2018/02/05 のログ
■ユエル > ひあっ・・・!?
(悲鳴こそあげなかったけれど、その驚きからか目を見開き、驚きから声を漏らし、そのまま腰を抜かしたように後方へ転んでしまった。
突然、薄暗い遺跡の先。曲がり角を曲がった先にその暗闇を照らすように輝く紅い双眸を見たのだから、驚くのも無理ないか。
しかしながら、落ち着いて観察してみれば相手は幼き子供。見目麗しい天使のような少女。 ・・・けれど、こんな遺跡の奥深く。こんな幼い子どもがいる、ということには違和感も覚える。 不安で押しつぶされそうな自分とは異なり、まるでここの主か何かのように堂々と立ち振る舞う彼女。 直感が告げる。 ――この子、只者じゃない、と。)
あな、たは・・・?
(尻餅をついたまま、見上げるようにしてその幼い少女に問いをかけよう。相手は幼い少女の外見だというのにどこか不安そうに、そちらを見上げるその姿はどこか滑稽にすら見えるか。)
■イヴリィ > 「名を尋ねる前に名を名乗りなさい。それが礼儀と言うものでしょう?」
くるり、と大仰に回ってから笑う様は微笑ましくも見えるが恐ろしくも見え。
童女のような形をしているだけのナニカにしか見えないソレは笑う。嗤う。哂う。
「ええ、いいわ。不躾にも私の睡眠を邪魔したのはあなただけれど。
許すわ、赦すわ、釈すわ。私は寛容に寛大に許してあげる。
けれど、問うわ。あなたはなんでこんな所にいるのかしら?
それも……不埒者を連れて?」
少女の形をしたナニカの持つ赤い真紅の眼差しは、尻もちをついた少女の後ろにいっており。
そこには撒いたはずの獣じみた異形。
血走った眼に、むき出した牙。
そこから滴り落ちるのは飢えた獣に相応しき涎汁。
捕まれば最後、臓物一つ残さず喰らい尽くされるであろう獣がいた。
■ユエル > ごめん、なさい・・・。あの、名前・・・名前、はユエル。ユエルって、言います・・・。
(彼女には童女の外観でありながら、人を従わせるだけの迫力、威圧感。そういうものがあるように感じられた。少女が頭を垂れて、謝罪の言葉を口にしたのはそのためだろう。 ・・・最も、少女が気弱な性格である、というのも重なっているだろうけれど。)
私。私は・・・その、錬金術に使う材料を、採りに・・・。 ふらち、もの・・・?
(ここにいる目的については隠すこと無く正直に伝えよう。別に隠すべきことなんて何一つないのだから。 ・・・こんな奥地にこそ追い込まれてしまったけれど、ここを訪れた理由と言えばただ1つなのだから。
そして・・・彼女に不埒者、と呼ばれた魔物が近づいてくればその言葉に従ってゆっくりとした動作でギギギ、と後ろを振り返るだろう。 そして、その視線の先にいたのは・・・例の魔物。血走った目に、発達した筋肉。だらりと垂れた涎と舌。どうあがいても話し合いなんてできる相手ではなく、こちらを喰らおうという意思が強く感じられて。)
いや・・・いや・・・っ!!こな、いで・・・ッ!
