2018/02/13 のログ
ご案内:「無名遺跡」にカインさんが現れました。
カイン > 「やれやれ、今はどのあたりやら。
 俺としたことが余計な色目何ぞ使うものじゃないな」

時折雨音が響く以外は己の発する音以外、シンと静まり返った遺跡の中。
ランタンを片手に少し濡れた金属音を響かせながらさ迷う影があった。
仕事で訪れた山中で不意に雨に見舞われ、追い詰めていた得物に逃げられたのが数刻前。
諦めて雨宿りにと見つけた遺跡の中に憂さ晴らしついでに足を踏み入れ、
ついに迷子になった時が付いたのが数分前である。
右を見ても左を見ても同じように見える通路に困った様子で足を止め。

「今日は最悪この中で過ごす事も考えにゃいかんよな、っと」

言いながら腰の剣を鞘ごと外すと地面の左半分を軽く小突く。
ガシャン、と金属音が響き渡ったかと思えば目の前で観音開きになる床、
そしてその奥に続く奈落に思わず顎に手を当て。

「…毎度思うんだがこういう場所に住んでた連中はどれだけ特殊な性癖してたんだろうな」

歩いてるだけで落下の危険のある家。自分であれば死んでも願い下げな物件である。

カイン > 「ひょっとしたら誰かが後付したのかもしれんが、
 明らかに趣味に走ったトラップも大量に見かけるしなあ」

くわばらくわばら、と口に出してここにたどり着くまでに出くわしたラストイーターやら、
触手やらのモンスター群を思い出して肩を竦める。
見るからにむさ苦しいこの男が引っ掛かるのなら苦行にしか見えないが、
見目麗しい女性が引っ掛かるのであれば傍目にはさぞ都合のいい代物だろう。
仕掛け人の趣味が知れるという物だ、大多数の罠が命の危険というよりは捕縛を目的にしていそうなのがなお質が悪い、
と恐らくどこか落ちてしまえば捉えられるのだろう落とし穴の先を見やり。

「朝になればもう少しましに動けるとは思うんだが、っと」

種さえ割れてしまえば怖い罠などこの遺跡には早々ない。
ひょいと小器用に落とし穴を避けて

カイン > 「仕方ない、一気に戻るのは諦めるか。
 一歩一歩進んでいくしかないな…ダンジョン探索は今度から一人でやるのは諦めるか」

自分には向いてるとはあまり思えない。
首を鳴らして文句を漏らしながらに、
実に面倒くさい創りのダンジョンにげんなりとしながら、
その場を後にしていくことになるのだった。

ご案内:「無名遺跡」からカインさんが去りました。