2016/12/11 のログ
ご案内:「無名遺跡」にアイゼンブルームさんが現れました。
■アイゼンブルーム > っと……ここの辺りか……。
(やっと…やっと見つけた…。 失われた祖国を再興する財宝がここにある…。 必死の思いで数々の魔物を倒しやっとたどり着いた、隠し部屋の前。 ―――ああ…姫様…これで…これで、祖国を再興できます…。 感涙にむせびそうになりながら、扉の前に立とうとしたが目の前にいるのはなにやら不思議な雰囲気の子供……。)
何をしている……。
(なにやら戸惑っている様子の相手。 よもや先に財宝を奪いに来たのではと、腕組みをして横目のジト目で睨みながら少年に詰問口調のハスキーボイスで問いかける)
■アル > にゅるにゅる君の今後の予定を考え、途方に暮れていると人の気配。
聞こえた声がハスキーな女性の物だったので、しゃがみ込んだまま顔を上げて声の主を見上げる。
「にゅるにゅる君との今後を考えてる…けど、部屋に入いんない方がいいよ。女性には無差別だと思うしな」
何をしているかと聞かれると、戸惑っているとしか答えられない。
困ったような顔で見ていたが、本能にどこまでも正直な視線は、警告をしながらも女性の胸元に注がれる。
隠すことなく、女性の胸元を見上げながら、冒険者かな?と考えて――。
そんな事をしていると、女性の存在に刺激されたのか、室内で触手の動きは激しさを増していった。
触手を包む粘液も、量を増し、女性を淫靡な気分にさせる香りを、室内に充満させていく。
■アイゼンブルーム > 「にゅるにゅる君? それは、そのぬるぬるとしたいかにも卑猥な蠢いている触手の事か? いや…イヤな予感がするから、頼まれても入らぬ…。」
(部屋をのぞき込めば確かに一面の触手触手……。 その触手がざわざわと蠢く様を見ると思わず体中に鳥肌を立て。)
「私の名前はアイゼンブルーム…。 さっきから邪な視線を感じるのだが…気のせいか? それと…、あなたの後で蠢いているそれは、仲間か?」
(彼の立つ部屋の入口。 ピンク色の触手がうねくねとまるでバックダンサーのようにくねっている。 彼の視線が胸に注がれているのを感じれば咄嗟に両腕を組んで胸を隠して、さらにジト目で彼を睨む。)
「しかし…さっきから妙に熱い……。」
(気のせいか部屋の中が熱いような気がする。 洞窟の外にいたときは寒いぐらいでレザーの外套を着ていたというのに、まるで真夏に外套を着ているようだ。 熱いとばかりに、外套を脱いで行けば、形ばかりのビキニの防具とそれに包まれた鍛えられた体が姿を現し)
■アル > 「そう、俺が命名した。正体は知らないしな」
入らないのが正解と、笑顔で立ち上がり――やはり見上げるのは、悲しいかな身長差が理由。
胸元に視線が行くのも、身長差から仕方ないことだろうと、自分に言い聞かせる。
「俺は、アル。にゅるにゅる君とは、さっき会ったばかりで、仲間じゃない。よろしくなアイゼンブルーム」
ジト目で見られると、お約束な反応に嬉しくって、笑顔のまま自分の名前を告げる。触手とは仲間でないと、否定することも忘れない。
「まぁ、地下だし…外よりは温かいと思うぜ。おおっと!立派なオッパイをお持ちで…ありがとう!」
熱いほどかな?と外装を脱ぐ女性の姿に、不思議そうな顔をしたが、露わになったビキニタイプの武具に包まれた豊かな胸元。
オッパイ大好き少年は、素直にお礼を言った後、両手を合わせて軽く一礼。その後に、ジーと胸元に熱い視線を注ぎ込んで、遠慮なく視姦した。
「俺は冒険者で…探索をメインにする捜索者さ。アイゼンブルームは…戦士系?」
胸に熱い視線を注ぎながらも、腰に差さった武器を見て、同じ冒険者と勘違い。
既に触手は、眼中から消えたが、物理的に消えるでもなく、部屋の中で激しく蠢き、綺麗な床を粘液でベトベトに汚していった。
■アイゼンブルーム > 「ほほう……。 今見つけたわけか……。 こちらこそよろしく。」
(命の危険がある洞窟…。 こんな中でなにやらのどかに話をしている。 身長差のある男女がくねる触手の前で交わすような会話でないことだけは確かだ。 そして、目の前でこちらを見上げるアル。 身長差もあるのだろう。 アルの目の前の位置にちょうど胸がある形だ。 ある程度は仕方ない…。と思っていたが、穴のあくほどじっと胸を見られるとなにやらふつふつとした不快感が湧き上がる)
