2017/06/29 のログ
■ルーフェン > 「めっけもんじゃな、いやあ良かった良かった」
彼女の返事が聞こえる
約束通り、彼女を蜘蛛の糸から救い出し、地上に降り立てば彼女と同じように、生物の焼け焦げたような匂いに、
うぐっ、と顔をしかめた…雷を使うのではなかったか、と言っても地下では雲を呼び、暴風を呼び、霰を降らす…
というわけにもいかず、一気に殲滅するには他に手はなかったように思う…ほとほと、地下とは相性が悪い
「ん…?味はまあまあ…というか、勇者は止めよ
ルーフェンという名がある…だいたい、こんな貧相な姿の勇者がいるものかよ…」
もっと綺羅びやかな装備に身を堅め、振るう武器は名剣、魔剣に由緒正しい血筋…それが勇者というものだろう
遠慮なく自分の溜め込んだ宝やら宝石を奪っていくのも、またその類の人種なのだが…
ぐい、と彼女が抱きついてくれば、ひらり、と落ちる衣服の成れの果て…えい、と力強く抱きしめてくる彼女を押しやり、
「……感謝に抱きついてくる気持ちは判るが、何か身につけよ
最近の娘は誰も彼も、慎みが足りんわ…全く…」
ぶつくさぶつくさ、と呟きながら自分の身にまとったフードの付いたマントを脱ぐとひょい、と彼女の方へ放れば、
首の辺りを左右に振り、ぱきぱき、と鳴らして身体を解す…未だ、求める宝を手に入れることはできていない
■オルセィユ > 「めっけもん…バナナ?うん、よかった。」
一緒になって声を揃えて。手足の先から肘膝へとビリビリと痺れた感覚が今になってやって来たが、あんまり今更過ぎるので気にしないことにして。ショック性の無感覚というやつか。
「ミスタールーフェン。ありがとう!うーんでも、体は貧相でも運で勇者様になれると思う」
勇者論を聞いたでもないものの、首を傾げて自分なりに考えてみて。キラキラした姿形の勇者というのは財力にものを言わせていると思った。
力比べをしたわけではなかったが、反抗する力は心地よいものと受け取ってますます、にやにやとする。服を投げられたと知ると驚いて口を開けて見たが、頬を感激と嬉しみに染めて受け取っておいた。
「なにからなにまでありがとう。あれっ、そろそろ行ってしまうの?じゃあ、私も行くね。さようなら、また会う日まで。そうだ今度は貰った物のお礼をするよ。バナナがいいかな?」
行こうとする男の背を見守っていたが、するすると貰った服を着ると手を振ってその場所を後に。外の方向を探して行き。
ご案内:「無名遺跡」からオルセィユさんが去りました。
■ルーフェン > 「服はボロボロになったが生きとるじゃろ?」
めっけもんじゃないか、と続ければかかっと笑う
彼女の言う、運でも勇者になれると思うと聞けば、それには懐疑的なのか、そうか?と首を傾げた
まあ、彼女の言うとおり、誰かがそう呼べば勇者なような気がしないでもない…その程度の称号だと思うと、
自分の中で何だか急に、勇者という称号が輝きを失っていく気がした
「その格好で地上に戻るわけにもいかんじゃろ…
遺跡に潜る人間なんてわし意外にもいるだろうしな…なに、構わんよ…助けたついでじゃ、くれてやる」
バナナが良いかな?と問われれば、もっと美味いものがよい、と念を押して、さらに深層へ宝を求めて歩き出す
「道々、気をつけて行くが良い…魔物がいなそうな道を行けよ?」
背を向けて歩き出せばふりふり、と手を振り、ひょいひょい、と魔物の死骸を避けながら進んでいく
さらに下の層へ降りる道まで辿り着けば、一度振り返り、彼女の背中をちらりと見やれば、真っ暗な暗闇の中へ進んでいく
「―――マント分、赤字じゃ!」
ハッ、としてそんな事を呟けば絶対に金目の物を拾って帰る、と決意を新たにするのだった
ご案内:「無名遺跡」からルーフェンさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にタマモさんが現れました。
■タマモ > 気が付けば、また同じ場所へと戻っていた。
滝のように流れる水が広がる湖と、上を見上げれば開けた天井…だが、かなり深いのか暗闇しか見えない。
湖の周りには植物が生い茂り、ところどころに何か抜いた跡。
「む…思ったよりも、深刻やもしれんのぅ…」
いい加減、さすがに自分の異変は自覚出来ていた。
ところどころ、記憶が抜け落ちている。
まぁ、物忘れならば…いや、それはそれで困るが、その程度のもならば良いかと放置するのだが…それも限度はあるだろう。
とはいえ、今のところはそれで不自由はない。
…と言うよりも、そもそもこの遺跡を彷徨い続けているのだから、不自由も何もないのだ。
そうは言っても、やはり、いつまでもこのままでも、あれだ。
と、そう思考するのも長くは続かない、また、少女の意識は別の方へと向いてしまう。
■タマモ > 出口を求め、彷徨う。
そして、またこの場所へと戻ってくる。
何度繰り返しているのか、少女自身は分かっていない。
この繰り返しに変化があるとすれば、彷徨う途中で出会う者達だろう。
人であったり、魔族であったり、魔物であったり、様々だ。
そして、その者達が辿る運命も…また、様々なものであった。
しばらく、その場所に留まっているも…また、思考は出口へ向かう事へと傾いていく。
くるりと踵を返せば、再び遺跡の中を歩き始めた。