2016/01/19 のログ
ご案内:「無名遺跡」にアンリさんが現れました。
ご案内:「無名遺跡」にハスタさんが現れました。
アンリ > 「なんか子供扱いされてるみたいでさ。
 わ、…私くらいになると褒められるとかいつものことだし?」

ふっふん、と腕を組んで、ぷい、と顔を斜め上に持ち上げる。
全力のお嬢様アピールをしながら……まあつまりは、褒められ慣れていない、と受け取ったのだろう。


「うぇっ!? へ、変身!?
 ……お、お父様ならできたかもしんないけど、私はまだ無理だなぁ………」

頬をぽりぽり、視線を横に。
憧れもあるが、全力で変身しようとしてセキセイインコになった経験上、しばらくは試すまいと心に誓った古い傷。
ああ思い出したくない。


「……なーるほど、つまりは制御しきってないけどとりあえず目から力を出しちゃってるから瞼が焼けるし怪我もするってことかしら。
となると、この辺りに集中して………
落ち着いて………私の力を目に貯めるように………」

こめかみの辺りをきゅ、っと指で抑えて集中する女。
瞼をか、っと見開けば、その瞳は真紅ではなく、魔族本来の黒い魔力が蠢く。

「ダークネスビーム!」

黒い光線が放たれてゴーレムの胸に穴を穿ち、爆発四散する。
…ふん、っと鼻を鳴らしてマントを翻す女。……できた。

「尻から!? って嘘!?」

振り返って更に驚く。嗚呼もう! と怒りながらその場で地団駄しても致し方なし。


「………か、かっこよくて可愛いのは当然なんだけど、そりゃ、おさわりなんてその、ダメに決まって………」

もじもじしているところのハグ。
それを、ぐ、っとスウェーバックで避けてからの。

「な、……っに、してるのよぉぉっ!!」

反動をつけた右平手をぶち込まんとする!

ハスタ > 「子供扱いなんてしてませんよ。ぐへへ、良い身体してますしね。
ああうん…そーなのかー。」

おっさんは苦笑い気味に彼女の言葉に意地悪っぽい笑み浮かべて頷いた。
顔に出やすすぎて、或いはこういう所も純粋なんだなぁと思う。
一方のおっさんは純粋のじゅの字もないような腐れ外道だが。

「ほう。お父さんが。…ふむふむ、変身ってのは割と結構ポピュラーな魔法なんだけどさあ。
ああいうのって、一定以上のレベルになったら逆に使わんのよね。自分が自分として在る事へのこだわり!
っていうかね。
ま、おじさんも使えない事はないですよ。ホレ。」

ぼわわんとコミカルな効果音と真っ白な煙が沸き出すと、
筋骨隆々の大男が一変、身なりの良い頭の良さそうな黒髪青年が煙の中から現れる。
片足で立って謎のポージングをしながらキメ顔をしていた。

「どうも。ホレ。」

しかして内面はおっさんの軽薄なノリのままである。
続いて青年からそれなりに清楚っぽく落ち着いた風のある黒髪のお姉さんに。

「はぁーい♪でもさあ。」

お姉さんがウインクしたかと思えば、もう一発煙が上がって…、
そして筋骨隆々なおっさんに元通り。ここまで10秒一回のペースでチェンジマイズしている。
おっさんレベルの変態になれば変身魔法もなんのそのである。

「こういうのって、虚しくない?自分の姿偽って何が楽しいんだか。おじさんには分かりません。」

肩竦め両手広げ、悲しそうな表情で項垂れた。


「そうそう!そゆかんじそゆかんじ。お、いけるいける、今だ撃ってー!」

こうして暗黒レーザーがもはや当たり前の様に被害担当官のゴーレムさんに突き刺さる。
可哀想である。

「あの。ちょいと聞きますけどアンリたん。もしかしなくても人間じゃないよね。」

おっさんは魔力にも鋭敏である。しれっとそれとなく人外めいた膂力と魔力を嗅ぎつけて、
当たり前よね?くらいのニュアンスで聞いた。かくいふおっさんも魔族である。

「尻から魔法出すアンリたんもカワユイと思いますがね。嘘です嘘嘘、冗談だから安心してー?」

右掌をパタパタふってニヤけた。なんならナデナデして宥めようともした。ごく自然に。


「御触りさせて下しあっ?!」

抱きつこうとする→スウェーバック→平手喰らう

からの吹っ飛びの流れまで完璧であった。
おっさんは重力の法則を打破してゴーレムをふっ飛ばした彼女のパワーで円を描いてぐるんぐるん吹っ飛んでいけば遺跡の壁に吹っ飛んで減り込んだ。

