2017/05/21 のログ
ご案内:「無名遺跡」にカインさんが現れました。
カイン > 日が傾き始めた山中にある遺跡の中。複数の石柱が立ち並ぶ部屋の中、
薄暗い部屋を手にした松明で照らしながら室内を探索する人影があった。

「――参った。見失っただけならまだしも、まさか迷うとは」

何者かが確かに居た形跡はあるもののそれが己の探し求めているものとは、
明かに違う様子に軽く落胆を見せながら火を掲げて室内を照らし出す。
取り逃がした魔物を追い遺跡に入って約半時程。討伐対象である狼の魔獣には、
完全に行方を行方を眩まされている。その事実に軽く頭を振って嘆きの声を上げ。

カイン > 敵を見失ったにのみならず途中でどんでん返しに引っかかったせいで己のいる位置すら不明瞭。
空気の流れをたどれば外に出ることは可能ではあろうが、どれだけ時間がかかるかは考えたくもない。
足元のガラクタを蹴り除けて甲高い音を響かせて、それほど経験が多い訳ではない遺跡の探索に思いを馳せ。

「迷宮として作られてないんであれば結構建物の傾向とかわかる物だが、
 この遺跡は果たして何のために作られたものやらさっぱり判らんね」

居住区なら出入り口が、宗教施設なら趣旨に沿った意味がありそうなものだが全く想像のつかない室内に
辟易とした様子を隠しもせず益体もない言葉を漏らし、出口を探して歩き始める。

カイン > 「――よし、このまま先に行ければ多分抜けられそうだな」

暫く遺跡の中を探索しながら歩を進めていれば空気の流れが強くなった場所を見つけ、
暗い石造りの通路の中で一度足を止めて安堵の息を吐く。
最悪壁をぶち抜いて帰る事も考えていたができれば避けたいことではあった。
遺跡の中に生き埋めになってしまっては元も子もない。

「松明も結構使ったし、今回は完全に骨折り損のくたびれ儲けだな」

石造りの回廊の壁面を軽く小突いて甲高い音を反響させながら松明を暗闇の中揺らめかせ。

カイン > 「ま、このまま干物になる前にさっさと帰るとしようかね。
 今回の後始末はそのうちつけなきゃなあ」

無事に帰れそうとはいえ帰った後の事を考えると実に気が重たい。
取り逃がした報告とその後に押し付けられるだろう無理難題を覚悟しながら、遺跡を後にしていくのだった。

ご案内:「無名遺跡」からカインさんが去りました。