2018/10/20 のログ
アデリーナ > 「そんな残骸、持って帰ってもくず鉄にしかならないぜ」

さっき放り捨てたのと同型機の腕を持ち帰る彼女に肩を竦めてみせる。
まあ、装飾はいいし古代の遺物ってだけで値は付くのかも知れない。
そういうコレクターみたいな連中もいるというし。知らんけど。
ともあれ、下手人探しは面倒くさい。
出会った彼女がそうでないなら、敢えて探しに行くのもだるいし放置放置。

「お、興味あるって……? なら魔導機兵に見る近代の魔導機械との技術的共通点と其処から類推される魔導騎兵製作者と現代文明との関連性についてちょっと……あ、もしかして興味ってそういうヤツじゃない? あ、そう」

急に火が付いて死んだような目に光が灯ったかと思うと、唐突にクールダウンして目が濁る。

「あー、博士? まあ、うん。博士とか教授とか主任とか、まあなんでもいいよ、僕を識別できるなら好きに呼んでくれ。
 第五っていうと……あー、突撃師団。もう少し戦術機動とかさ、なんとかしてよ。
 ゴーレムは死んでも心が傷まない便利な兵隊だけど、そこらの地面から勝手に生えてくる草じゃないんだぜ。
 召喚具にしろ、既成品にしろ、僕らみたいなのがせっせとこしらえてるんだからさ」

知ってる知ってる、僕の卸したゴーレム、よく使ってくれるよね。
おかげで研究費の足しになります。ごちそうさま、と頬をわずかに吊り上げて、笑顔のつもり。

「んー、まだ生きてるのが居るなら是非見たいよね。生け捕り……は、無理っぽいって報告あったけど。
 ていうかさ、想定より性能高い臭いんだけど? 
 僕のゴーレムは模造魔導機兵くらいなら制圧できるけど、オリジナルには勝てねーなこれ。
 アッサルト師団長はどう? 魔導機兵殺れそう? なるべく主要部分は無傷でだと僕が喜ぶけど」

フォーコ > 「そうなのか?
装甲の質が良さそうなので新しい装備品のヒントにならないかと思ったのだが。」

専門家の視線では私の拾ったパーツは大した価値がないようだ。
まあ、最悪潰せば何かに使えるだろう。
後で人をやって纏めて回収するのも悪くない。

そして、彼女はこの現場を作った相手を探しに向かうのかと思いきやそうでもないようだ。
流石に冷静なようで。

「………う、まあ、そういうことになるな。」

不味い…何を言っているのかまるで分からない。
肯定も否定もそもそも問われている意味すら理解できなかった私は固い表情を浮かべ、フリーズしてしまう。
そんな私の事情を察したのか彼女の瞳から光が消える。

「では、博士と言うことで。
うちは力にモノを言わせての部隊だからな。
その分予算は大目に支払っているだろう。
あれで我慢してくれ。」

戦利品とそれ以外で巻き上げ多分も含めて十分な金額を支払っているはずだが、
どうやら愚痴もあるようだ。

「この遺跡に残っている力がそうさせているのではないか?
こんな性能はよその国も含めて聞いたことがないな。
博士のゴーレムはちゃんと言うことを聴いてくれるからそれで十分だろう。
…勝つだけなら容易いが、博士の要望を満たせるかは保証できんな。
何せ私も荒くれ部隊の一人だからな。」

やれと言われれば喜んで立ち向かうが、果たして私がどこまで冷静に居られるか。

アデリーナ > 「そうなのさ。
 確かに装甲材は現代の基準だと稀に見る強度だけど、じゃあどうやって造ったのかっていうと分かんないからね。
 王国軍の制式魔導機兵見たことある? あれが今の僕らで出来る限界。
 はーやんなるね、生きた古代の超技術が目の前にあるのに、何がどうなってああなってるのか分かりゃしない。
 僕ら研究者には生き地獄だよ、この時代。やれやれ」

肩を竦め、首を横に振る。
そこからニッと笑って、
「でも解けない謎に挑むのは実に楽しいから天国でもあるのかな、流石天使は楽園に連れてってくれる」
なんてうそぶく。

「オーケー、軍人には技術がどうとかそういう話は無用だって忘れてた。
 つまり君らには「どうやって使って」「どういう結果を出すのか」だけ話せば通じるってこと。
 そして今回の議題にその要素は無いので、頭から火が出る前に忘れてくれよ。
 ま、金払いのいい君ら軍人のおかげで僕は今日も楽しく研究できてるわけだ。いつもありがとう」