「お願いします助けてください。何にもしませんけど。」

おっさんは上半身を壁に埋めてしまったのだ。誰がどうみても尻だけ出してる変態のそれだった。
いやべつに出ようと思ったら出れるけれど。彼女の反応見てみたさで尻振りながら御願いした。自業自得である。

アンリ > 「ふ、ふっふん、いいでしょう?
 やっぱり? 良い?」

当たり前、という雰囲気でポーズまで決めつつ、……改めて目を輝かせながら確認する辺りは、自信が無かったのか、比較対象がいなかったのか。
セクハラと言う捉え方ではなく、嬉しそうだった。

「………そういうもんなのねー?
 確かにあんまり使ってるところは見ないわね。
 釣りが趣味だから、魚になって研究する、とかは言ってた気がするけど。

 どーかなー、舐められたくないとか、いろいろ分からなくもない気はするけどね。」

おおー、っと七変化を見ながら、瞳をぱちぱちと瞬かせる。
やっぱりこの男、ただの人間ではないな、という確信めいたものを持ちながらも、シリアスになる暇なんて与えてもらえない。


「………………人間離れしてるって意味ならそうかもしれないわね。」

はっはん、冷や汗をダラダラと流しながら偉そうにポーズを取る。
尻から出すとか言われても明白にリアクションを取れないくらいには冷や汗である。

「………何撫でてんのよ!?」

思い切りなでられてしばらくしてから、ようやく気がついたようにツッコミが入った。
こらっ!


「………えー? 別に助けなくてもいいかなーって気がしてきたんだけど。」

背後からぶーたれた声が近づいてくる。
文句を言いながらも、迷うことはなく服を引っ掴んで。

「……一気に引き抜いたら痛いかな。
 壁、ちょっと持ち上げるから出られるー?」

なんて、当たり前のように言うのだ。 実際に助けない、なんてことは微塵も考えていない様子。

ハスタ > 「ま、地力で出られるんですけどね。」

それが当たり前みたいに埋まってたおっさんがむっくり壁面から姿を現した。
そして事も無げにお話を続けた。

「………ああうん。もうね、凄い良い身体だと思いますよ。抱きたい。」

何か鳩が豆鉄砲を食ったような顔していた。セクハラだったのに誇らしげにされるんだからそれはもう。
ナチュラルに変態発言を続ける、それがおっさんであった。

「そうそう、…ってなんですかお父さん。おじさん変態行為が趣味だけど女の子になって研究とかしたことは…多分ないよ。
んなもん見た目なんて飾りよ飾り、ドラゴンみたいな見た目してても見掛け倒しって事もありゃ、
スケルトンがちょーつえーことだってあるんだって。
見た目で舐めてかかる奴の器はたかが知れてますよ。ね?」

窘める様にうんうん持論に満足げに頷きながらまた彼女の頭をぽむぽむ撫でようとする。
変態はしつこい。


「ああうん、おじさん怒らないから正直に言ってみ?」

何この間。とツッコミ入れたかったけどおっさんは温和に、まるで学校の教師の様に彼女に問った。
だがこの後怒られることが学校では定石である。
相変わらず感情が豊かだがほっぺたの冷や汗を指で拭おうと試みたりも。

「あ、だめだったかな?こう…なんだろう、愛でたい。みたいな。」

おっさんは正直に答えた。嘘一つ吐いてないのが逆に厄介である。


気を取り直しておっさんは崩れた壁面に頭から突っ込む。

「タスケテー。」

後ろに伸びた足をジタバタさせながらそれはそれは棒読み加減で助けを請うた。
このおっさん、何がしたいのだろうか。

「アンリたんは何だかんだ良い子よねー…。」

のほほんと結局助けてくれそうな雰囲気漂わせてくれたので気を良くしたらしく、
ほろりと涙を流しそうになりながらやけに感傷気味な声が壁の向こうで響いた。

アンリ > 「出られるの!?」

やっぱりツッコミを入れざるを得なかった。こんにゃろー、っと不満気に唇を尖らせて。
助けようとして損した、なんてぶつくさ。

「………ば、ばっかじゃないの!? 褒めるにしてももっとこう、間接的な……そういうのあるでしょ!?」

顔を真っ赤にしてぷんすか怒る。怒るしかないのだ。
さすがのさすがに、抱きたいが何を意味しているかくらいは知っているらしいぞ!


