2016/11/19 のログ
オーベ > 「この辺りは、冒険者もおおいから危ない…」

地上に残された環状列石
近くには地下への入り口があり、名を上げようとしたり財宝を求める冒険者がよく通る
とぐろを巻いてなお、見上げるほどの巨大な黒蛇を見上げながらそんな事を話しかけた
爛々と黄金色に輝く大蛇の瞳が此方を見下ろしている。何かいいたげな様子にす、と刺青だらけの腕を伸ばせば、
頭の中に直接、低周波が響くようなそんな感覚。怒っているような泣いているような笑っているような、
蛇の言語に首を傾げながら、なんとか意思疎通を図ろうとすれば、青白く仄かに腕に施した刺青が輝く

「…そりゃあ、寒くなれば君らは身動き取れなくなるだろうけれど…
その前に栄養摂っておきたいって…ううーん…」

意訳すると。
寒くなる前に十分な栄養がほしい彼だか、彼女はここで人間を待ち伏せているらしい
ポッと現れた冒険者をごくん、と一飲にするつもりだそうだ…

「…でも、君が此処で人間食ったら、討伐するって人間がおしよせてくるぜ?
流石にまだ、死にたくはないだろ?」

相変わらず、大蛇はギラりと光る眼で此方を睨んでいるがどうやら考えているらしい
鈍く頭の中に響いていた低周波が止まった

頭からフードを被った魔法使いと大蛇
相対する1人と1匹が一体、他人からどう見えるのか…知る由もなく

オーベ > 「……?」

ぴくり、とも動かなくなってしまった大蛇
そんなに難しいことを言ったろうか?或いは、怒らせるような事をしでかしたか?
考えても判らず、此方から更に声を掛けようとした瞬間であった
くわ、と大きく開かれた大蛇の口が近づき、此方を丸呑みにしようと迫る
うおっ、と驚きの声を上げるもこの状況は想定していたらしく伸ばした腕から僅かに放電し、
接触する寸前の所でピシ、と青白い稲光が小さく走れば大口を開けたまま大蛇は時を止めた如く動かなくなった
計算外だったのは開かれた大口からだらり、と大蛇の唾液が自分の腕のあたりにぼたぼた、と落ちている事くらいで
粘度の高いそれは気持の良いものではないが、食われて生きたまま消化されるよりは、随分マシだと思える

「…ほら、懲りたなら森へおかえりよ。
まだまだ森には食べられるものがあるだろう?」

す、と伸ばした腕を引っ込めてべちべち、と唾液まみれのその腕で大蛇の下顎の辺りを叩く
すると、不思議な事に麻痺が解かれたか、ずん、と頭を下ろしてそのまま、森の奥の方へと帰っていく

「…しかし、酷いな。毒とかないよな、この唾液…」

濡れた感触の腕に鼻先を近づける
感触ほどに匂いは酷いものではなかったが、なんだか疲れてしまった
少しこの辺りの遺跡を調べようと思っていた予定を変更し、近くを流れる小川を目指し、唾液を落とす事にする
大蛇が消えたのと逆の林に入っていけば、そのまま姿を消すのだった―――

ご案内:「無名遺跡」からオーベさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にアルさんが現れました。
アル > 変態的なトラップが多いとの情報から、好奇心を刺激され調査に来た捜索者の少年。
エロの迷宮と勝手に命名し、数回廊を進んだ後、ある事実に気が付き足を止めた。

「…男の俺だけだと…面白くない!」

今更な事実に気が付くアホの子はアホ毛をピーンと立って絶叫してしまった。
女性を淫らに辱めるトラップが多い迷宮内。それを発見しては解除の繰り返しで進み、事実に気が付いたのは今。
ここは失敗したと、変に明るい廊下の上で、ガックリと項垂れてしまった。

暫し落ち込んでいたが、身を起こすと壁に背を預けるように座り込む。
先ほど、この周囲のトラップを解除し、安全は確保している場所で、何も得るものがなかったが、帰ることも考えながらの小休憩をすることにした。
座ったまま周囲を見渡せば、明るく真っすぐな廊下。床も壁も天井も、鏡のようになっており、所々に記録用の魔法装置。
トラップの被害者の女性に何を期待しているのか、作った奴の趣味趣向は理解できたが、獲物が自分だと何も面白くないだろう。