喰うかい? と鞄からバター香る王都の高級店の柔らかな白パンを出して差し出す。
こういういいものを食べられるのも、軍人があっちこっちで戦争してうちの魔導兵器を買ってくれるお陰様、と。

「あー、そうか……アッサルト師団長の出力だと魔導機兵の主要部も無事じゃ済まない、と。
 うん、じゃあさっきの話は忘れてくれ。今度のフィールドワークは草原にでも出てみるよ。
 しかしまあ、生身でよくもあんなパワー出るよね、どういう構造なのさ君ら?
 新型ゴーレムを作る上で興味があるなあ、現役トップクラスの軍人の身体構造っての」

フォーコ > 「ならここの残骸を多数持ちかえって調べてみるしかないのではないか?
同じ強度は無理でも似たレベルの物が量産できたら御の字だろう。
とはいえ、材料が手に入るかどうかだな。
生き地獄の方が我々のような職は仕事にあぶれなくていいような気がするが。」

肩を竦める彼女に眼を細めていた。
生き地獄と口にする割には生き生きとしているように見える。

「さっきと言っていることが正反対ではないか。
学者は頭の回転が速すぎてついていけないな。」

うそぶく彼女に私は苦笑していた。 結局のところ、思い切り楽しんでいるようだが。

「個人的なことを言うとどう使うかもあまり興味がない。
最終的には幾らの『予算』でどんな『結果』を出せるかだな。
博士がそう言うのなら早い所頭の中から消し去るとしよう。正直、もうじき頭痛がする所だった。
そう思うってくれるなら結構だ。 今後も我々が楽できる装備を作っておくれ。
…さきほど食べた所でな。 気持ちだけ頂こう。」

香ばしい香りが漂うも、生憎今は食欲が湧かなかった。
右手を左右に動かし断るとしよう。

「まあ、そうなるかも知れんな。それに手加減できる相手とも思えん。
すまんな。今度良い部品が手に入ったら研究所に送るとしよう。
身体のつくりはいろいろあって詳しい話はできんが、新型ゴーレムの相手なら喜んで参加するぞ。」

王国内でもおおっぴらに明かせない身体になっている故、私は微妙な表情を浮かべていた。
しかし、ゴーレムの新型には興味がある。
博士がどんなゴーレムを作る予定なのか見てみたい物だ。

アデリーナ > 「数ばっかりはこないだの大量出現以後、冒険者まで総出で狩ってくれるおかげで結構稼げてるのさ。
 もちろん寄付してくれるなら喜んでもらうけれど、値をつけるなら相当値崩れしてるよ今。
 ま、生き地獄のような忙しさの中で天国のように楽しい古代の神秘に触れられるのは今を生きる技術者の特権だねえ」

師団長も経験あるんじゃないかい? 苦しい戦場で、でも強い敵とやり合うのが楽しくてしょうがないとか。
そんな風に、自分の胸にある高揚を軍人に判るように言い換えてみる。
事実として楽しいのだ。楽しすぎて寝食を忘れて、危うく死にかけるくらいには。

「正直だね師団長。いいね、好きだよそういう飾らない言葉。
 うん、気に入った。個人的に君の望む魔導兵器なんかあれば、僕のやれる範囲内でなんとかしよう。
 それこそ対城塞魔導砲とか? 決して折れない魔導刃を形成できる非実体剣とかさ。
 もちろん時間は相応にもらうけど、代金は格安にしておくよ」

けらけらと笑って、白パンを頬張る。うん、味が分からん。
まあ柔らかいのは判るのでよしとする。細顎では固い干し肉や黒パンなんてとてもじゃないが食べられるものじゃないしね。

「はー、残念。ま、他人の秘密をほじくる趣味はないから詳しくは聞かないでおこう。
 部品の件は頼むよ? 新型のテストは……手加減出来ないなら壊されそうだしなあ。
 そこそこの腕利きを貸してよ、師団長自身に勝てるゴーレムは流石に僕でも無理だと思うし」

微妙な表情をする師団長に歩み寄って、上目に見上げてニッと笑う。

「新型に興味があるって顔だ。いいね、ほんと師団長のこと気に入ったよ」

フォーコ > 「どんな品でも値崩れするときはあっと言う間と言うことか。
優秀な冒険者が多くて何よりだな。
博士の言うとおりだな。 やはり生きていないと何も出来ない。」

学のない私でも博士の話は分かりやすく、また実感を持てた。
しかし、既に数が揃っていたとは…。
これらのゴーレム群をあっと言う間に平らげる冒険者の実力には恐れ入る。

「思うことを思うまま言っただけだが、気に入ってもらえたのなら何よりだ。
そうだな…魔導砲は他の師団に運用してもらうとして剣の方は興味があるな。
今使っている物もかなり強力な刀なのだがやはりもう一つくらいは欲しい所だな。
予算はまた他所から分捕ってくるので安心すると良い。」

