2017/02/08 のログ
ご案内:「無名遺跡」にエリミアさんが現れました。
エリミア > 「よぉいしょっ!…お、とととっ…」

薄暗い遺跡の開けた場所で木製の巨大な人形らしき番人たちに囲まれながら、少女は遺跡の番人から奪った処刑用の斧を振り回し、使い慣れない感触にバランスを崩してたたら踏む。
少女が満身の力を込めて振り抜いた巨斧は、唸りをたてて哀れにもその軌道に巻き込まれたウッドゴーレムの1体を容易く薪にした。
が、すぐにどこからか増援のウッドゴーレムが列をなして騒がしい音を立ててやってくる。

「うぇぇ…」

その様子に、少女は苦々しげに表情を歪めて心底嫌そうな声を漏らす。
発端は、宝か食事か、なんでもいいから手に入れようと無警戒に進んだところで踏んだ罠のスイッチであった。
すでに足元には両手で数えきれないだけのウッドゴーレムであった薪が転がっており、汗を浮かべる少女の様子が戦いの長さを物語る。
そう回顧するうちに、別の方向から飛びかかろうとしたウッドゴーレムの胴体に、セスタスに覆われた拳を叩き込んで吹き飛ばし、後続のいくらかも同時に転ばせるが破壊には至らず、じりじりと壁際に追い詰められる少女は汗ばむ掌で斧の柄を強く握り直す。

エリミア > 「うぅぅぅ…!ごはんにならないのにうじゃうじゃ集まるなーっ!」

倒しても倒しても沸いてくるウッドゴーレムは、ほんのわずかな仮初の魂しか持ち得ておらず、魔力を吸収するにも効率も悪すぎた。
結局一方的に少女は消耗するばかりであり、大振りに振り回した巨斧で薪を作りながら、焦れた少女は唸るような声を漏らす。

「…!どりゃあぁぁぁ!…あっ!しまっ……!」

やがて殴り飛ばされて転んでいたウッドゴーレムがぎこちない動きで立ち上がって真っすぐ突っ込んでくると、少女は大きく踏み込みながら斧を振り下ろしてその個体を真っ二つにする。
しかしそのすぐ後ろから進んできていた別の個体が、未だ振り下ろしたままの巨斧を跨ぐように突っ込んできて、少女の眼前までやってくると、木材同士がこすれ合うような音を立てて簡素な拳の造形がなされた腕を振り上げていく。