」

小さいながらも、熱の籠った吐息を漏らし。男の言ったような魅了効果がこのビキニアーマーにあったのか、やはりレジストに失敗していたのか。
どちらであれ、肌に感じる男の欲望の熱量。囁かれる言葉とともに耳元に振りかかる吐息に抵抗の意志は薄れ。可能性的には有りそうなのは、ビキニアーマーの裏機能あたりなどかなどと、ちらりと頭の片隅で考えつつ。組んでいた腕を解いて男の体に抱きつくようにし。撫で上げるように、背筋を愛撫した左手。右手はそのまま降りて、男の股間へと伸びて、屹立具合を確かめるように、優しく指先を絡めるように愛撫する。
検証するには、もう一度仕掛けて見て抵抗具合を見ればいいと、右手からは歪んだ豊穣の祝福が肉棒へと与えられて発情を促進し、欲望の熱量をあげにかかる。

ご案内:「無名遺跡」からサタンさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」からミラさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にタマモさんが現れました。
タマモ > ここは九頭龍山脈、そこに空いた穴から落ちた場所に繋がっていたどこかの遺跡。
そんな状態である為に、先に続く三つの道。
前か、左右か、それがどこに続いているのか分からない。
出口に近付くかもしれないし、更に奥へと進むかもしれない、そんな感じか。

「………よし、迷うのはいつもの事、気にする事もなかろう」

うむ、と己の言葉に頷く。
言葉におかしな点がある気もするが、気にするな。

それはさて置き、さてはて、どうしたものか。
室内では向いている方向も分からないし、時間も感覚でしか分からない。
元の場所に戻って、穴を飛び上がって戻れば良いじゃない。
そう言われても仕方無いが、それは、何か負けた気がする。

腕を組み考える、今回は、どうやって進む方角を決めようか、と。

タマモ > 「むむむ…」

腕組みしたまま、ぐるりぐるりと、円を描くように歩く。
そして…ぴたりと足を止め、閃いた!みたいな感じで、ぽむ、と手を打った。

「さすがは妾じゃ、運頼みに使うべき道具、持っておったではないか…!」

ふっ、と鼻で笑いながら、手で髪を靡かせるような…こう、自慢気な仕草?
ゆーらりゆらりと、それに合わせ、尻尾も揺れていた。
さっそくと、袖に手を差し入れ、ごそごそと何かを探る。

「この辺りに…確か…えーっと………お、あったあった」

指先が、それに触れる。
もぞり、と取り出したそれ、指に挟まれたサイコロだった。

タマモ > 「馬鹿鴉は知識と経験に重きを、運や直感に頼るなと言うが…
やはり、こちらの方が妾には合っておるじゃろうて、のぅ?
馬鹿みたいに、戦うだけが能ではない。
知略ばかりもまた、つまらんだけじゃ。
さぁ…妾を導くが良い…ていっ!」

小さい数字から順に二ずつ、前、左、右、と取り決めておく。
そして、手にしたサイコロを、ぽとん、と落とす。
地面に当たり、かつーんっ、と跳ね上がり、ころころころ…
そして、止まる。
[1d6→1=1]
タマモ > 止まるサイコロ、上から出目を覗き込む。
その数字を見れば、ひょい、とサイコロを拾い上げて。

「ふむふむ…妾の賽は、直進せよと言うておるようじゃ。
ならば行こう、その先にはきっとお宝が…!」

勝手な期待を胸に、少女は前の道を進み出す。
何をもってお宝なのか、それは何とも言えないところだが。
そもそも、本当にそれがあるのかも分からない。
お宝どころか、魔物とか、同じお宝目当ての冒険者とか、それらに会うかもしれない。

もっとも、魔物は倒せば良いし、冒険者は…まぁ、うん。
世の中、色々とあるのだと教えてやろう。

タマモ > 少女は進む、選んだ道を真っ直ぐに。
まぁ、時々、右に左に曲がってはいるが。

「………あー…」

と、ふと、幾度目かの曲がり角まで進み、足を止める。
その曲がった先に見えたのは、大きな扉だからだ。
周囲を確認してみれば、他に道は幾つかあるようか。
それもあるが、門の左右に立っている石像、怪し過ぎる。

「なるほどのぅ、遺跡の奥と言うよりも、真ん中とか、そんな位置と言う訳か。
………む…となると、これは…出口探しが面倒なんじゃ…」

近付かなければ、どうせ反応はしないだろう。
一旦それは放置して、今の状況の再確認。
他に道があると言う事は、結構道が入り組んでそうなのは、簡単に予想が出来る。
とりあえず、あの門の先には行くものの…後々の事を考えると、うん、あれだ。

タマモ > とりあえず、あれをどうにかしよう。
視線は、再び扉へと向けられる。
正確には、その左右にある石像だ。
名前は何と言ったか…なにか、籠がいる?みたいな名前だった気がする。
………名前を覚えるのは苦手なのだ、仕方無い。
正しくは、ガーゴイル、である。

