2016/08/15 のログ
レン・レイト > 「いっそ狂えたらどんなに楽か」

くつくつと小さく笑いながらそう口零す様は普通に見れば
十分「頭おかしい」の範疇だろう。

「死ぬほど生きたい人がいれば、生きるほど死にたい人がいたって変じゃないんじゃない?
まぁ、僕はできるだけ死にたいけどなるべく死にたくはないからね」

なんて屁理屈のよう場言葉遊びを楽しそうに告げる。
そもそも人と会話すること自体ほとんどないのだ。
くそったれなシチュエーションだったがこうして誰かと久しぶりに話せて少しテンションが上がったのだろう。

「…レン。レン・レイト。まぁよろしく、先輩?」

普段は依頼者以外には名を告げることはない。一瞬名乗るか思案したが、
なんとなく名乗ってみた。
年頃が近いように見えるのに、自分より社会経験が豊富そうな相手に興味がわいたのだろう。

カナム > 「いい医者紹介しようか?」

なにこれもう十分おかしいと思うんだけど
神様…いや、もう神
手負いと頭おかしい救援ってどうなの?

「もう言ってることが滅茶苦茶すぎて訳分かんないよ…」

死にたいけど死にたくないってどっちなんだ…
死にたい奴の考える事はやっぱりよく分からない

「冒険者でもないから先輩とかやめてよ、じゃぁ死にたがりのレン君。
元気そうだから前衛を頼むよ。できるだけ戦闘は避けて出口に向かって一直線…戦闘になれば手伝うよ」

怪我の具合を考えてレンに前衛を任せる
入り口からここまでのルートは覚えている、ボスクラスの化け物が出てこない事だけ祈りつつ出口へ向かう

レン・レイト > 「結構。医者は信用してない」。

にっこりと微笑みながら断るが、その目は決して笑ってない。
しかし少年の過去に何があったかは知る由もなく。
変なものを見るような眼をしている相手にはニタニタと意地の悪い笑みを返した。

「はいはい、生きたがりのカナム。畏まったけど、後ろからぶっすりとか、戦闘で俺だけおいて逃げたりはなるべくしないでね?
めちゃくちゃ恨むから」

口はふざけているが、最初のようなイラつきや敵愾心はもう消えた。
すんなりと指示を出せる彼を頼もしいと…もう最後にいつそう感じたか、思い出せないような感情を彼に感じたから。
頭のけがも思っていたほどひどくないようですっかり癒えた。
道中の戦闘でかけてしまった槍を構えながら出口へ向かうさまは、若いながらも武人と端くれと呼べる佇まいだったろう

カナム > 「信用したほうが良い気がするなぁ…」

救いようがなさそうだ、仕方ない
まぁ僕は医者でもないし正義感に燃えてる訳でもないから放置しよう
この遺跡の中だけは頑張ってくれたまえ

「そんな真似しないって、2人とも死ぬだけって相手と当たらない限り逃げたりもしない。」

まぁそんな奴が出てきたら逃げる
二手に逃げてどちらに来ても恨みっこなしだ
にしてもこのレン、槍はぼろいけど扱いは上手い
流石に一流とは言えないが三流とも言えない
中堅冒険者って奴かな?
面倒そうな敵には援護の形で鉈で粉砕
しかし殆ど戦闘を任せていても大丈夫なので楽ができる

「この調子ならもうすぐ出口か、神様にとレンには感謝しないとね。」

レン・レイト > 「いろいろあったのよ…」
と遠い目。
とっても思い出したくもないのでこれ以上この話はしないだろう。

「じゃあ、そんときゃなるべくこっち追いかけるように囮になってあげるよ。
そのあとは死ぬ気で逃げるけど」

くすりと笑いながら、敵を切り、貫きながら進んでいく。
そして軽度?とはいえ手負いながら援護で敵を倒す彼の手際にわ舌を巻く。
万全の状態なら自分では勝てないかもとちょっぴりジャラシ―を感じつつ。
感謝…といわれれば、驚いたように目を見開く。ただ利害が一致しただけの関係だと相手は思っているのだと思った。
少なくとも自分は思っていた。感謝されるいわれはないと。
それでもその何気ない言葉が嬉しかったのか、てれを隠すように頭をかいて