(せめてもの抵抗として持ち込んだ魔女の杖。それの先端を牽制でもするようにかの獣に向けるけれど・・・どれほどの意味があるだろうか。)
■イヴリィ > 「ええ、ええ……そうね。名乗ったのなら教えてあげるわ」
かつん、と硬質な音をあげ、少女の前に出れば異形と相対し。
異形の獣は、前に出た少女に飛びかかるが、それが虚空で縛り上げられ。
よくよく見やれば影がそれに絡みつき束縛をしている。
「私はイヴリィ。イヴリィ=スゥ」
くるり、と傘を回してから少女と向き直ると同時。
影に縛られていた獣が拘束を強められ、引きちぎられ、赤い血の雨と化して遺跡を濡らす。
びちびち、と言う重々しくえげつない音をあげ、床や壁、天井に赤い色を塗りたくる。
けれど、それを遮るように傘があり、それが童女と少女へ血しぶきが弾けるのを防ぐ。
「……で、不埒者は掃除してあげたけれど。
何を必要としていたのかしら?」
凄惨な光景を繰り広げた後とは思えないほどに、あどけない顔で首をかしげる。
■ユエル > いゔ、りぃ・・・。
(少女の名を反芻する。自分を守るようにして立ちふさがる少女の姿をただ見守って。 ・・・平時であれば、危ない、と下がらせるだろう。けれど・・・不思議と彼女ならば大丈夫だ、という気になった。彼女なら、あんな魔物に倒されるような存在ではない、と。不思議と・・・確信じみた直感があった。)
あなた・・・いったい・・・。
(直感こそあったけれど、いともたやすくかの魔物を撃退した彼女を見つめる。ただの子供ではない。なにか・・・高次の存在だ、と直感する何かがあった。)
必要なもの・・・探していたもの、は・・・。
(少女が告げた捜し物。それはとある鉱石であるとか、とある約束であるとか、とある魔物を構成する物質であるとか。それはいくつかの種類があったけれど、それはどれもこんな奥地まで入り込んでまで探すものではなく。もっと浅い階層で探すようなものであるだろう。 けれど・・・紛れもなく、少女が探していたのはそれである。彼女がこの遺跡について熟知しているならば・・・少々違和感を覚えるだろうか)
■イヴリィ > 「ええ、イヴリィ。イヴとでも呼べばいいわ?」
くるり、くるり、と傘を回したまま、ちろり、と頬についた血を舐めてから。
まっず、と小さく呟き吐き捨てて。
一体何かと問われたら首を傾げて笑い。
「私が何か? 私が何かを気にする意味があるのかしら。
私は私に過ぎなくて、あなたはあなたにしか過ぎない。
それを問いかけた所であなたの何かが変わるわけでもなし。
それを応えたところでわたしの何かが変わるわけでもなし。
例え、私が人でなしであったとしても、あなたが今ここにいて私に助けられたと言う事実しかないのよ。
それとも、私が只人であることがお望みだったかしら?」
笑ったまま、笑ったまま、笑ったまま。
告げる童女の姿としたバケモノは、赤い瞳を細めて哂う。
「あら。あら……そんなもの、こんな奥深くにはないのに。
何故こんなところにまで潜り込んでしまったのかしら?
じゃなければ、こんなバケモノ、カイブツとも出会わなかったのに。
それとも出会って、出逢って、出合って、出遭って。
嬲られたかったのかしら? それがお望みのならば、存分に嬲ってあげるのだけれど」
■ユエル > (彼女が歌うように告げる言葉から感じるのは明らかに外見と精神年齢との差異。その歌うように話す声は童女のもの。けれど、その内容は明らかに童女の話すような内容ではなく、いくらか年を取った人外のそれを感じさせる。)
そう・・・ですね。助けてくれて、ありが、とう・・・。
(自らの両手を重ねて、祈るように貴女に礼を。彼女に出会って、助けられたのは事実。貴女に、感謝を。貴女に出会えた偶然に、助けてくれた気まぐれに、感謝を。)
ちがっ・・・!こんな、ところまで来るつもりはなかった・・・の。ただ、さっきの子に、追われて・・・!
(だから、入り口からこんな所にまで追い立てられてしまったのだ、と。だから、だから、決して・・・嬲られることを、望んでなんて、いないのだから・・・!)
■イヴリィ > 「あら。あら。」
くすり、くすり、と笑いながら一歩踏みしめ、かつん、と響き。
唇を濡らすように舌なめずりを一つして。
かつん、ともう一歩踏みしめながら、尻餅をついたままの少女を見下ろす真紅二つ。
「ええ、ええ。けれど感謝する必要はないわ?