「こら……なぜ両手を合わせて拝むのだ……! いちいち礼を言わずともよい!!」
(コートを脱ぎ捨てれば、あからさまにその胸元に注がれる視線。 汗を掻いているのか肌に張り付いた汗の滴が胸の谷間に流れ込んでゆく)
「ん? 私はこの洞窟に宝を探しに来た。 祖国再興のためのお宝があると聞いて、ここまでそれを探しに来た。 こう見えても、騎士団長だったのだぞ。 もちろん、腕に覚えもあるし当然前衛職だ。 で…何かお宝はあったか?」
(ぬるぬるとした粘液が足元にまで流れてくれば、気持ち悪いとばかりに明らかに渋面を作り)
■アル > 「あぁ、だから困ってたところ。なにせ…お宝と思ったら…にゅるにゅる君が居ただけだし…」
少し遠い目をして、先ほどまで途方に暮れていたことを素直に告げる。
最初にいたと自己主張するように、床をペチペチと叩く触手。実際には、床に垂れた媚薬効果もある粘液を、飛ばすのが目的だったのだが…。
「だって、オッパイは正義だし。見せてもらったらお礼を言う、当たり前だぜ!」
胸を張って答えるが、球の汗が谷間に流れ込んでいくのを見ると、おぉ!と声を出してしまった。
「元騎士さまか。そりゃ、腕は確かだな。お宝?にゅるにゅる君を宝とみるなら…てか、あの部屋の中心を探す勇気はない!」
此方の足元まで、粘膜が飛んできたので小さくステップを踏むように足を動かし、きっぱりと告げて胸を見続け――。
「にゅるにゅる君を排除すれば、何かあるかもだけど…うぉ?!」
隠し部屋で怪しいからと、告げようと思ったが、色々な意味で注意が散漫していたので、その粘液で足を滑られてしまった。
慌てて何かに捕まろうと体は反射的に動く。避けなければ、目の前の女性に抱きつき、その大きな乳房に顔を埋めるような結果になるだろう。
■アイゼンブルーム > 「な…なかったのか………。」
(よっぽどあてにして探し求めていたのだろう。 ここにはなかったと言われれば、がっくりと一気に首がうなだれる。 それと共に、飛んでくる触手の粘液を鬱陶しそうにぐいと拭った。 それが、媚薬効果を肌に塗りこめることになるとは気づかずに……。)
「なにが正義か…何が……。 お礼を言われるようなことではない。 というか…勝手に見て礼を言うな。」
(アルの変な理屈にこっちまで巻き込まれる。 これでは、まるで洞窟の中で漫才をやっているようなものだ。)
「う~ん…私もあの中には行きたくない…というか…あの部屋の中に入ったらアルが喜びそうな気がする……」
(あの部屋に入る気はないと言い切る彼。 では、自分がと考えたが結局のところまるで林か肉の部屋のようになった部屋に脚を踏み入れるのはまっぴらごめんだ)
「にゅるにゅる君を排除か……これは、いったん外に出て装備を整えてから……。 こっ!! こらっ!! 変なところに胸を埋めるなっ!!」
(体制を立て直してと考えていたところ、目の前で脚を滑らせ転ぶアル。ちょうど胸の谷間に鼻先を突っ込む形でぽふっと顔全体が乳房に埋まる。 途端に絶叫調の叱咤の声が洞窟に響き)
■アル > 「訳あり…だろうな…」
落胆する様子と、元騎士という名乗りから、こんな場所に来るのにも、よっぽどの理由があったのだろうと推測される。
深くは聞かないようにしようと、小さく呟くだけに留めていたが、それも少し前までの事。
「オッパイが、命を救ってくれったってことで…事故だしな!」
このラッキースケベを逃がすはずはなく、抱き着いたまま、顔を左右に振って、少しでも多く乳房の感触を楽しもうとした。
柔らかくも暖かな膨らみ。防具越しでも破壊力は絶品だと、自分の体も熱くさせていく。
「まぁ、よくあるのは…もふもふ…偽情報で、獲物を誘い込んで…ふかふか…にゅるにゅる君の餌食…だろうな」
変な希望を与えないで、キッパリ告げた方が、ショックも小さいだろうと冒険者理論で、自分の考えと告げる。
その言葉が途切れがちなのは、乳房に顔を埋めたまま、クンクンと鼻を鳴らし女性の香りを楽しんでいるから。
甘い香りに、若い男の体は素直に反応し、股間部分を膨らませてしまう。
