2016/10/21 のログ
ご案内:「無名遺跡」にフォークさんが現れました。
ご案内:「無名遺跡」からフォークさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にフォークさんが現れました。
■フォーク > 「おっかしいな。どこで迷ったんだ?」
フォーク・ルースはランプを足元に置いて、古びた地図を開く。
地図に描かれている✕印に従って歩いてみれば、山の中で鍾乳洞にたどり着いた。
鍾乳洞に入ってはや半日、道は複雑に入り組んでおり、さっぱりと出口がわからない。
手入れがされているところから、自然の鍾乳洞ではなく忘れられた古代の遺跡のようだ。
「地図にゃ洞穴の中までは描かれていないんだよな」
古道具屋の安売り市で30ゴルドという(彼にとっては)大金で購入したものだ。
やはり宝の地図などそうそう転がっているものではないらしい。
そもそも王都から僅か数時間で到着した遺跡なのだ。先客がいてもおかしくはない。
「しかし……もしかしたらドデカいお宝が眠っているって可能性もある」
フォークの頭に、財宝がたんまりと詰まった宝物庫が浮かんだ。
ムフフフ、と実に彼らしい欲にまみれた笑顔になる。
「とりあえず、もうちょっと先に進んでみっか!」
ランプを掲げ、また鍾乳洞を進んでいく。
■フォーク > 「それにしても広い遺跡だねえ。俺ァ、なんだか楽しくなってきたな!」
歌でもがなり立てたい気分になる。
当然、愉しいからではない。あまりにも進路の先が見えないので、やけっぱちになっているのだ。
生まれ育った傭兵団に伝わる歌を口ずさもうとしたが、ぴたりと男の足が止まる。
何がを踏んだ。
そっと、足を上げる。
凹んだボタンが地面に設置してあった。
「嘘だろ、おい!」
鍾乳洞全体が振動をはじめた。
振動は徐々に強まっていく。これは地面が揺れる音ではない。
「そぉらきた。俺の予感は当たるんだ!」
大きな岩が転がってくる。勿論、まっすぐ走るしか逃走経路はない。
男は全速力で駆け出した!!
「いい運動になるなあ、こんちくしょう」
■フォーク > 巨岩が徐々に迫ってくる。
「こういう原始的な罠があるってことは……やっぱり古い遺跡なんだな!」
男は全力疾走をしながら、両腕を振り回す。
前方に飛んだ。生まれ持った膂力で、地面を殴りつける。
躰が空中にある間、ずっと殴り続けた。
ごろごろごろっと地べたを転がり続ける。膝立ちのまま、巨岩の方を見た。
巨岩は、止まっている。
地面を殴りつけたことで激しい凹凸が生まれ、スプーンに乗せられた葡萄のように綺麗に収まったのだ。
原始的な罠には、原始的な対処法が一番なのだ。
「いててて……あ、指ケガしてる」
地面を殴り続けてそれくらいで済んでいるのが奇っ怪な話なのだが、
フォーク・ルースの探索はまだまだ続く。
■フォーク > 罠は巨岩だけではなかった。
壁面に記されている楽譜通りに音符のパネルを踏まなければ抜け落ちる床を走ったり、
崖と崖の間をロープ一本で移動しなければいけなかったり、
その他、もろもろの罠をフォーク・ルースは身体能力のみで渡りきったのである!!
「……なんじゃこりゃ?」
遺跡の奥の奥。行き止まりには古代文字で何かを記されていた。
「えーと、こんなこともあろうかと持ってきておいたんだよ」
古代文字の翻訳事典を開いて、記されている文字を一つずつ解読していく。
そして、全ての意味をしった後、男は肩を落として天井からぶら下がっているロープから外に出たのである。
行き止まりに書かれていた文字はこうだ。
『おめでとう。あなたはすべてのアスレチックコースをクリアしました!』
ご案内:「無名遺跡」からフォークさんが去りました。