2016/03/24 のログ
ご案内:「無名遺跡」にエリミアさんが現れました。
■エリミア > どぉぉぉぉっ、せぇいっ!
ふう、これで何匹だっけ。
(山の麓にある遺跡に、裂帛した気合いの声が響き、少女の細腕で角を掴まれながら、思い切り壁に叩きつけられた牛頭の魔物が嫌な音を立てて絶命し、断末魔と共に崩れさっていく。
少女は掴んだまんまであった折れた角を投げ捨てればそれも塵に還り、カンテラの光に照らされた通路に静寂が戻る。)
全くもう、出口はどこなんだろ…。
(遺跡の噂は聞いていたものの、まさか今日の寝床にしようとして入った横穴が崩れてそんなところに通じているとは夢にも思わなかった娘は、ぼやきながらカンテラ片手に周囲を伺った。
人目がない分、普段より派手に暴れていた少女は、衆目を憚らない行動ができるようになっていた。
軽く意識を集中させると、その髪が何房かに分かれるように束ねられて伸び、やがて粘液を滴らせる触手の形に変えると、それをスルスルと伸ばして進む先の道へ這わせ隈なく探っていく。
最初に横着して罠にかかり、1時間近く羽根で擽られ続けて悶絶した経験から、少女の警戒心も強まっていた。)
■エリミア > ん、この先は何にもないね。
(触手を伸ばせるだけ伸ばした先に、違和感のあるような感触は見当たらなかった少女は、ずるるっと触手を引きずるように戻すと、髪から変じた触手は短めの髪に戻る。
魔法的なことになると、触手を伸ばしての探知も難しいため考えるのをやめ、閉所では使いづらく背負ったままのグレイヴの代わりにナックルガードを構えた少女はカンテラを掲げつつ進んでいく。)
…うぅーん。
(やや広い空間に出たはいいものの、已然として出口と思わしき物はなく、むしろさらに下に進んでいっているような構造になっていて、少女の渋面は深まるばかりだった。
しかし立ち止まっていて何も始まらないと思い立ち、心持ち足早に先を急ぐ。)
あれ?ここ通ったよね?
(しかし、気が付けば再び見覚えのある広い空間に出て、少女は首をかしげる。
フロア全体に魔法の迷路ができており、間違った道を進めば最初に戻される仕掛けであるのだが、魔法の知識に乏しい少女には自分の身に何が起きたかも理解できていなかった。)
■エリミア > あーっ、もぉ!…はっ?
(何度も進んでは戻される罠の仕組みに気付かずに苛立ち始めた少女は、腹立ちまぎれに思い切り背負っていたグレイヴを投擲した。
しかし、その突き進んでいく一本の槍が急に中空で掻き消えて、少女は目を見張る。)
いぃっ!?
(直後、後方から風を切る音が聴こえて咄嗟にしゃがんだ娘の上をグレイヴが突き進んでいくのがギリギリで見えれば、慌ててそれをキャッチして荒い息を吐きながら高まる鼓動を押さえ込もうとする。)
そ、そういう仕組みなんだ、あ、危なかった~…。
(冷や汗を垂らしながらやっと理解した迷路の仕組みに、少女は汗をぬぐいながら立ち上がると、よく見れば石畳が均等なパネルのように仕切られていることに気が付いた。
またも触手を取り出した少女は、触手がこちらに戻ってきた道は違うという風に道を割り出せば、見つかった通りの道を進んでその罠を踏破できた。)
もっとこう、酷い罠があるって聞いてたんだけどなぁ?
(たまたま少女の通った場所がそうだったのか、興奮しながら襲ってくる魔物はいても未だに卑猥な罠に引っ掛からないことに首を傾げながら、さらに奥へと歩みを進めていってしまう。)