だって、あれは私にとって邪魔だったから排除しただけだもの。
決してあなたを助けようと思ったわけではないのだから。
けれど、そうね、あなたが助けて貰ったと思っているのならば貸し一つ?」
くすり、くすり、と笑いながら。
あら、あら、と首を数度傾げてから見下ろして。
「けれど、"あの子"はそんな浅い所にいるカイブツではなくてよ。
それがどういうことか分かるかしら?」
くすり、と笑いながらそっと身を屈め、赤い鬼灯のような瞳で見つめ。
首を傾げてから、くすり、とまた笑い。嗤い。嘲笑い。
■ユエル > (――かつん。と遺跡の床を踏み鳴らすその足音はまるで罪人を糾弾する鐘の音のように、高く、高く響き渡る。 その音を少女の耳に届けばびくっ!と身体を縮こませて判決を待つ罪人のように。おそるおそると彼女の様子を窺うようにちらりと視線を送るけれど。)
それでも・・・お礼を言わせて。ありが、とう・・・。
(それでも、彼女に助けてもらったのは事実だから。これは自己満足。自己満足だとしても、貴女に、感謝を・・・。
貸し1つ。 ・・・私にできることは少ないけれど、叶えられることなら1つ。お礼にしてあげても、いい、けれど。)
・・・嘘。だって、私、入り口、で・・・。
(確かに、少し奥まった所に入ってしまった。入ってしまったけれど、それでも浅い所だったはず。浅い所で・・・あの魔物と出会った。これは事実である。 嘘なんて、言っていない・・・!
そうして、この遺跡の奥地にて、少女が彼女に糾弾を受け続けるのだろう。少女が無事に街に、家に戻れたのかは・・・さて。本人のみ知るだろう。)
ご案内:「無名遺跡」からユエルさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」からイヴリィさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にアルマさんが現れました。
■アルマ > 無名遺跡――九頭龍山脈の麓、その地下に位置する未開のダンジョン。
その中層、廃墟のような建造物が立ち並ぶ遺跡群の中を1人闊歩していく人影がある。
黒を基調とした戦闘用の軽装を纏い、体の周囲を巡る光球を松明代わりとして、荒れ果てた石畳の痕跡を物ともせず、軽やかに階層を潜っていく。
「ふふっ……久しぶりな感じがするわね、これ」
食料品や必要な装備を魔法空間に保存し、手荷物は戦闘用の衣装と籠手、脚甲のみを身に着けた状態での高速ダンジョンアタック。
普通の冒険者ではただの自殺行為に等しいそれは遺跡に“居住”していたこともある彼女にとってはどことなく懐かしさを覚える行いで。
地面から露出した岩場を跳ねるように移動すれば不思議と口端からは笑みが溢れる。
ご案内:「無名遺跡」にエスタさんが現れました。
■エスタ > 森の生活に必要な薬草や果実を調達しているうちにいつのまにか遺跡まで来てしまった。転移の失敗による迷子である。
「どこでしょうか、ここは……」
芸人だと分かるなんちゃって魔女姿でのしのしとその蜘蛛のような巨大な歩幅で歩くこと少し、人影の姿を見る。
「あの、すいません」
とりあえず声をかけてみることとした。歌を商売にしているだけあって、それなりには通る声である。
■アルマ > 冒険者だった両親を真似するかのように自らも同じ道を進みはや数十年。
何度も痛い目にも酷い目にも合わされたし死に掛けることもあった。
ただそれでも、どんな体になってからもこの空間、存在が持つ魅力に囚われ抗うことは出来なかった。
「本当、遺跡中毒者ねこれじゃぁ。定期的にこの空気を吸わないと死ぬ、ってものでもないのに」
いつまでも遺跡離れ出来ない自らを皮肉的に笑うと、トン、と大きく跳躍して目の前の建造物群の中、一番高い屋根の上へと登って。
