2017/06/26 のログ
ご案内:「無名遺跡」からタマモさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にヤヅチさんが現れました。
■ヤヅチ > マグメールと港都市を繋ぐ街道の中間点 ゾス村
鬼は酒と女と、金に見合う場所を求めて転々と移動をするほうだった。
身に合った仕事、やりたい事だけをやればいい。鬼っていうのはそういうものだ。
そんな中、厄介事も多々あるゾス村で酒を飲んでいると舞い込んできたのは瀕死の野郎。
最近魔導機械やここら一帯には似合いな輩が増えたらしい無名遺跡の勢いが増しているという。
鬼は想ったのは
「面白そうじゃないか。」
それ一点のみに尽きたのさ。
「ウォラァッ!」
力一杯にブン殴る。鬼は肉体のみで物事をこなしていく。
魔導機械が壁にぶち当たり、四散するのを見ることもなく先へ進める姿。
魔導機械含め、金になるものでもあれば酒代にはなるだろう。
触手で捕まってる女でもいれば、儲けものだ。
鬼にとって無名遺跡と言う場所は、仕事の合間で来るような場所でもあった。
「何が原因でこうなってるんだか……サンドバックとモジャモジャ以外にいないのかねぇ。」
グビリと腰に下げていた酒精を飲みつつ太い手の甲で口元を拭う。
明かりがあろうがなかろうが、鬼の中ではそこはくっきりと見えているも同然。
さぁ、なにか楽しめることは起こるのか。
■ヤヅチ > ゾス村まで良くたどり着いたもんだと感心した野郎はとっくにくたばった。
何か“落とし物”でも聞ければ、ちったぁやりがいも出たろうに惜しいことをしたもんだ。
適当にうろつく中で、やれ最近までの形跡はやはり至る所にある。
触手の中でとっくに頭が焼き切れたように死んでいる新鮮な死体もそれだ。
「おじゃまするよっと!」
触手が絡みついてきては、毒を打ち込もうとするもの、肌から粘液で絡みつき快楽で仕留めようとするもの様々。
だが鬼に毒を効かせたいなら足りない。
鬼の体を穿つのも足りない。
「無駄だっての、さ!」
男が聞いたら股間を竦めそうな千切れる音が響く。
ポイと放り捨てながらに片腕で持ち上げた死体を見る限り、連れかどうかは知らないが大したものもなければ、標もなさそうだった。
「男も死体も用無しだからね。悪いな兄さん。」
ペイと用無しを放り投げるのなら、適当な順路を身一つ+酒で出歩く巨躯の鬼。
機械・触手・エロいことに特化した魔物。
鬼の前に出てくるなら、四散か真っ赤な泡を吹くかしかない。
「生きてる奴はいないのかね?」
酒の肴になりそうな相手でもいいっていうのに、退屈なもんだと酒を煽りつつ、ノシノシと進む。
踏破も争いも、遺跡の中ではよぅく聞こえることだろう。
それに救いも嘆きも聞こえないようじゃあ、とっくに面白いことはやりつくしているのかもしれない。
■ヤヅチ > 幾つめかを砕く感触。
鬼の鈍らな眼でもはっきりわかるような値打ちがいくつかみつかった。
谷間に納めつつも、ぐるりと回った感覚だけが残ると鬼も飽きが来る。
それこそ、口にする酒が空になりかけていればなおさらに。
「終い時かね」
両手を包むようにしては バキリ と拳を鳴らす仕草。
飽きという時間と、物足りないと満たされぬ情。
適当に女と酒を買って終わりにしよう。
ここから港までのんびりいくか、マグメールにもどるかはさておいて。
でかい体つきのいい、タフな女を見繕わなきゃ、きっと耐え切れないだろうさと独りごち。
ご案内:「無名遺跡」からヤヅチさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にカインさんが現れました。
■カイン > 午前と午後とが入れ替わり、様々な物の動きが活発になる時間帯。
遺跡の入り口に、男の姿があった。本来大して遺跡には用事のない男ではあるのだが、
追い立てられるように入り口付近で身を隠しているのには当然ワケがある。
それが自分の目の前で土砂降りに降り注ぐ大雨だった。
「ったく、これだから山の天気って奴は…!」
つい先ほどまで雲はあれど遥か高い場所にあったかと思えば、
コロっと天候が切り替わり追い立てられるようやってきたのがこの遺跡だった。
雨から逃れる様に身を隠しながら濡れた外套を絞って水けを払いつつ、
やむ気配の無い天気を見上げ。
ご案内:「無名遺跡」にノアさんが現れました。
■ノア > 「 きもっ.. !! 来ないでぇぇぇー 」
貴方が雨宿りに選んだ遺跡の奥から響く.. 何とも情けない悲鳴。雨音に混じる其の声に気付き、 耳を澄ましたなら.....
