2019/02/22 のログ
ご案内:「無名遺跡」にカインさんが現れました。
■カイン > 「…全く持ってついてない。落ちた先がまさかこことはな」
時折雨音が響く以外は己の発する音以外、シンと静まり返った遺跡の中。
ランタンを片手に少し濡れた金属音を響かせながらさ迷う影があった。
仕事で訪れた山中、目当ての魔獣を探索中に間抜けなことに足を滑らせた先がこの遺跡だった。
右を見ても左を見ても同じように見える通路に困った様子で足を止め、
状況の知れぬ様子に大きな息が知らず知らず吐き出され。
「どっかに出口はあると思うが…ここまでノーヒントだとどうにもな」
言いながら腰の剣を鞘ごと外すと地面の左半分を軽く小突く。
ガシャン、と金属音が響き渡ったかと思えば目の前で観音開きになる床、
そしてその奥に続く奈落に思わず顎に手を当て。
「…毎度思うんだがこういう場所に住んでた連中はどれだけ特殊な性癖してたんだろうな」
歩いてるだけで落下の危険のある家。自分であれば死んでも願い下げな物件である。
おまけに底に槍でも敷き詰めてあるならまだ可愛げがあるが、
どこに繋がってるともしれぬシュートとなればなお気味が悪い。
■カイン > 「ひょっとしたら誰かが後付したのかもしれんが、
明らかに趣味に走ったトラップも大量に見かけるしなあ」
げんなりした表情を隠しもせずに、壁から湧いて出た触手を切り払う。
見るからにむさ苦しいこの男が引っ掛かるのなら苦行にしか見えないが、
見目麗しい女性が引っ掛かるのであれば傍目にはさぞ都合のいい代物だろう。
仕掛け人の趣味が知れるという物だ、大多数の罠が命の危険というよりは捕縛を
目的にしていそうなのがなお質が悪い。
「風の流れ…と考えてもそれを辿っていけるかどうかというと怪しいよなあ」
凌ぐだけならいくらでも、だが出られるかどうかはまた別の問題である。
■カイン > 「ま、着実に歩いていけばどこかにはたどり着くだろ。
…いい場所かどうかはさておいて」
辿り着いた場所が自分の望むような場所であることを祈りながら、
若干の嘆息交じりに暗がりの中を歩き去っていくのだった。
ご案内:「無名遺跡」からカインさんが去りました。