「………正直に言ったら怒られるのっ!!」

うがー! っと腕を振り上げて怒る魔王。ほっぺたの汗を拭われながらも、真実の主張を続ける。
正真正銘、どこから見ても人間です! 見た目は!
ぬぐぐ、と不満気にしながらも、頭を撫でるくらいで目くじらは立てなかった。

「愛でるって、私みたいな大人のレディ相手に言うことでも無い気がするんだけど……?」

やっぱり不満気ではあった。
まあそれでもなでられるがままなのだけれど、自分から顔を壁に突っ込み始めるとオウコラ、とツッコミを入れざるを得ない。

「……絶対助けない。さっき教えてもらった打ち方でお尻叩いてやる。」

そんなことを言いながらも、ほら、早く出なさいよ、なんて壁を押す気配がする。
誰が良い子だ、なんてぶつくさぶつくさ。

ハスタ > 「そりゃもう。出られなかったら何?あそこでゲームオーバー?無名遺跡の触手ちゃんの餌食なんておじさんはやーよ♪」

頭突っ込んだかと思えばまた頭がもぞもぞ、遺跡の壁面から飛び出した。
久々に出た光魔法、口から緑色の♪マークが溢れた。正直気色悪い光景だ。

「んぅ?!あら。ごめんなさい、でもおじさんは素直だからね。仕方ないね。間接的なって?
ちゅーしたいとか、下のお口と繋がりたいとか、そういうのかね。
ま、可愛い女の子がこんな暗闇の遺跡で一人歩きしてたらそりゃあもうね…アッハッハッハ…。」

段々と卑猥な言葉を自重しなくなってきたおっさん。
彼女がおっさんの言った言葉の意味を理解してたことはちょっと意外だったらしい。
が、そういう事も知ってるっておっさんも認識したら調子に乗って笑いだす始末。

「それはつまりキミが人間じゃないと言う事を暗に意味しているのだね!ほうわかった。
ま、ゴーレムと杖で殴り合える物理使いなんてそうそう居ないって。そう怒りなさんな?
怒った顔も可愛いがね。」

まぁまぁ落ち着きたまえよと余裕綽々に彼女の髪を撫でおろしながら、
両手を上げる素振りにそっと肩をとんとんと叩いて宥めた。

「ほう、なればこれから大人な時間を過ごすとかどうだろうか。かんわい~ぃレディちゃんの、
んぅっ…ところでおもったのだが、アンリたん。処女っぽいけど処女なの?」

さっき突っ込まれたばっかりなのにおっさんは性懲りもなく頭から壁に突っ込んだ。
結構な石頭であるが、けが一つないのは魔法の力である。魔法の力って凄い。

「Σ一本足打法?!あれ痛いんだって!やめて!」

おっさんから黄色いΣマークが飛んでくる。ただし今度は尻から出た。顔が埋まっているから仕方ない。
しかし何だかんだ助けてくれるみたいで、

「ふぅ、ありがとう…助かった。」

壁から出たおっさんは一息吐いた。何だこの子凄く良い子じゃないか。
っていうかこんな子外に出歩いてるだなんてまだマグメールも捨てたものではないなと思うおっさんは、
太古から棲息する異界の魔王が一柱であった。情けない。

アンリ > 「あー、触手? 確かにちょっと絡まれたけど、あれって捕まるとヤバイの?」

基礎スペックが高い女は、気合と力と炎でぶった切って堂々と歩いてきたので、
あれがどんなものか知らないのである。
♪を黒い目から光線で破壊して、ふん、っと鼻を鳴らす。もう使いこなせた。

「ば、ば、ばっか! ああもう! 今度触ったら本当に焼くからね!
絶対許さないんだから!」

本当に耳まで赤くしながら、むきー! と地面を杖で叩く。
……お付きの吸血鬼モニカにショックを受けない程度に上手く包んで教えてもらった。


「ふぇあっ!? あ、ああ、いや、その、人間だし。
………に、人間離れして、その、確かにそういうところもあるかもしれないけれど………。」

言い訳が下手だった。肩をとんとんと叩いて宥められれば、うぅう、っと視線を外に向けた。
しまった、バレてしまった。 くっ、口車に乗せられるとは………!