抱き着く体勢なので、隠すことなくアイゼンブルームの足に押し付けてしまっているが、だからと言って離れるほど、オッパイへの愛情は浅くない。
■アイゼンブルーム > 「こっ!! こらっ!! 顔を離せっ!! 抱き付くなっ!!」
(これ幸いとアルが働く狼藉の数々……。 怒りも限界に来たのか、擦り付けられる顔を引き離そうと大きな手をアルの額にかけてグイッと押し)
「まったく!! 私は装備を整えて再びここに探しに来るっ!!」
(ぷんすかと怒りながら、洞窟の入り口に向かって歩いて行った。)
ご案内:「無名遺跡」からアイゼンブルームさんが去りました。
■アル > 「俺から、オッパイ!を離すことはない!」
きっぱりと言い切ったが、グイッ!と離されると、本気で抵抗することはない。
素直に離れると離れていくアイゼンブルームを、笑顔で手を振りながら見送って――
「うん、俺はもう少し別の改装を調べてみるか」
自分は、もう少し遺跡内を調査しようと考えて、反対方向に歩いていった。
にゅるにゅる君は、見なかったことにして――。
ご案内:「無名遺跡」からアルさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にフォレスさんが現れました。
■フォレス > (その男は、だんだんと冷えていく外の空気に、非常に重い顔をしていた。
また、あの寒い季節がやってくるのかと思うと、とても憂鬱になる。
寒いのは、好きじゃないとでも言わんばかりに氷が張り出した、水溜りを眺めてはため息をつくばかり。)
――…いやはや、またしばらくは困ることになりそうですな…。
幸い、備蓄はあるとはいえそれもいつまで持つことやら…。
(もしかしたら、一度暗いは狩りをしたほうがいいかもしれない。
男は、住処にしている場所から少し離れた遺跡。寒空の中で、あたりを散策していた。
崩れ落ちた建物の跡葉非常に歩きにくい。貴族の服だと余計に。
だが、男は指して苦もなく瓦礫を乗り越え、その向こう側へ音も立てずに降り立つ。
ここのところは、射して食事をしていなかった。
それというのも、冒険者が最近になってよくこの遺跡を訪れるようになっていたから。
そのおかげで食事に困ることはなく、備蓄するまでの量が溜まっていた。
寒空の舌で動けているのも、その魔力のおかげなのだが…味に飽きた。
何か、珍しいものでもこないだろうかと、男は遺跡周囲を散策している…。)
■フォレス > (男はしばらく探索を続け、そして寝床へと戻っていく―――――。)
ご案内:「無名遺跡」からフォレスさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にフローディアさんが現れました。
■フローディア > (――今、思い返せば自分は油断していた、高揚していた、慢心していた・・・のだと思う。とある売れば非常に金になる珍しい魔物の出現情報を聞き、それを捕らえる為に訪れたとある迷宮。出没する魔物の実力の程を聞いても、普通にしていれば自分の実力で遅れをとることはないだろう・・・そう思っていたし、今でも事実その通りだと思っている。けれど――今の状況はその 普通 に当てはまらなかった。部屋を覆い尽くし、視界を覆い尽くすのは無数の魔物・・・ゴブリン、コボルド、オーク、ローパー、ミノタウロス・・・etc 自分が知っている魔物から、姿さえ知らない魔物まで無数の魔物がこの部屋に集まっていた。 ――所謂、モンスターハウス・・・冒険者の中で眉唾物の話ではあったが、伝説として語られていた迷宮のトラップの1つである。その伝説上の最強クラスに危険なトラップにこの白狼の少女は遭遇していた。)
・・・ほんとに、あるなんて思ってもいなかった。
(はは、と乾いた笑いを零しつつも、目の前の惨状から逃げ出したくなる。幾らなんでもこんなものから無事に脱出できるかは・・・正直、かなりきつい、というのが本音である。まぁ、だがしかし・・・諦める、という選択肢もない。最後まで、無様であろうとも足掻き、抗う。そう決意し、白狼はその手に小太刀を握り、決意の灯った視線を無数の魔物達の目と交差させ)
AAHHHHHH!!
