2016/06/01 のログ
エレイ > 扉の向こうは、そこ自体には何もない小部屋だった。
が、更に何処かへとつながっているのであろう扉が、正面、そして左右に複数見られた。
ふむ、と顎に手を当て思案し。

「……ようやくちょっとダンジョンっぽくなってきたじゃねぇーか。よし、とりあえず片っ端から散策していくことに決定した」

フッと笑ってそう宣言すると、まずは真正面にある扉をまた蹴り開けてずんずんと突き進んでゆく。
──はてさて、この日の男のダンジョン探索が実のあるものになったのかどうかは、本人のみの知る所。

ご案内:「無名遺跡」からエレイさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にアマンダさんが現れました。
アマンダ > 石造りの廊下を歩く一人の少女。
薄暗がりの中を魔法で作った光球による灯りを頼りに歩いていく。

途中、解除されトラップや開けられた宝箱、モンスターの死体を目にする。

「随分と奥まで行ってるんだ。」
少女は残されたトラップに注意を払いつつ奥まで進んでいく。

目的はここに行くと言い残して5日も帰ってきていない冒険者パーティの捜索。

同じギルドの冒険者で、ギルド内の実力は中堅よりも一歩先に位置する冒険者達であった。

ギルドの主人から話を振られた時、初めは断った少女であったが頼めそうな奴が皆出払っていると言われてしまい、
断る術を知らない少女は快く引き受けた。

やがて、少女は一枚の扉に行き当たる。

古代の紋章が施された扉。

冒険者達はここから奥に行ったのだろう。

少女が警戒しながら扉に触れると、扉は一人で頭上へと上がっていく。

扉が上がりきった所で少女は更に奥へ。

果たして進んだ先には何が待ち受けるか。

アマンダ > 扉が開かれ、更に奥へ進んだ先で少女は絶句する。

そこは古びた小さな闘技場であった。
闘技場の中央に祭壇が設けられ、その上には目も眩まんばかりの宝石や宝剣、いわゆる財宝がたんまりと置かれてあった。

その周囲で戦う四人の男。
眼は血走り、体中至る所から血が出ているのに誰も武器を下ろさず戦い続けている。

それこそが少女が探していた冒険者達であった。

4人は何度もチームで依頼をこなしてきた。 幾ら財宝の前とは言え仲間同士で争うことなどしないはず。

何故かはわからないが止めようと闘技場に足を踏み入れた時、少女は謎が解けた。

闘技場に入った瞬間空気が変わり、頭の中で囁く声が聞こえてくる。

争いの中に加わり、財宝を手に入れよと囁く悪魔の声。

少女は咄嗟に剣を抜き去り、己とその周囲に充満している魔法を薙ぎ払う。

少女の剣が動いた先から淀んだ空気は消え去っていく。

悪魔の誘惑を退けた少女は今も戦っている四人の冒険者の頭を剣の柄で叩く。

すると、冒険者たちは糸が切れたようにその場に崩れ落ちる。

早速手当をしようと回復魔法を翳す。

だが、既に手遅れであった。

元々通常ならば致命傷になるレベルの傷を互いにつけあっていた冒険者達。

魔法により無理矢理動かされていたものが、魔法が消えた今ただ死ぬのみであった。

少女の魔法は死んだ者を蘇らせるまでの力はない。

それでも懸命に魔法をかけるが、誰一人として助かる物はいなかった。

「ごめんね、もう少し早く来ていれば。」

死んだ冒険者たちの前で跪く少女。

せめて安らかに逝けるようにと、剣をしまい両手で祈る。

アマンダ > 冒険者たちの顛末は見届けた。
だが、少女はまだ戻るわけにはいかない。
先程まで充満していた魔法の元を探らなければ。
少女は立ち上がり、剣を抜くと周囲を見渡す。

己の魔術的な感性を研ぎ澄まし、闘技場を探りまわる。

やがて、中心部分、つまり財宝のある位置より再び魔力が放たれていくのを感じる。

見ると、財宝の山よりこちらを呪う声が聞こえてくる。

この財宝はお前の物だ。 ここに残ってお前の財宝を護れ。

声はそう囁いてくる。

だが、少女は剣を持ち直すと財宝の山に駆け寄り縦に切り捨てる。

財宝の山から断末魔の声が聞こえ、やがて色とりどりの財宝は何故か灰の山へと変わっていく。

アマンダ > 灰の山は風に流され消えていく。

少女はそれを見届けると剣をしまいその場に座り込む。

これで新たな犠牲者は出ないだろう。

だが、今日の状況をギルドに報告しなければならない。

アマンダ > 冒険者達の亡骸より、遺品として持ち帰れそうな物を探す。
最後まで握っていた得物を4つ手にすると、少女は帰還用の魔方陣を展開する。
それを潜り、ギルドへと戻る。
後はギルドの主人に報告を済ませ供養をする。

ご案内:「無名遺跡」からアマンダさんが去りました。