「れっつとらい、なのじゃ」

たんっ、と床を蹴れば、一気に扉へと距離を詰める。
言うまでもない、予想通りに、その石像は一定距離まで近付くと動き出す。

「先手必勝ぉっ!」

と、動き出した、それが確認出来ただけで十分だ。
石像が身構える余裕も与えず、床を更に蹴り、その片方に突っ込む。
そのままの勢いで、軸足とは別の足を突き出すように蹴り付けた。
構える余裕くらい与えろ?戦いとは非情なのだ。

小柄な体躯とは裏腹に、その威力はそれなりにあったらしい。
蹴り付けられた石像は、背後の壁まで吹っ飛ばされる。
…のだが、蹴り自体のダメージは小さそうだ、石像なのもあるだろう、普通に立ち上がった。

少女はと言えば、蹴りの勢いを利用して、扉の真ん前。
このまま開けてしまえ、そんな感じに、扉に手を当てて、ぐっと力を込める。

「………おぉ…開かん」

ぽつりと呟く、うん、当たり前だろう。

タマモ > 「むぅ…人の計画を無駄にしおってからに…人ではないがのぅ」

扉を開き、そのまま入って、再び閉める、おしまい。
まぁ、その程度の計画とも言えなさそうなものだったが。
唸りながらも、ちらっ、と後ろを振り向けば、二体の石像はすぐそこだ。

「少しは考える余裕ってものを、与えて欲しいものじゃ」

そんな状況であるにも関わらず、はふん、と少女は溜息を一つ。
そんな少女へと向け、石像は鉤爪を振り下ろす。

再び袖に手を差し込めば、今度は慣れた手付きで二本の扇子を取り出した。
視線の端で鉤爪の軌道を捉え、そのまま、するりと扇子で受け流しながら身を翻す。

「ふむ…こうなってしまったら、もはやお主等に勝ち目はない。
とは言え、どうせ離れる事もせんし、言葉を聞いてもおらんのじゃろう?
何が起こっておるのか理解も出来ぬ、対処不能の恐ろしさ…まぁ、味わっておけ?」

舞うように、少女はくるりと身を旋回させた。
途端に、二体の石像の体が、その動きに合わせるように吹き飛ばされ、ずどんっ!と今度は強烈な勢いで壁に打ち付けられた。

「防ぐ事叶わず、守る事叶わず。
ただ、暴風に身を任せ、吹き散らされるさま、それを想像すると良い。
………あぁ、想像も出来んか、お主等では」

少女は、舞い続ける。
大きな扉を前にした、大広間の中央で、独り舞台のように。
二体の石像は、その動きに引っ張られるように、上下左右に振り回され、壁に打ち付けられ続けていた。
その度に打ち付けられる重音が鳴り響き、周囲に振動を引き起こす。
それはしばらく続けられ、舞が終わる頃には、全身ぼろぼろになって動けぬ石像が二体床に転がっているだけとなる。
もちろん、周囲の壁もところどころひび割れたり崩れたりしているが。

タマモ > 「ふふ…これにて終劇、ご苦労様じゃ」

広げた扇子で口元を隠し、くすくすと笑う。
ついでにと、閉じたままの扇子を持つ手を振るえば、ばぁんっ!と扉が派手に開け放たれる。
最初からそうしとけ、知っている相手であれば、そう言った事だろう。

「さて、お宝お宝…」

閉じた方の扇子を仕舞い、とん、と床を蹴って、扉を開けた部屋の中に。
狐火に照らされる、その部屋は、想像通りのお宝部屋だった。
もっとも、少女としては何がどんな価値があるか、それが分からないが。

とりあえず…あれか、きらきら光ってる豪華そうなのは、きっと高い…多分?
後は何だろう、よく分からない小物とか、装飾品とか、武具防具、後は本?
ぱっと見では、正直言ってさっぱりだ。

落ち着け、少し間を空けて見れば、何となく…
と言う訳で、ごそごそと、懐から風呂敷包みを取り出し、広げておいた。

タマモ > 「さて、始めるとするか」

改めて、ぐるっと部屋を見渡す。
どうせ分からないならば、いつもの直感に頼るのみ。
なんとなくこれか、と感じる度に、それを引っ掴み風呂敷包みの上に置く。
テーブルの上に置いてあった本を数冊、棚に並んでた小物と装飾品を数点。
小刀?いえいえ、小剣です、を一本。
床に転がっていた、何かの材料っぽい鉱石を幾つか。
実はどれも魔導書であったり、魔力を帯びた品々、魔術鉱石と非常に価値が高い物ばかり。
少女自体はそれに気付かず、風呂敷包みにまとめ、よいせ、と背負った。

うん、気になったの全部、なんとか背負えた。

「後は、出口を探すだけじゃな。
まぁ、それがちと面倒そうじゃがのぅ」

よいせ、うんせ、とお宝背負い部屋を出て、見える幾つかの通路を眺めながら、考える。
これ、どれが出口なんじゃろうか、と。

タマモ > お宝を持ち、出口を探し、王都へと戻る。
残す目的は、今やそれだけとなった。

転移をしろ?それは、少女の拘りが許さない。
また歩みを開始した少女は、どこへ向かうのか。
それは………また次回?

ご案内:「無名遺跡」からタマモさんが去りました。