「 無理無理無理無理、 ほんと無理っ 」
そんな声が、 貴方の耳に届くだろう。声の主が居るのは、 其処から更に奥。遺跡に眠る魔法石を目当てにやってきた女は、 想定以上の成果を得て、 遺跡を出ようと引き返していたところだった.. が
「 もっ..... しつこいー 」
其の帰り、 触手のように蠢く蔦に捕らわれてしまい。壁際に張り付けられた状態でナイフを振り、 身体に巻き付く蔦を必死で払うも..... 痛がる様子もない、 そもそも表情なんて読み取れない相手に悪戦苦闘していた。
■カイン > 「――うん?」
何とか身支度を整えていた所に聞こえてきたのは女性の悲鳴。
何が起きたのかと訝し気に、近くの岩に外套を引っ掻けて奥の方へと歩き始めると、
どこかで見た女性が奇妙な怪物に捕らわれているのが見えた。
何とも言えない微妙な光景に、後ろからそっと無造作に近き。
「随分と楽しそうな事をしてるな、っと!」
言いがてら剣を振るって女から蔦を強引に切り払う。
と、直後に手をかざせばどこからともなく現れた炎が蔦の先端に燃え移った。
流石に応えたのか潮が引くようにざっと逃げていくソレを傍目に見ながら相手に向き直り。
「よう、また会ったな?」
■ノア > 「 .........っ、 嘘.. 」
何とか自由に動かす事が出来ていた右手も捕らわれてしまえば、 ぴたり と遺跡の壁に張り付けの刑。このまま死ぬまでこうして張り付けられ、 其の身が骨だけになる頃には遺跡の壁と同化してしまうのだろうか.. 等と、 恐ろしい人生の結末を想像していた ── 其の時
「 ───── ?! 」
何者かの声が聞こえ、 声のする方へ視線を向けるより先に.. ぎちぎち と女に巻き付いていた蔦は切り裂かれ、 解放された女の身体が前方へ倒れ込むと 其の背後で炎に焼かれ撃退されていた。両手も両膝も地に付いたまま、 再会を匂わす言葉に顔を上げると
「 .........ぁ、 」
あの時の、 確か名前は.. カイン、 と言ったっけ。見上げた先に立っていた貴方の姿を見るなり、 ぶぁ と目にいっぱいの涙を溜めて
「 剣なんて 振り回して..... 危ないじゃない、 あたしごと切れちゃったら どーすんのよっ.. ! まぁ、 その... 何てゆー か、 ありがと。」
命の恩人に対して、 まずは思いっきりのクレーム。余程怖かったのか、 生意気に貴方を睨む目元も涙目の為.. 残念なくらい迫力は無い。つん と尖らせた唇は、 肝心な礼を小声で付け足した。よろめきながら立ち上がると、 膝や手のひらを ぱんぱん と払って
■カイン > 「そりゃ運が悪かったと諦めてくれ。こいつらの養分になるよりはマシだろう?」
余程運が悪くなければ死にはしない、と飄々と言い放つ様は中々に堂に入った悪党っぷりである。
クレームの後に杖加えられた例にどういたしましてと返しながらも、喉を鳴らし。
「なんだああいうのに好かれるのかい。わざわざこんな所までやってくるのもご苦労様、ってもんだが」
相手の目的が良く分らないだけに何とも言えないのだが、
剣を収めながら周囲を改めて見回す。特に怪しげな気配がない事を確認してから改めて相手に向き直り。
