2017/02/03 のログ
ご案内:「無名遺跡」にスライムポットさんが現れました。
スライムポット > 名も無い遺跡の名も無い階層の名も無いフロア
数々の淫靡な仕掛けと罠が張り巡らされている部屋と違い、何故か不自然に何も無い部屋が一つだけ存在していた。
部屋の中はスライムや何か粘液を身体から放出する系のモンスターが居た後か石畳の床のあちらこちらに粘液が飛び散っている他、部屋の中央付近にはスライムに負けた冒険者が残したものか粘液に塗れた宝石が幾つも転がっている。

不自然な宝石、それは獲物を寄せ集める為にスライムポットが吐き出した獲物を集めるためのエサ。価値がわからぬスライムが集めたエサは珠玉混合、キラキラと輝くというだけで集められている事から価値があるモノやただのガラス球まで混じっている。

その輝きの中心に石畳の床に見えるが明らかにつくりが甘く、それどころか歪んでいる場所がある。
それはスライムポットの口、獲物をくわえ込んで飲み込むたちの悪いモンスターの口であり、スライム系のモンスターが吐き出される排出口でもある。
だが残念?な事にスライムはもう吐き出される事はない、理由は簡単、今スライムポットの体内には苗床になる獲物がなく、子を産ませる事が出来ないからである。

さて、不自然な床が存在する部屋に入り込む冒険者は居るだろうか?それともそれが罠としってそれでも宝石や粘液を回収する者が来るだろうか?

スライムポットはじっと待っている
その獲物が現れることを……。

スライムポット > 罠に近い性質のスライムポットにとって今現在最大限体力を使って動ける行動と言えば口から蓄えている宝石を吐き出して撒餌を追加する事だけで、時々粘液溜りに宝石やガラス球が粘液に落ちたり、石畳に落ちて響く硬い音だけが部屋に響く唯一の音である。
カチン…カチン………カチン………

時間が流れていくたびに粘液溜りに増えていく不自然な程に高価な宝石や人工的に磨かれたガラス珠等等……。
数が増せば増すほどに歪んだ石畳の床を中心に広がっているのは一目瞭然となり、誰が見ても罠だと判る姿を曝け出してしまう。
でも残念ながらあくまでもモンスターであり罠である生物にはそれを上手にカモフラージュするだけの知性などなく、撒餌をまくのが終われば誰かがこの撒餌に食いつくのをじっと待つことしか出来ない。

不自然に歪んだ石畳はスライムポットが作り出した口を覆い隠す幻の石畳、透明な球体の身体に眼一杯あけた口を隠すには頼りないが、きっと撒餌に間がくらんで落ちてくれる……筈。
基本的に獲物がそうやって落ちて苗床に鳴ってくれるのは年に数回あるか無いか、ヘタをすれば数十年単位で苗床になる獲物を咥えた事がないスライムポットもざらに居る。
このスライムポットは幸運にも獲物にありつけるだろうか?数十年行っていない分貯まっている欲望を吐き出すことが出来るだろうか?