「……っぽいって何よ!
お、お、教えてあげるわけないでしょ! なんでそんなこと教えなきゃいけないのよ!」

誰が言うかっ! と真っ赤になって怒鳴りつけて、杖でガンガン地面を殴る。
先ほどから怒っては抑えて、怒っては抑えての繰り返しで、地面が程よく割れている。

「………ほんっとに次やったら杖で遺跡の外まで打って飛ばしてやるんだから。」

ジト目で睨みながら脅し文句を口にして、杖をギュッと握りしめる。
特にスレていない系魔王だった。

ハスタ > 「うん、あれはやばいぞー。なんならアンリたん。体験してみるかね。しょくしゅぷれい。きっと気持ち良いゾ~☆」

おっさんはかの触手のモノマネなのか、左右の手をウネウネうごかした。あんまり似てない。
♪に続いて☆マークも飛ばしたが、彼女の魔法への適性は侮れない。
というか光魔法は無害である。たんなるエフェクトなのに何故こう片っ端から破壊されているのだろう。
おっさんはちょっと悲しかった。

「焼かれても元に戻るから大・丈・夫っ。ははは、ごめんごめん。
セクハラくらい許しておくれよ?ね、一人で可愛い子がウロチョロしてるんだから、ねっ、ねっ。」

しつこく彼女に迫るのだが、杖を叩くそのパワーは恐らく計り知れぬものだろうか。
まっかっかな彼女はよりおっさんの悪戯心を駆り立てた。

「もう誤魔化せませんし。ってかさっき魔王究極奥義とか言ってたからね。おじさんも言ってたけど。」

こうしておっさんの御触りが再開する。
彼女の頭を撫でながらもその胸に付けた狙いを外すことはなく、隙あらば揉もうとする。

「っぽい!
何か素振り処女っぽい。可愛いなあ、ああどれ、誰も見てませんし、ちょっと脱いでごらんなさい。
いっそしょくしゅぷれいしてみます?この辺適当に回ったらうじゃうじゃ出てくるし。」

まるで土属性の魔法の如く地面が割れて破片が迫るがおっさんは気にしない。
手をワキワキさせながら厭らしい手つきで執拗に彼女に迫った。こけた。

「おいおい場外ホームランってか?!しかし、あれだな。
出来る範囲で何か御礼をして進ぜよう。何が良い。ナニが良い?あ、セクハラ禁止とかはナシでっ!」

にまにま変質者っぽく笑いながら、変質者同然の質問。
元気よく先に釘を刺した。何が何でもセクハラしたいらしい。
頭のネジが幾つも吹っ飛んでいるだけはある。

アンリ > 「え、遠慮しとくわ。なんか私の高貴な感じが思いっきり損なわれる感じがするし。
あと本能的になんか嫌。」

びく、っと体を震わせて一歩後ろに下がる。
何が巻き起こるのかさっぱり理解していない彼女であったが、完全に本能で拒否反応を示して、首をぶるぶると横に振った。
きっと正しい。

「ダメに決まってんでしょ! セクハラくらい、って何よくらいって!」

腕を組んできっぱりと言い放つ。
真っ赤っ赤であっても判断はブレたりしなかった。

「ぁ、ぁあーーー、あー、あれー、はー……
魔法使いの、一番上……みたいなー……意味でー…………
ぬひゃぁ!?」

また揉まれた。びっくん、っと身体を跳ねさせながら一気に距離を取って離れんとして。

「誰が脱ぐかっ!
あと触手はその、………え、遠慮しとくってば。」

冷や汗を浮かべながら首を横にふる。
なんか目の前の男が二度も勧めてくることから、とんでもないことが起こるんだな、と察したらしい。
強気な彼女には珍しく、怯えたように一歩二歩後ろに下がる。


「んー………? お礼、ねぇ。
そーね、もっとこう、私に似合うっていうか……王様みたいな? 高貴な感じ?
そういう格好は欲しいかなあって思ったりするんだけど。」

くるくると回って、ぱ、っと両手を広げて見せたり。
普通の魔法使いの格好ではあれど、場違いな豪勢なマントがひらひら揺れる。

ハスタ > 「ああうん…高貴ね…。良いじゃないの、こう、地に転落する感覚も意外と悪くないそうですよ。おじさんは勘弁だけど。
本能凄いね…うん。」

気付けば猥談を振っているのが日常茶飯事なおっさん。
確かに彼女の身なりやら立居振舞は高貴なものだが、外見の年齢に反して色々と幼い。
おっさんはそう思っている。

「ううむ、逆に聞くが、いままでセクハラされたことはなかったのかね。
どうにも反応が初心っちくて可愛いぞー。」

おっさんはまた彼女ににじり寄って、何かしらセクハラ行為を働こうとするのだろう。
服越しであれ体に触れようと試みてニヤけるあたり、どうにもならない。

「アッハッハッハ…なんだ、可愛い声だしちゃってー。ほれほれ、どんどんいくぞー。
まてまてまてまてぇ。で、…何?魔法使いの一番上なら魔法王とかの方がいいんじゃない?」

