2017/06/17 のログ
ご案内:「無名遺跡」にウィルバーさんが現れました。
■ウィルバー > 遺跡と言えば、石造りのダンジョンが一般的かも知れないが、僕が今居る場所はそうではない。
人間たちの創作で出てくる所謂世界樹と呼ばれる大きな木。
高さ100m超えの巨大な木の上に僕は居る。
本当は足場を作ったり、邪魔な枝を切り分けて少しずつ昇っていくのがセオリーらしいが、翼のある僕はそういうことはしない。
「ヤッホ~~~~。」
両手を口元にあて、山頂気分で叫んでみたり。 当然、返事は帰ってこないが。
「…さてっと。」
今日の用事は別に高い所で叫ぶことが目的ではない。
お目当てはこの樹の一番上、何故かつくられた、人が一人立てる位の広さの一角に置かれた一冊の魔道書である。
人間で装丁されたこの本は、持つものにとてつもない不幸を呼ぶだの、魂が取りつかれるだの不穏な噂が漂う類の物である。
しかし、この書には死霊術の極意が記されているとの話もある。
学院でその話を聴きつけた僕は、礼の如く好奇心に駆られ、気づけばこの恐ろしい本を手にしていた。
■ウィルバー > 「むにゃむにゃむにゃ、えい!」
書を開き、現世に漂う邪悪な魂を呼び寄せる術を使ってみる。
この術は魂を入れる器が必要になるそうなので、とりあえずこの樹の下で転がっていたしゃれこうべを使ってみる。
…どうやら成功したようだ。 カサカサに乾燥していたしゃれこうべ動き出したではないか。
だが、呼び寄せた死霊はこの体はご不満の様だ。
舌も喉もないので口をカタカタ動かすだけだが、何か文句を言っているらしいことは分かる。
そりゃそうだろう、僕でもこんな身体は困る。
だが、今はこれしかないのだ。 諦めて欲しい。
「これで人手が足りない時の問題は解決だね。 荷物整理とかはこういうのにこれから頼もうかな。」
■ウィルバー > いた! このドクロ、飛びついて噛みついてきたじゃないか。
「あ~もう、解呪解呪。」
足を噛みつかれた僕が解呪を唱えると、足元でヤンヤン喚いていたドクロはただの物言わぬ屍に変わった。
とりあえず、目的の書は手に入れた。 ドクロは元の場所に返しておこう。
僕はドクロと書を手にすると、羽を広げ樹上から降りてくる。
ふよふよ、ふよふよ。 両手が塞がっているので慎重に降りることにした。
不死身の身体でも墜落事故は困る。 ものすごく痛いのだ。
■ウィルバー > とにもかくにも、目的は達成した。
これで人手不足問題は解決だ。
ただ、ビジュアル的に大変宜しくないので他の人が家に居る時はとても見せれる物ではないが。
ドクロを元合った場所に戻…すことなく、埋葬してから自宅へと。
ご案内:「無名遺跡」からウィルバーさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にオルナさんが現れました。
■オルナ > 昼なお暗い遺跡の内部、苔生した石畳みを歩く人影があった。
着慣れた黒の外套に魔術をストックした魔術本を抱え、警戒をしながら歩を進めるまま。
掌大の炎が三つ、四つと自身の回りを回遊すれば魔法で明かりを確保していると知れて。
幸いにも引火の恐れは無いものの。場所を選ぶ魔法の為、魔導機械の一つでもあれば
事は足りてしまう。
「噂、……程度だけど」
依頼が途切れ、授業の予定もなく。自身の研究材料を確保する為とはいえ、
一人きり、まだ見ぬ魔導機械を手に入れようと入ってきた魔術師。
冒険者ギルドや酒場で囁かれる噂の一つ。浅い階層であれば、身を護ることは出来ると思い、
危うく感じれば逃げ出そうと軽く考えているまま。魔族や性質の悪い盗掘者、冒険者に
合わないよう願いながら。こつりこつりと歩を進めていく――
ご案内:「無名遺跡」にカインさんが現れました。
■カイン > 「――よ、っと。とりあえずこの辺りには何も居ないみたいだな」
不意に暗がりから明かりが灯ったかと思えば、いかにも傭兵然とした旅装の男が姿を表す。
どうやら明かりを消して周囲の探索を行っていたようで、雇い主である女性へとその報告を告げればゆっくりと近づいていく。
特別なに関わりがあるわけでは無さそうな依頼主の様子を確認して一安心といった風で頷き。
「それで、何か見つかりそうな感じかい?この先は広場にはなってるようだが」
俺は見ても判らんからな、と言い置いてお手上げとばかりに両手を上げて見せる。
実際こればかりは無学の人間には判別しろと言われても難しい。
■オルナ > 「何もいないなら、……多分。もっと下の、階層かも」
無灯の中で歩き、見渡せる相手に少しばかり訝し気なものの。
正式な依頼でなく冒険に付き合ってくれる相手に好意的な態度。
九頭竜山脈での探索では成果が無く。といって伝説のそれを探し求めるのも
手がかりがあまりにも無い状態。
「広場……人の手が掛かってるなら、魔導機械の一つは。……ある?」
問いかけというより自身に言い聞かせるように、こくりと頷き。
探索の行き先へと歩を進めて。時折一人きりになる状況では不安があるものの。
二人で歩く分には無意識に距離を詰めてしまう。炎が二人分の弧を描いて周囲を照らしていた。
■カイン > 「下か。となると、日を改めるかひとやすみ入れた方がいいかもしれないがな。
この遺跡、思った以上に広いぞ?それだけは考えておいた方がいいかもな。
ま、いける所まで行ってみるのもいいが」
軽い調子で言い返しながらも相手の訝し気な視線も何のその、
つらつらと言いながら相手を守る様に先導して道を行く。
そうして辿り着いた雑多な物が転がる広場で、軽く振り返れば思った以上に近い相手の距離。
「とりあえずここを調べてみるかどうするか決めて――ン?