(獣の咆哮がモンスターハウスに響き渡る。ここから抜け出す方法として思いつくのは2つ。この魔物の群れを斬り抜けて、扉の向こうに移動する。もしくは――この部屋の 主 を撃破する。 その2つだ。主、というのがどれなのかは正直分からない・・・故にただ無数の魔物の向こうにあるであろう扉を目指す。小太刀を握り、その刀身を無数の魔物の血で濡らしながら、白狼はひたすら前へ、前へ――。
そして、それを防ぐのは種族すら千差万別の無数の魔物の群れ。ふらりと湧いて出たこの部屋への生贄、供物。それを誰が真っ先に撃破し、組み伏せ、モノにするか・・・。彼らからは我先に、と各々の武器を持ち、白狼に殺到することだろう。彼らにとって白狼がこの部屋で膝をつくのは必然。ならば、誰がそれを成し遂げるか・・・。それを競うだけの、ゲームだ。 見目麗しく、健康そうなミレーの女・・・。その身体を犯すにしても、子を作るにしても、強靭そうなその女は彼らにとっても有益そうな女に見えるだろう。)
ご案内:「無名遺跡」にヘルベッティさんが現れました。
■フローディア > (走馬灯のように、この部屋に至るまでの思い出が白狼の思考を横切っていく。 そもそも、この迷宮に来たのは狩りの為だ。なんでも売れば非常に金になる、珍しい魔物が出現した・・・そんな情報を得て、この迷宮に訪れたのだ。そして・・・幸運にもこの少女はその魔物に遭遇することが出来た。しかし・・・聞いてはいたが、その魔物は臆病かつ非常に逃げ足が早く、一撃で仕留めるつもりだったものの、それも叶わず彼とおいかけっこをするハメになってしまった。どこまでも逃げて、逃げて、逃げて――それを追う私。追っている最中、狩猟本能でも刺激されたのか、なんだか楽しくなってきてしまって・・・つい、警戒心が薄れてしまった。遂にとある部屋まで追い詰め、それを捕らえる為に飛びかかったその時だ――カチリ、という音と共に転移トラップが作動した。落とし穴などそういう物理的なトラップには鼻が聞くが、こういう魔導的な罠にはとことん疎く・・・素面であったとしても、気がついたかどうか、定かではないが。その結果として・・・このモンスターハウスに生贄として捧げられてしまった次第である。)
・・・今思うと、アレは餌だったのかも、ね。
(小太刀を振るい、斬り裂き・・・飛びかかってくる魔物を蹴り砕き・・・無数の魔物相手に大立ち回りを演じながら、ぽつりとそんな呟きを零す。自分をこの部屋へと誘い込んだようにも見える、あの珍しい魔物・・・あれは今思うと、罠だったのかもしれない、と思う。つい目先の欲望と、狩りの熱に浮かされて周囲の警戒が疎かになっていたのも事実だ。もし、事実ならば――してやられた、と思うが。
――戦闘を初めてからどれ程の時間が警戒しただろうか。数分?数十分?それとも数時間? 時間の感覚が麻痺する程度には意識を加速させ、戦いの熱を味わっていたかのように思える。肌や着物には様々な種類の魔物の体液を浴び、汚れていない所などない、と言える程に返り血を浴びているが・・・未だ扉は姿さえ見えない程遠い・・・。)
■ヘルベッティ > 数多のモンスターがたむろする、いわゆる『モンスターハウス』。
その集団を率いる『主』なるものが誰かは定かではないが……少なくとも、彼はそのつもりでいた。
闇が自意識を持って蠢いてるかの如き、漆黒の毛並み。その暗黒空間にぽつりと2つ浮かぶ、真紅の瞳。
大型の(とはいえ魔物の群れに隠れがちな)体躯を丸めて四本の脚を静かに歩ませる、犬に似た魔物が部屋の奥にいた。
魔族の国生まれの、血統書付きの魔獣『ヘルハウンド』。
この有象無象の魔物の中において、実力はともかくヒエラルキーは高いといえよう。