その辺どう?と尋ねながらピョェエエエェンと謎の効果音と共に転移魔法にて逃げてった彼女に追い縋りつつ。
折角ひともみ出来たけど、残る感触は切ない。

「ふふふ…貴女はだんだんぬぎたくなーる…ぬぎたくなーる…。
…ふむ、ダメかね触手。あれが意外と気持ち良いらしいぞ。」

おっさんは催眠術を使った。人差し指をぐるぐる回して彼女に呪詛の如く唱えかける。
そして軈て後退した彼女に合わせて一二歩たったか迫りよる。
おっさんはでかい。故にプラマイゼロ、寧ろプラと言った具合に距離を詰めて。
頑なに触手にNGを出されるけどおっさんの押しもしつこかった。

「ふむ、成程…ああ、良い身体ですね。ふーむ…高貴な感じ、ねえ。
じゃあすっげーえっちい真っ白なドレスとかどうっすか。この場で即席で作れちゃいますよ。
なんてったっておじさん錬金術師ですからね!!」

得意気に人差し指をクルクル回す。おっさんの纏う衣装が貴族服やら袴やらに早変わり。
おっさんは錬金術も得意である。
ついでに目前にばばんと現れた豊満な、しかし豪勢なマントが目立つちょっとかっこつけちゃったポイントが可愛く映える
魔法使いの彼女の胸に手を伸ばした。やる事は変わらない。

アンリ > 「ぜっったい、嫌!
本能がなんか言ってるの! 興味本位で触ったらヤバイやつだって!」

ばん、っと主張。猥談を振られてもなんかそれが当たり前過ぎて気にならなくなってきた。
いや、全部拒否して拒絶してきてるんだけれど。

「……んー? ああ、私はむしろ他人とつるまずに一人で動けって言われてるからさ。
他人とつるむとレベルが合わないんだってさ。
まー、当然っちゃ当然なんだけどね。

ま、魔法王、ね。 そ、それもいいかもねー?」

待て待てーと言われて追いすがられて、ひい、っと思わず声が出てしまう。
まあ、他の人と混ざって每日過ごしたら、その違和感はすぐに気が付かれてしまうだろう。
一匹狼の変わり者、という立ち位置で過ごしてきたらしい。

「……ぇ、っと。 ……誰が脱ぐか! あと触手はいいの!
……ぇ、いや、そんなに気持ちいいの……? ………ああいや! 興味とかないからね!!」

一瞬瞳のハイライトが消えかけて、はっ、と気がついたように頭を振る。
魔王の潜在魔力は例え元魔王であっても、小物であっても、腐っても鯛である。

「んー? ちょっと待ってよ、その、すっげーえっちぃ、って単語いらなくない?
高貴と反対じゃない?
あーと、真っ白なドレスなら普通のだと思うんだけど?
一体どんなの作るつもりなのよ……」

衣服を作ってもらうこと事態は分かるんだけれど、相手の言葉に訝しむように視線を向けて。
流石に真正面から胸に手を伸ばせばスウェーバックで回避した上で、その手の甲をぺちんと優しく叩く。
あしらい方もそこまでハードではなかった。

ハスタ > 「なぜわかってくれないんだッ!!おじさんはこんなにも訴えかけているのにっ!
くっ、だめなのか…そうか、おじさんは悲しいぞ!!」

第一形態やられた時みたいなぐぬぬ顔で拳を握りしめ身を震わせて悲愴感に暮れる。

「ほう、つまり処女である可能性が素粒子レヴェルで存在していると。
何かしれっと自慢されたけど当然だもんね!それが。まぁよいぞよいぞ。
これから魔法王なアンリたんを頑張ってセクハラしちゃうぞー。」

可愛い声上げた彼女に迫ったらやる事は変わらなかった。
転移魔法で追いついたなら言葉通り手を気色悪く動かして迫る。
おっさんもそろそろそれが当たり前になってきた模様。
人目に触れてないというのが大きな理由だが大丈夫なのだろうか。

「お、何か今の効きかけた?!よし、おじさんももう少し頑張ってみましょ。
ほれほれー、脱げ脱げー、触手じゃ触手ー…。うん、何かもう癖になっちゃうくらい気持ち良いんだとさ。
おじさんはよう知らんけどね。」