パンを頬張る博士の言葉に私の瞳が僅かに輝く。
相棒がもう一振りできるのなら幾らでも金は用意しよう。

「流石だな、この国でやっていく術をよく御存じの様だ。
なんだ、壊しては駄目なのか。
そこそこの腕利きとはまた随分難しい注文を付けてくるな。
私の背中を預けれる相手は皆猛者揃いだからなあ…。」

子供のような笑みを浮かべる博士を眺める私は眉が下がっていただろう。
気に入って貰えることは嬉しいが要求内容がかなり難しい。

「ゴーレムだけでないぞ。 博士自身にも興味はある。」

アデリーナ > 「おーけーおーけー、魔導剣ね。ああとも、この出会いを祝して最良の一品をご用意しよう。
 リアルタイムで使用者から魔力を供給する必要がある代わりに、使用者次第で出力がどこまでも向上できる高出力型と
 一定出力で固定だけど、非使用時に充填しておけば使い切るまでは魔力消費ほぼゼロの持久型……どっちにしようかなあ!」

誰でも使えて雑に殺せる魔導兵器、というポリシーからすれば、イレギュラーもイレギュラー。
そもそも近接兵装なんて、使用者の技量に依る時点で趣味から外れる。
遠距離から適当に起動するだけで射線上の敵が死ぬ、味方は無傷でハッピー! というのが好みのやり方だが。
だが! この親愛なる師団長に差し上げるなら、そのポリシーは多少くらい曲げてもよし。
むしろ新しい分野への挑戦にワクワクする。うまく行けば性能を抑えてゴーレムに配備してもいいし。

「ははは、政治やらに首突っ込んで消えた同僚を何人も知ってるからねえ。
 極論すればヒトの隠し事に要らん興味を出しすぎればそうなる、というのは実感も込み込みなのさ。
 いやいや、壊したら作り直しじゃん。モノが残ってりゃ問題を改善するだけで済むんだぜ?
 量産ラインに乗れば好きなだけ購入して好きなだけ壊していいから試作ゴーレムは壊さないでくれよ」

ははは、軍人はほんとに脳筋だなあ、なんて笑い声を上げれば、その声は遺跡に反響する。

「あン? 僕に興味? あー、僕は言っておくけど弱いぜ? 後ろのゴーレム居るだろ、
 僕が十人束になってもコイツ一体のほうがよっぽど強いよ?」

フォーコ > 「流石だな。 働き者の博士が居て良かった。
お礼代わりに私の能力を説明すると魔力の類は割といくらでも出てくるな。
但し、不浄な存在なので神聖な力は控えてもらえると助かる。」

博士がどれだけ奇天烈なモノを作ってくれるのか私は大いに興味が湧いた。
なので日頃は口にしない情報も伝えるとしよう。
かりにピーキーな品が出来上がったなら必死になってでも使いこなさねば。
そうだな、その時は戦果も伝えて今後の役に立ってもらえればさらに良い。

「ほう、博士は本当に賢いな。
確かにその辺の分別をわきまえずに消えた相手を何人も知っている。
壊すのが生きがいの我々に壊すなとはまた無理難題を言うなあ…。
簡単に壊されない様に作るのが博士の仕事だろう?」

高らかに笑う博士の姿に苦笑する。

「別に博士の戦闘力に期待はしていないが。
私が興味があるのはこちらのほうだ。」

子供のような表情を見せる博士だが、時折女の匂いも放っていて。
私は彼女の腰に手をやると、艶めかしく弄ろうと。

アデリーナ > 「神聖! あっはっは、僕は効率よく人殺し出来る道具の研究者だぜ。
 全く真逆だ、そういう心配は無用だから安心してくれ。
 しかし魔力量は底なしか……ンー、これは細心の注意を払わないとな。
 オーバーロードしてドカン、なんて爆発オチはサイテーだものな!」

けらけら、腹を抱えて笑う。
いやあ面白い。そういうタイプの存在が居るとは聞いたことがあるが、まさか味方でしかもこんな身近に居たとは。
今度から採算度外視のオモシロ兵器作ったら第五師団に押し付けよう、そうしよう。
王都から国境を砲撃できる魔導狙撃砲とか超面白くね? あ、でも照準が無理か。
いやでも使い魔とかあるらしいしそういう術者を観測手に回せばワンチャン……?
なんて、爆笑しながら脳内では次々とその魔力に依存する馬鹿兵器のアイデアが浮かんでは消える。