■ノア > 「 まぁ.. そう、 だけど。」
こんな場所で、 こんな状態で、 人に.. まして顔見知りに逢えたのだから。女にとって其れはこれ以上ないくらい幸運な事だけれど..... 情けない所を見られてしまった恥ずかしさからか、 怖くて泣き出しそうだったのを誤魔化す為か、 喉を鳴らす貴方に対し 相変わらず素っ気ない反応を返して
「 どーせならイイ男に好かれたいものだけど、 "あんなの" に言い寄られちゃっても ね......... ぁ、 魔法石っ.. !! 」
女は何かを思い出し 慌てて足下を見渡すと、 数メートル先に落ちた大きな革袋に駆け寄って.. ごそごそ と中身を確認すると、 特に減っている様子もなく。気が抜けたように深く長い安堵の吐息を溢しつつつ、 革袋の中から一つ 透明な魔法石を取り出して見せ
「 コレが欲しくて来たの、 浄化の効果があるんだって。」
此処へ来た目的を話しながら、 大きな革袋を持ち上げるが.. 欲張って詰め込み過ぎたせいで、 やたらと重い。あんな蔦に捕らわれてしまったのも、 恐らくはこの重過ぎる荷物が原因だったのだろう。ずるずる、 よたよた と.. 袋を手に、 貴方の元へ
■カイン > 「ま、こんな所じゃロクに口説いてくる奴もいないだろうからな。仕方がないんじゃないか?」
軽口交じりに告げ返しながらも、荷物を抱えて近づいてくる相手にこちらも近づいていけば
興味を惹かれた様子で件の荷物に視線を向ける。
自分自身が見た覚えのないそれにはて、と声を上げながら顎に手を当て。
「そりゃあ流石に欲張り過ぎってもんだろう、身動き取れない所まで持ってどうするんだ一体…とりあえず入り口まで戻るぞ」
喉を鳴らしながら相手の荷物をそのまま片手で奪い、軽々と抱えてのけようと手が伸びる。
首尾よく行けばそのままスタスタと言葉の通り入口の方へと向かい歩き始める。とはいえ、外は雨模様なのは相変わらずだが。
■ノア > 蔦に締め付けられた箇所は、 未だ うっすらと赤くなっていて。重い重い革袋を持ち歩み寄ると、 袋を覗き込んだ貴方からの的確な指摘には
「 .........っ、 だっ て.. いっぱいあれば、 効力も増すかな... って。」
はは.. と、 何とも単純な理由を返し苦笑いするしかなかった。とにかく きゅ、 と革袋の口を結び。気合いを入れて持ち上げようとした、 其の時.. 伸びてきた手に、 其れも片手に、 あっさりと革袋が持ち上げられ
「 ぇ..... 持ってくれるの ? 」
異性だし、 長身だし、 女よりは腕力もあるだろうと見た目にもわかるけれど.. 想像以上の逞しさに、 琥珀色の瞳を輝かせ。「 すごーい♡ たくましー♡ 」等と、 あざとい声援を口にしつつ 共に遺跡の入口へと歩き出した。其の後は入口に繋いだ馬にバトンタッチして貰い、 このまま順調に行けば今日中にも王都へ戻れるかもしれない.. そう考えていた女だった、 が ───
「 う ま......... 馬っ.. ?! 」
馬、 逃走。其処には虚しく千切れたロープのみが残されていて、 更に..