■エスタ > 「あの、すいません…」
どうやら聞こえなかったのかもしれない。そう考え人影の行く先を見てその巨体でゆっくりゆっくりと先回りして。
「では、一曲」
「魔歌」の力で妙に耳に残るどこか郷愁を感じさせるバラードを歌う。
「錬金」でシタールのような弦楽器を作り出し座って弾く。
「巨人の勇者、二つの斧を持ちてその目、その髪、炎のごとく……」
聞けば古い冒険者の冒険譚だとわかるだろう。
■アルマ > 虚空に手を突っ込み空間から水筒を引き出し、そのまま屋根の上で一休憩を行おうとした時だった。
不自然な程に通る声と楽器の音が耳に入った。
「この曲は……?」
音楽の発生源を探し屋根から周囲がを見渡せばちょうど自らが進むつもりだった方向、その先に大きなシルエットが楽器と思しき物を演奏しているのが目に付いた。
「見たことないわね……魔物、いや魔族の類かしら?」
並の人間の2倍はある高さに演奏に合わせてゆらゆら揺れる三角帽とマント。
遠目から見ればそれは不審な存在以外の何者でもなく、女は構えを取るとその影の5m程離れた位置に着地して。
■エスタ > 「ああ、お待ちしておりました。冒険者の方」
囁くような甘い声。シタールを弾く手を止めて
「あの、私のようなものが、何をと、お思いでしょうが、怪しいものでは、ありません。あなたに剣をむけることも、できない、ただ大きいだけの吟遊詩人、ただの端女で、ございます」
刺激しないようにゆっくり立ち上がり芸人らしい優雅な一礼をする。
それは主に遊女などが貴人にするへりくだった礼のやり方である。
「あの、ところで、ここはどこでしょうか?道に、迷ってしまって…‥‥」
少し困ったように長く白い小首をかしげて。
■アルマ > 脳へ直接響くような声に妙に手慣れた恭しい挨拶。
それは魔族が時折行う相手を小馬鹿にするために敢えて下手に出る、といった類のものではなく、敵意や悪寒を持たせない為の物であるのは女にも感じ取る事が出来た。
しかし、それを踏まえてもやはり目の前の詩人とやらの恰好や立ち振る舞いには圧倒されるものがあった。
おそらく手足が極端に細長いのであろう、全身を緩やかに包むローブが四肢の動作に合わせて大きくはためく姿に思わず視線が釣られてしまう。
「ここ、ここね…山脈の入り口から入った遺跡の中層部よ。複数の遺跡から通じる場所でちょうど広場みたいになってるのよ。さながら遺跡で迷ううちに偶然ここに辿り着いた、って感じかしら?」
相変わらず距離は保ったまま困ったような目の前の人物へ返答を返してみせる。
■エスタ > やはり不信感は急にはぬぐえないかと若干諦めつつ、逃走も視野に入れて、極力刺激しないように話す。
「遺跡…ですか。たしかに、廃墟、ですね…不思議な気配も、します。
ええ、ええ!(まさにそのとおり!というように必死にうなずく)
森に薬草を取りに行ったら、迷い込みました。私は、転移の術が、つかえるのですが、まだ、未熟で……知らぬところに出てしまい、困っていたのです」
とりあえずこっちの言い分を言うだけいってみようと思う。
それで切りかかられるなら仕方ない。
「冒険者様、厚かましいお願いをしても、よろしいでしょうか?
わたしは、どこかちかくで待っています。
もし、冒険者様が、都にお帰りの、ときは、ご一緒しても、かまいませんか?お礼は……わずかなお金か、日用品か、歌か……そのくらいしか、ありませんが……」
深々と頭を下げて頼んでみる。できれば冒険を一緒にしたいとも思うが、信頼を得ていないうえ、初心者の自分が行っても足手まといだろうと考え直す。
「どうか、お願いいたします。申し遅れました。私はエスタ。
王都の近くのジャハンナムの森で暮らしております……」