おっさんはお得意の咒術とやらを行使する。六芒星の魔法陣を描いてそれはそれは魔力の無駄遣い。
おっさんの呼びかけについつい答えてしまうという厭らしい魔法だった。
勿論、効けばの話だが。

「こう、うっすい生地でさ、見えちゃいけないところが見えちゃうやつとかね。
高貴とえっちいって反対かな…?おじさんそうは思わんけども…。
じゃあ何かい、もうちょい清楚な方が良いか。なら…あれだ、学園の制服とか、
ああいうのはどうかね。ああ、それとも異国の和服、なんてのも良いか。
…取り敢えず採寸するから触らせなさい。」

綺麗に避けられて優しく叩かれる。ここまで完璧に一連の流れだった。
おっさんは受け流された方向にすってんころりんした。

「優しいね…おじさん感動だわ。まぁよい、取り敢えず胸のあたりがキツいとは思うが…
ううむ、こんなもんでいいだろうか。
普通のドレスだけどさ、これも結構えっちいのよ。ええ。」

全体的にまぁまぁ小さ目の丈が長くて露出が多そうなワンピース型の真っ白なドレスを何処かから取り出した。
特に胸元と背中の露出具合が高そうである。
錬金術というのは摩訶不思議である。
気付けばさもそこにあるのが当然であるかのように振る舞う。
ただし消耗は多いし知識があほみたいに必要なので好んで使う者もあんまりいない。

アンリ > 「誰が分かるかっ!!
………ぜぇーったい言ってやんないし、何よりセクハラやめなさいよっ!!」

転移魔法で追いついてきた相手をギロリと睨んで、杖を構えてぐるる、と唸る狂犬。
これ以上近づいたらぶっとばすぞー、と目と雰囲気で語りながら、六芒星の魔法陣も睨みつけて。

「…………ぇ、っと。」

また一瞬ハイライトが消えかけて、服に少し手をかけて。

「……っだあぁああっ!! やめなさいよ!
………く、癖になるとか嘘ついても、ダマされないんだから!」

はっ、とまた気がついてぶんぶんと首を横に振る。
潜在魔力は十二分。なんとか抵抗しようとしてできているレベルなことは分かるだろう。


「………んー、見えちゃいけないところが見えるのは、服としてどーかなーって思うんだけど。
制服とかはいいかも?
和服ってのはあんまり知らないけど、………ああいうのって可愛いと思うのかしら。

って、それなら遠慮しまーすっ!!」

さらりと回避したところで取り出される真っ白なドレス。
わ、っと驚きの声を挙げてしまうけれど。

「……着替える場所なんてここには無いから、持って帰るけど。」

とっても無慈悲なことを言うのであった。

ハスタ > 「やってみないとわからんでしょうが!皆最初は嫌そうだけど、終わった時には凄い幸せそうだから。
いやもうね、セクハラってのはおじさんの生甲斐みたいなもんですから。」

威嚇っぽい振る舞いだけどおっさんには可愛くしか見えなかった。
故に狂犬の棲み処へとスキップ前進していくのである。変態である。

「お…?!」

やったか。そう思ってニヤけたけれど。

「ぬうううんっ?!惜しい。いやいや、あれが結構クセになるんだって。
ま、まぁまぁ…取り敢えず脱いでごらんなさい?は、話はそれから…ねっ?」

苦し紛れにウインクするが、どう考えても迷惑であるし腐れ外道である。
ここまで良くしてもらった良い子相手によくもこんなことが出来るものだと呆れられても仕方ない。

「うむ、しかしそういうエロ衣装なるものがこのマグメールには往々にしてあるらしいぞ!
学園制服はあれかな、ブレザーとかワイシャツとか。和服っていうのは…あれだ、
海の向こうの東洋の国で着られてる服らしいが、結構良いデザインでイカしてるのさ。そうは思わんかね?

なぜだああああっ!!!」

ばっさり遠慮の一声挙げられてしまったのだ。おっさんは頭を抱えて項垂れた。
と、その刹那に六芒星魔法陣を発動し、呪詛のワードをタララララララッと綺麗に具現化させて彼女に
また咒術を行使して…。

「いやここで着替えなさいよォ?!誰も見てないんだし!!」

非常に無慈悲な言葉にカウンターをかけようと試みた。

ご案内:「無名遺跡」からハスタさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」からアンリさんが去りました。