「 雨、 だし... 帰れないじゃん。」
天候は最悪、 着替えやら食糧やら、 かさばる物は全て馬に背負わせていた為..... 本日二度目の絶望に、 へにゃり と項垂れた。
■カイン > 「そりゃその分金にはなるだろうが、持って帰れないんじゃ話にならんだろ。
限界の見極めってのは大事だろ?」
何をやってるのだかと少しあきれたように言い返しつつも、程なくたどり着く入り口。
荷物を置いてから入り口に視線を向けた所で、隣から上がる絶望的な声に思わず喉を鳴らす。
場所が場所だけに馬の探索は難しいだろうが、雨さえ上がれば帰れはするだろうとは思いながらもふと悪戯めいたことを思いつき。
「そりゃご愁傷様……さて、帰るまでの護衛が必要なら今ちょうど手の空いてる人間が居るんだがね?雇ってみる気はないかい?」
うなだれた相手に意地悪く問いかけた。
■ノア > あの日、 王都で出逢った夜.. あの時は貴方が迷子で 女が案内役だったのもあってか、 随分と余裕な表情ばかり見せていたけれど
「 ...............うん、 」
思わぬ形での再会は、 あまりに余裕が無く。的確な指摘や助言にも、 しっかり返答出来ずにいた。先程まで調子良く声援を掛けていた唇も今では力無く半開き、 降り注ぐ雨を 遠い目で眺めていた。すると
「 .....ん、 護衛.. 」
斜め上を見上げれば、 確かに其処には頼れる人物の姿。しかし其の顔は、 何処か意地悪くも見え..... むぅ と数秒唇尖らせてから、 雨と貴方へ交互に視線を動かして..
「 お願いします。」
サバイバルの心得も大して無い女は、 結局目の前に差し出された救いの手に.. ぺこり、頭を下げたのだった。
■カイン > 存外あっさりと乗った相手の言葉と、しおらしい様子はそれはそれで興味深いと見えた様子でクックと喉を鳴らす。
口ごもって少し考えた後にしっかりと意思表示したことは評価してる様子で軽く頷き。
「ハッハッハ、素直でよろしい――けど、当然傭兵を雇うんだからタダって訳にはいかないぜ?支払いはどうする?」
そのまますっと相手の肩に手を伸ばせば己の方へと引き寄せて、顔を覗き込みながら耳元で囁きかける。
悪戯めいた様子で相手の反応を確かめながら背中をそっと撫でつける。
男の濡れた手は冷たいまま相手の柔肌に冷気を伝え。
■ノア > 静かに喉を鳴らす笑い方は、 やっぱり何処か意地悪く見える。便利屋として、 前回 此方が宣伝をしておいたつもりだったのに... まさか自分が先に貴方を雇う事になるとは、 思ってもいなかった。ほんの少し不服そうに頭を上げると、 ぐ.. と身体を引き寄せられ
「 それ は..... 勿論王都に戻ってから、 ちゃんと支払 ─── ん、 冷たい ってば.. 」
耳に掛かる吐息や、 直接肌を撫でる手に、 ふるっ.. と肩を竦めつつ。報酬は後払いで、 王都に戻った後ゴルドで支払うつもりだと 途切れ途切れ答えた。
■カイン > 「ご覧の通り雨にフラれて体が冷えてるもんでね、あっためる何かがほしかった所でな」
上機嫌に柔らかな相手の体を弄るよう指を蠢かせながら、
顔を覗き込んだまま相手の返答を聞く。しかし、それでは足りないと言わんばかりに
相手の体をさらに強めに抱き寄せる。そのまま相手の返答を待ちながら一度だけ外へと視線を向け、
そのまま暫しの間雨が降りやむまでどのような時間を過ごす事になるのかは二人だけの知る所である。
ご案内:「無名遺跡」にノアさんが現れました。
ご案内:「無名遺跡」にノアさんが現れました。
ご案内:「無名遺跡」にノアさんが現れました。
ご案内:「無名遺跡」にノアさんが現れました。
ご案内:「無名遺跡」にノアさんが現れました。
ご案内:「無名遺跡」にノアさんが現れました。
ご案内:「無名遺跡」にノアさんが現れました。
ご案内:「無名遺跡」からカインさんが去りました。
■ノア > 「 .........ほんとに、 冷 たい.. 」
手だけじゃなく、 触れた身体は本当に冷えていて。意地悪くもあるけれど、 恩も感じているから.. ほんの少しだけ、 其のままで居ようと。
「 護衛の報酬は、 ゴルドで払う。これは..... 助けて貰ったお礼、 だからね。少しだけ.. 」
遺跡の入口で身を寄せ合う男女。一人は雨に濡れ、 一人は薄着だった。其の後も激しい雨は、 暫く降り続いた とか ──
ご案内:「無名遺跡」からノアさんが去りました。