2018/10/19 のログ
ご案内:「◆無名遺跡(イベント開催中)」にフォーコさんが現れました。
フォーコ > 話題の機兵とやらを見に来たのだったが、どうやら先を越されたようだ。
この辺りにはおおよそ数時間前までは稼働していたであろう機械の残骸、そして魔力の残滓だ。

状況を作り出した本人は別の場所に向かっているのか、今の所私以外の気配はない。

「…惜しいな。 どちらも見逃してしまったとは。」

私は刀の柄に手を載せては息を吐く。
機会兵とやらが稼働する所もそれを相手取った剛の者も見ることが出来なかった。

縁が無かったと嘆いた所で私はせめて何らかの手がかりを得られればと、機械の残骸を手に取ることにした。

ご案内:「◆無名遺跡(イベント開催中)」にアデリーナさんが現れました。
アデリーナ > 「コレも駄目だ、肝心の部品が死んでる。
 あっちはどうだ? くそ、壊したのは素人かよ。考えなしにぶち抜きやがって……」

二体の屈強なゴーレムに護衛され、がらんごろんと魔導機兵の残骸を蹴っ飛ばしながら歩いてくる小柄な少女。
不機嫌そうに残骸をひっくり返して検分しては舌打ち。
何かを探している様子であれこれ漁ってはため息。
そんな様子で歩いてきて、次なる残骸に手を伸ばしたところで先客に気がついた。

「…………お。
 これ、あんたがやったの?」

寝不足気味の隈が刻まれ、血走った昏い緑の目で、上目遣いに女剣士を見上げる。
挨拶もなしに、いきなり本題に切り込んでいくのを欠片も失礼に思っていない様子で。

フォーコ > 遺跡の奥から女性の声が響く。
閉鎖空間で木霊する声と足音が次第に大きくなっていた。

声の主は余程機嫌が悪いのか、荒れた声色に舌を打つ音も混じっている。
何かの部品を探しているのだろう。 

私は腕らしきパーツを手にしたまま鼠色のコートに身を包んだ…女性らしき相手を眺めている。

「いや、私ではないが。 今しがた来たばかりでな。
誰がこれを壊したのか見逃して酷く残念だ。
君は別の理由で残念がっているようだが。
使えるパーツを集めてゴーレムでも作るつもりだったのかな?」

深い緑の双眸に目が合えば、私は首を傾げてみせた。
最近はこう棘をむき出しに来るものも珍しい。
そして、彼女がしていることにも興味が湧いた。

アデリーナ > 「あ、違うんだ、あっそう……文句言ってやろうと思ったのに」

怒りの矛先を向ける相手が彼女でないと分かって、不満げに唇を尖らせる。
人格に問題あり、自己中心的で社会性に難のある僕でも、八つ当たりしない程度の知性はあるのだ。褒めろよ。
手に持っていた腕をしゃかしゃかと振り、ロクなパーツが残っていないのを確認してポイと後ろに放り捨て、

「ああいや、魔導機兵をオリジナルの以上の……間違えた、
 オリジナルに匹敵する性能で量産できたら王国軍が喜ぶだろう?
 僕も神代の機械技術を解析できて嬉しい。ほら皆幸せだ。
 ってわけでわざわざ王都からこんなとこまで出向いたのに、誰だよこんな壊し方したアホは」

はぁぁぁぁー、と深い溜息。
引きこもりが珍しくやる気を出して来てみればこの有様だ。
こんなことなら研究室で新型魔導杖でも作ってればよかった。

「んぁ、僕はアデリーナ・ヴィクトロヴナ・クルシンスカヤ。
 こういう時は自己紹介するもの、なんだろ? 知らんけど。
 ところでこの辺で生きてる魔導機兵見なかった?」

フォーコ > 「残念だったな。」

私は不満げな彼女に笑みを浮かべるが、内心ほっとした。
もう少し早く到着し、私がこれらの魔道兵を壊しでもしていたら今頃怒りの矛先は私に向いていそうだ。
どうやらこの辺りのパーツは持ちかえっても意味はないようだ。
とは言いつつ、貧乏性なのか捨てきれずにいた。

「そうだな、私もここの機械兵達に興味があってやってきたのだがな。
そんなことが出来れば私も大喜びだ。
犯人を見つけたら文句の一つも言ってやると良い。」

盛大に溜息を吐く彼女を見やりつつ、手にしていた腕を転送する。

「おお、貴女がアデリーナ博士か。
私は第五師団のフォーコ・アッサルトと言う。
生憎私もこの辺りの残骸しかみていないな。
もっと奥に行けば生きている者もあるかも知れないな。
どうやらこれらを破壊した者は奥へと向かっているようだ。
急がないと全て破壊されるかもしれない。」

直接お会いしたことは無いが、名はよく聴いていた。
魔道兵器の権威として城でも引く手あまたの魔術師だ。
お供も連れずに外出とは恐れ入る。