「そりゃね、簡単に壊されないように作るのは確かに僕らの仕事さ。
 だけどどうすりゃ壊れないか考えるための案山子を粉微塵にされたんじゃデータの取りようも無いんだなあこれが。
 うん、完成するまで第五師団には内緒にしよう。バレたら絶対粉砕されるもん。トップがコレなら確実に」

うんうんと頷き、第五師団との距離感を掴み始める。
つまるところ、制式採用を目指す未完成品は触らせず、ぶっ飛んだ趣味の産物は大いに押し付けるべき連中だな。

「ん? あー、そういう。
 自分で言うのも何だけどさ、僕は不摂生極まりないからあれだぜ、骨と皮だ。
 まだ雌のワイトやゾンビのほうがセクシーまであるぜ。それでも良いってんなら止めやしないけど」

腰を抱く手に、子供のサイズながら骨ばった手を重ねて苦笑い。
むしゃくしゃしてた分溜まってはいるが、それでも他人を興奮させられるような身体ではない自覚はある。
帰ったらしこたまオナって寝よう、と思っていたところに誘われ、苦笑に僅かな色気を滲ませる。

フォーコ > 「いやいや、神聖な力も魔族を狩るには都合が良い。
博士が抵抗なければ一度研究してみると良いだろう。
私個人に限れば爆発しても一向に構わんが。
ただ、そうなると使う場所を選ばねばなるまい。」

なかなかにぶっとんだ博士だ。
これは貰った物を試すときは周りに人が居ない場所に行かないと危なそうだ。
それだけに出来上がった時の威力にも期待はできそうだが。
後は時折彼女の創作意欲が湧く様な何かを探してくるとしよう。

「残骸からでもデータは取れるのではないか?
…どうやら博士は我が師団の警護を必要とされているように見える。」

秘匿すると言うのなら、漁ってでも見つけ出すとしよう。
私はともかくそう言った任務が得意なメンバーも居る。
さてさてどうなるか。 思わず頬が緩む。

「折角だし、お互いもっと深い所を知るべきだと思ってな。
博士もそういうことに興味はあるようだし、これでよりやる気になってくれれば
いいことづくめだ。」

ローブに包まれた身体は思った以上に華奢であった。
それでも女性らしい魅力は十分にある。
今宵はこの愛らしい博士と褥を重ねることにしよう。
私は好色な表情を浮かべては遺跡を後にした。

アデリーナ > 「そうは言うがねえ、僕ァ祈りとか神様とかそういうスピリチュアルなネタ、好きになれない性分なのさ。
 魔族だって首落とすなり胴体に風穴開けるなり出来ればまあ半分くらいは死ぬだろ?
 僕はその半分を殺せる道具を作れれば満足するのさ。神聖がどーとかは教会の坊主がやってくれってね。
 あぁまあ、うん、そうだね。ていうかアレだよ師団長、兵器使うならそもそも場所は選ぼうな?
 よしんば暴発しなくてもそれ、殺傷力ある凶器だって忘れちゃ駄目だぜ?」

変なところで倫理のタガがぶっ飛んだかとおもえば、急に理性が帰ってくる奇妙な物言い。
まあそれも、巻き込まれる人が心配というよりかは
潤沢な金が供給されて好き放題研究する上で自身の成果が必要以上に危険視されるのが嫌いなだけなのだが。

「残骸からでもそりゃ取れるけどねえ。作り直すの面倒だし。完品のほうが取れるデータも正確だし。
 あとから検証しやすいじゃん? 土塊よりかは傷ついたゴーレムのほうがさ。
 ――っておいおいやめてよね? 警護ってそんな、王都から出ることはめったにないし、出ても自前のゴーレム出すからさ
 ヤダよ僕、四六時中誰かがそばにいるの。落ち着いてオナれないじゃん。ストレス何処で発散すりゃいいのさ」

警護をつけるなんて冗談じゃない。
絶対落ち着かないし、変にモノ触られたら僕もろとも研究室が消し飛びかねない。
どうせ付けるなら僕と同等かそれ以上の魔導機械学のエキスパートを寄越してよね、もちろん第五師団からだぜ?
と無理難題を押し付けて最悪の事態を回避。

「深いところって……軍人は好色だなあ。
 しゃあない、僕もいらいらを派手に発散したかったんだ。
 誘ったからには気持ちよくしてくれよ?」

枝のように細い身体をしなやかな師団長の身に寄り添わせ、ゴーレムに適当に残骸の回収を命じて共に歩いてゆく。

ご案内:「◆無名遺跡(イベント開催中)」からフォーコさんが去りました。
ご案内:「◆無名遺跡(イベント開催中)」からアデリーナさんが去りました。