何だ、ひと肌恋しくでもなったかね」
意地悪く笑ってそう問いかけながら相手の肩を軽く抱けば、
己の方へと寄せて耳元で囁いて見せる。それはこの冒険に男が
付き合う条件を想起させるには十分な態度ではあるだろう。随分と意地が悪い。
■オルナ > 「確かに、……長い時間経っているから。下に行くなら。準備」
開けた広場には、もう盗掘されきったように木くずや何かが入っていたと思われる容器。
朽ち果てさび付いた何かの細工。腐り落ちて風化したナニカが散乱するまま。
入念に準備が必要だとは感じているものの。今は下の階層にいく手段や地図に作成が主。
無理をするつもりなど到底無いけれど、相手が居ることなので……という気持ちもあり。
「そういうわけでも、……無いけど。あと近い」
ぐっと引き寄せられればささやかな抵抗の様。腕で距離を開けようと厚い胸板を退けて。
条件とはいえ、一度限りのこと。感情を交わしたわけでもないけれど。
それは確かに体の方が覚えてはいて。薄暗い遺跡の中で二人きり。
「全く、……」
ぽつりと呟く言葉も反響すれば、時間の感覚さえ薄れていきそうな闇。
入ってきた時は正午をやや過ぎた辺りだった記憶も過る。
■カイン > 「そういうわけで、依頼主様にお伺いって訳だがどうするんだ?
俺はお前さんに従うよ。体力ってもそっちよりはあるしな」
笑い飛ばして言い放って見せながらも、
物欲しげな様子を隠しきれてない相手に思わず忍び笑いが漏れる。
大人仕様に見えて存外感情が見えるのは酒が入っていたからかと思えば素の様だ。
素気無い様子に肩を竦めながらもおやおや、なんて言葉がてらに悪戯の様、
軽く胸を揉んでその先端を跳ねてからパッと手を離し。
「何回に分けてって話だった気がするんだけどねえ。俺が近いのはお気に召さんかい?
ま、追加で雇いたいってんならいつでも歓迎だけどな――っと。
熱中するのは良いが、そろそろ日が傾き始める頃だろうからな。それは考えとけよ」
じゃれる様に笑って宣う中に気遣いを混ぜながらも魔力で作り出した明かりを上に持ち上げて周囲を広く照らし出す。
その分全体的に薄暗くなるのはご愛嬌ではあるのだが。
■オルナ > 「じゃあ、……無理せず帰るのが。良いと思う」
外套からでも目立つような胸の先を急に触られて、表情を変えながら。
相手の反応を愉しませては。と、気にしない素振りで踵を返し。
「見つかった時と、……見つからなかった時。というだけ」
やっぱり一人で来た方が、けれど危険はその分多く。ギルドで人を募集しても
即席では……なんて色々と思考を巡らせつつも。自身の編んだ明かりが遠く。
帰路を探すように遠巻きに。遺跡からはその日の収穫もなく後にするけれど。
きっちりとその晩の宿では条件を果たす様。
狭い旅宿の二階からは、乾いた肉音と薄く小さく呻くような嬌声。
それが段々と階下に聞こえるようになるのに時間は掛からず。明け方近くまで続き――
正午よりやや前の刻、宿の主人が見かねて部屋の戸を開ければ、
染みついた敷布をたぐり寄せて桜色の頬を晒し、ひくっ…びくっ…とつい先ほどまでの痴態を隠す様。
部屋には薄いミルクの匂いと濃い性交の後を感じさせてしまって、何ともいえない表情をされてしまう。
度々、依頼の伝手が無いうちは―――と、ゴルドを貯めようと決心するのだった。
■カイン > 「あいよ、それじゃそうしようか。…実際の所あまり深く潜るとこの先は手つかずだな、
魔物が出てくるのは間違いないだろう。厄介さを考えるとある程度万全じゃないとな」
ここに来るまでにそれなりに消耗してるらしいことを示唆しつつも、
特別反応を示さない相手に大したもんだと目を細めて歩き出す。
遺跡を歩く最中時折陰からやってくる何かをこっそり追い払いつつも、
キッチリと護衛の任務は果たして、約束の報酬を受け取って満悦の様子。
とはいえやり過ぎたと暫くは事そのものを控えようかと思う程度には反省していたとか。
詫び代わりに後日他の仕事で訪れた際に作った地図をこっそり女性の元に無記名で届けたりしたのはまた別の話。
ご案内:「無名遺跡」からカインさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」からオルナさんが去りました。