先程、侵入者の気配があった。直後、獣のごとき咆哮が響き、無数の剣撃の音がそのあとに続いた。
黒い犬はその血風の源へと突進するようなことはしない。様子を見る賢さを備えており、そうでなくても熱り立つ魔物の群れをかき分け進むのは難儀だ。
剣撃の音、魔物の断末魔はかなりの時間経過しても鳴り止むことがない。侵入者は相当の手練のようだ。
しかし、開幕に鳴り響いた鬨の声に女性の声紋を感じ取れてもいた。なれば、せっかくの久しぶりの雌の体、少なくとも拝んでおいて損はない。
侵入者が奥へ奥へと斬り進んでくるのを、黒犬は耳をそばだてながら待ち構えている。
口をキッとかたく結び、鼻息を荒く鳴らしながら。……喉に、煮えたぎる火炎を凝り固めながら。
■フローディア > (魔物達の獣の如き断末魔は途切れることがない。少女の小太刀とその卓越した身体技能は確実に、魔物の肉を立ち、顔を蹴り砕き、その腕をへし折る。白狼は、狩人である。ただあっさりとその身を 餌 として転じるつもりは毛頭なかった。魔物達の断末魔に混じって時折部屋に響く、雌の咆哮・・・それは部屋を揺るがす程の威圧を持ってその存在の強大さと、その声の主が女であること・・・それを主張しようか、・・・その咆哮を聞けば、弱き者であれば多少の怯えを覚えるだろう。けれど、強者の自負を持ち、強い女を組み伏せることに喜びを覚えるような性癖を持つ魔物にとっては・・・ただの、雄を誘惑するような声にしか聞こえないかもしれない。)
ふっ・・・はぁっ・・・はぁっ・・・!
(幾ら実力は勝っているとはいえ、ここまで連戦が続いては流石に疲労も溜まる。元より、長期戦は得意ではなく、一撃で獲物を仕留めるような短期決戦を得手とする白狼だ。このような戦闘は得意ではなく・・・しばらくすれば、その足元に多少のふらつきと、反応速度の遅れが見え始める。未だ周囲を囲む魔物に遅れを取る様子は見せていないが・・・このまま続ければ、一撃を貰うまであと僅か、といった所だろう。 少女の剣が、主を自負する黒犬まで届く前に、その足が至るかどうかは最早定かではなく。)
■ヘルベッティ > 部屋の奥で待ち構える黒犬は、決して百戦百勝の化物ではない。
冒険者と対峙したことも10や20ではすまないが、その半数以上で逃げを選んでいる、小賢しい魔物。
だがそれゆえに、長い時を生き延びてきた。
そして、この部屋にたむろする魔物たちと無駄に縄張り争いをしないこと。
……彼ら魔物どもを捨て駒に用い、弱った侵入者を迎え撃つこと。そういった知恵が働いているのだ。
侵入者の姿が、魔物の群れ越しにもようやく伺えるほどの距離に詰まってきた。
(……犬? 狼? あれは、ミレーか……)
赤一色に染まった瞳を細め、思考を巡らせる。
人間どもに迫害されし民族ミレー、だがそれゆえに、冒険者として遺跡に挑むミレーには強者が多いことを知っている。
目の前に迫る白狼もまたその手合だろうが……予想通り、幾十幾百の魔物と切り結んで疲労困憊のようだ。
黒犬は好機と見てその身を翻し、侵入者の方へ鼻先を向け、地面すれすれにまで上体を下げながら、その口を開いた。
ガボンッ! と広大な部屋全体を揺さぶるような重低音を伴って、火炎の球が爆ぜる。
侵入者(フローディア)のすぐ目の前で、黒犬の口から吐かれた火球が地面に打ち付けられ、閃光と爆音、熱波を伴う爆発が発生した。
その衝撃で、彼女と犬の間にいた魔物は天井へと巻き上げられ、幾人かは火だるまと化す。
犯し甲斐のあるミレーの雌までもが消し炭にならぬよう位置をギリギリに調節したつもりでいたが、はたして。
相手が怯まなかったときに備えて、飛び退く体勢にも余念がない。