「げ」

ひょっこり現れた大型犬ほどもある蟹のような敵。先ほど関節を狙ったが以外にも素早い動きに狙いを外し、硬い外殻で槍がかけてしまったのを思い出す。
テンション下がったのでそのままくそったれな同行者に先ほど任せたのだが、今回、なんと素手で殴った。
すると不思議なことに、蟹は内部から血を噴出して倒れた

カナム > 「出たな死にたがり、有難いから頼んだ。」

都合がいいので、そんな事はさせない!とは言わない
相手がそうしてくれるなら乗らない手はない

「…はぁ?」

状況整理
蟹を素手で殴る→蟹が血を吐いて死ぬ
…はぁ?

「レン君レン君、魔法や体術で殴った相手殺せるの?」

異様な死に方をした蟹を眺めつつ尋ねる

レン・レイト > 「あっはははは。歯に衣着せないね!…愉快、愉快」
彼の素直な返答に大爆笑。
このカナムという少年はどうにも自分のツボにはまるようだと
こんなに笑ったのもいつぶりだろうと目じりに笑い涙を浮かべて。

「いや?普通の人間とか一般的な魔物は普通に殴ったほうが殺しやすいよ」

そういっている間にもう数体現れる蟹。
ただ少年が無手で構え、殴り、蹴れば、そのたび水風船が割れるような音とともに蟹たちは死んでゆく。

「気って言うマナみたいなものが世の中流れてて、それを練って相手に体内に打ち込む技があるらしくてね。
こういう外殻固い奴は大体中身が柔らかいからよく聞くんだよね」

カナム > 「死なせはしないなんて言うほどの仲でもないし、僕は生きたがりだからね。」

めちゃくちゃ笑われてしまった
けどまぁ馬鹿にされてる感じでもないしいいか

「うわぁ…えっぐい……」

スプラッタな死に様を晒す蟹達
あんな死に方は嫌だランキング上位に食い込む死に方だ

「気…仙術……だっけ?
まぁよく分かんないけど、戦闘は任せてよさそうだね!」

ニッコリ笑顔で親指を立てる
堅い相手も援護は不要、戦闘はレンに任せて無問題

「さて、ラストスパートだ。どんどん行くよ~」

ズンズン出口へ進んでいく
レンのおかげで戦闘は楽々
特に困難にぶつかる事もなく…ついに外の光が見えてきた

レン・レイト > 「くっくっく、確かに確かに。
『そんなこと言うな』とか言っときながらいざって時に
すぐ裏切る奴なんかより億倍いいさ。
なんというか気持ちのいい奴だね君は」

機嫌がよくなったのか先ほどと比べ随分と楽しそうに話し、
口調も柔らかくなっている。
最初はイヤミっぽい敵意を込めて低く話していたが、きっとこっちが少年の本来の素なんだろう。

「人にやったときは内臓に結構なダメージ、頑張れば破裂ぐらいまで持って蹴るけど、
だったら普通に殴っても結果あまり変わらないけどね」

結局こういった魔物には便利だがあとは普通に殴ったほうが早いと語る。
見ればどうやら素手の方が多少だが槍術より得手としていることが分かるだろう。
実際に人の顔面を殴れば陥没させることぐらいわけなくできる。しないけど。

「ああ、確かそんな感じでした。やり方も、成り立ちもろくに教えてくれませんでしたからね。」

相手の援護の頻度がだいぶ減っただ少年は気にした様子もなく、
外の光が見えれば、ふぅ、と一息ついた

カナム > 「でしょ?
根は良い奴として有名なんだよ僕は。」

可愛らしく笑顔を向けてくれて、警戒心溶けてきたってことかな
最初のクソガキ感が消えていい感じ

「内臓にダメージって時点でアウトな気もするけど?」

殴って損傷させるほど力を込めなくてもダメージを負わせられる
それだけでもかなりのアドバンテージだ
素手でこれだけ戦えるなら槍なんて使わずガントレットのほうが良い気もする
槍の方が安全に戦えるけど

