2016/10/23 のログ
ご案内:「無名遺跡」にクラーラさんが現れました。
クラーラ > 薄気味悪い遺跡の中を奥へと進む女の傍らには、魔法で生み出された光の球体が彷徨っている。
周囲の壁はまるで生物の体内の様な肉壁で覆われ、地面を踏みしめる度ににちゃっと嫌な音が響いた。
魔剣を求めて踏み込んだはいいが、どうにも怪しいここは罠だったのか、それとも、これが魔剣が準備した試練だとでもいのか。
どちらにしろ不愉快なのは変わらず、少し顔を顰めながら、足音を響かせて奥へと進み続ける。

「っ……!」

角を曲がると、肉の塊の様な化物が姿を表す。
咄嗟にバックステップで距離を取ると、化物の体中から触手が飛び出し、こちらを絡め取ろうと襲いかかる。
刃に電流を宿した魔剣を引き抜き、届く前に触手を切り払うと片手に魔力を貯めていく。

「ショック……ボルトッ!」

少量の電気を小さな杭状に圧縮したそれを、投げナイフのように放つ。
化物の脳天と思われるポイントへ投擲すると、瞬時の到達と共にジュッと焼ける音を響かせて、きれいな穴を開けて貫通していく。
不気味な痙攣を起こしながら地面に転がる化物を見やり、小さな溜息を零した。

「……気持ち悪い」

グズグズに溶けて消えていく化物から放つ異臭に、口と鼻元を覆いながら傍を通り過ぎ、更に進む。
剣が反応する存在は、まだこの奥にいるようだ。

クラーラ > 奥の間に入ると、先程までの肉壁の一角とは異なり、普通の岩肌がみえてくる。
周囲に満ちていた嫌な気配も薄くなったような…そんな感じを覚えると、魔剣を鞘へと戻した。
懐中時計を取り出し、時刻を確かめると、ここに入ってからかなりの時間歩き回っていたことが分かる。
体に感じる倦怠感も、その疲れのせい。
ちょうどいい高さの岩に腰を下ろすと、腰のベルトに吊るしたポーチから、小さな瓶を取り出す。
水に満ちた瓶のコルクを外すと、常温になった水で喉を潤していく。

「――はぁ…」

これでは手に入れても、持って帰るまでに力尽きそうだ。
参ったなと思いつつも、ここまで来た以上行くしかなかった。
水筒を戻し、ポーチから取り出したのは飴玉。
口の中に放り込み、ゆっくりと舐めとかしながら甘みと香りで一休み。
乾燥させた果物なんかも持っているが、水分を抑えるためにも、今はこれで我慢。

クラーラ > 体を休めた後、彼女の進んだ先は…。
ご案内:「無名遺跡」からクラーラさんが去りました。