「適当な人に教えられたか…苦労するよねぇそういうの」

外が見えて着て一安心
魔物ももう居ない、死にかけからここまでよく来れた…

「はぁ、やっとここから出られる。
レン君、君が女の子だったら告白するぐらい感謝してるよ。」

表情筋も緩み肩の力も抜ける
緊張感が解けたおかげで軽口も出てきた

レン・レイト > 「自分で言ってちゃ世話ないけどね」

どうも彼とは普通に会話ができるようだ。
笑いながらも自分としてはだいぶ不思議な事なのでちょっと首をかしげる。

「ストレートにお腹殴っても結局同じぐらいダメージいく上に筋肉にもダメージ与えるよ?」

極めれば内臓にのみならず筋組織や神経をずたずたにしたりもできるらしいのだが、
今の少年の技量ではそれは無理で。
普通に殴りぬけるか貫手で串刺しにした方が早いのだろう。

硬い敵は殴りけり、そうでない敵は斬り、薙ぎ払って進む。

「そうなんだ。…恨んでるだよ本当に」

どこか遠くを見つめながら思い出す。
崇拝にすら近かった感情を頂いていたのに、
約束を破り、自分を捨てたあの人の背中を。

「あっはっは。なんだかんだ「僕」も助かったから。
僕も女の子だったら口説かれたいぐらいに感謝してるよ、カナム」

カナム > 「言わないと伝わらないしさ?
普通基準が分からなくなってきたよ…」

素手でそんな事できる輩がどれだけ居るか
少なくとも僕は得物、武器や能力を使った方が速い

「…教えてくれた相手を恨んでもいい事ないよ?」

少なくとも自分は師匠に感謝している
けど彼は…そうでもなさそうだね

「分かってるよ。まぁ遺跡の中で女の子と偶然出会うなんて絶対罠だし
とにもかくにも傭兵に用事があれば僕が請け負うよ、レン君
感謝してるよ?」

レン・レイト > 「そうだね。感謝は…もちろんしてるんだ。でも…捨てるぐらいなら、最初から拾わないでほしかったかな」

遠くを見る目は悲しげな、思いつめたような眼。
師に出会わなければ、自分は今頃もっと惨めだったであろうことは容易に想像できる。
ただ、それでも…何故自分を連れて行ってくれなかったのか…。
何故自分を捨てたのか…。
思い出す記憶が暖かなものだったからこそ、身が引き裂かれそうになる。

「こわいなぁ。そんな罠もあるんだ。うん、じゃあ何かあったときは頼んでみるよ。
こちらこそだよ、カナム。久しぶりに……久しぶりに人間らしく人と話せた」

カナム > 「信じてあげてないんだね、その人の事」

捨てられたと断定してしまっているのが少しだけ、寂しいな
レン君なりに考えた結果だとしても…もう少し信じてあげてもいいのに

「人間なんだかららしく話せて当然さ。
じゃ、またどこかで…今度は楽しい場で会いたいね」

それだけ言って歩き出す
身体を治して休んで…楽しい楽しい時間が待っている

レン・レイト > 「もともと理解の及ぶ人じゃなかったしね」

ふっとまた皮肉な笑みを浮かべて。
人を信じる…悉く裏切られてきた少年にはとてつもなく重い言葉だった。

「……ありがとう。そうだね、また会おう。今度はどっちも怪我してないでね」

クスリと彼を見送ってから自分も歩き出す。
少年らしい輝きを灯した目は、街に近づくにつれ
また直ぐに死んだ獣のようにくすんでいった。

ご案内:「無名遺跡」からカナムさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」からレン・レイトさんが去りました。