2015/12/04 のログ
ご案内:「無名遺跡」にベルフェゴールさんが現れました。
■ベルフェゴール > (この少女の通った後は、触手などの魔物のトラップ達が、あるものは引きちぎられ、あるものはすりつぶされ、とにもかくにも蹴散らされて辺りはスプラッタ状態である。その中心の少女はふわふわと浮きながらウトウトと今にも眠りそうで、それでも遺跡の奥に進んでいく)
『ん~、面倒くさい…けど、こればっかりは…』
(目的はこの遺跡の財宝…と言うより、古い魔導機械などから採れる鉱石の一種が欲しい。自分は基本的になんでも機械にやらせるのだが、こればかりは選別が難しく、プログラムできないことに起因する。魔導機械の開発、これは怠惰の魔王を働かせる数少ない理由の一つだ)
■ベルフェゴール > (この少女がトラップを裂けたりせずにむしろフラフラと蛇行しながら進むために、手あたり次第のトラップを作動させて、それで襲い掛かってきた魔物を見えざる手がかたっぱしから叩き伏せているためだ。完全オートなので少女自体は意にも介していない)
『エッチぃ子たちは嫌いじゃないんだけどね…。あと…で』
(またもや襲い掛かって、拳法の達人の腕が20本になって早回しでフルコンボを叩きこまれたように、一匹のイソギンチャクみたいな形をした魔物がミンチになりながら吹き飛ばされていく)
■ベルフェゴール > (こんな調子で暫く進んでいれば、何やら巨大なモンスターじみた魔導機械が現れた。いかにも、何かを護っていますと言わんばかりのゴーレムだ。そのゴーレムが巨大な拳を少女に振り下ろした刹那、動きが止まる)
『あ~、あったあった…コレだ……』
(見えざる手に捕縛されたゴーレムは身動きが取れなくなっている。先ほどまでと違って殴り飛ばすのではなく捕縛。これには少女の意志が込められている。ゴーレムにかざすように片手を上げて指を器用に動かせば。関節部から的確に解体去れるようにゴーレムがバラバラに分解されていき)
『…ゲッ…ト…』
(少女の前に浮いているのは直径1mほどの宝石の原石のような赤い鉱石だ。少女はこれが欲しかった。)
■ベルフェゴール > (その宝石の塊をクマのぬいぐるみの背中のファスナーから中に押し込む、体積を無視するようにするっと飲み込まれて)
『……これで、新しいの作れるぞ…っと』
(自らも、そのぬいぐるみの中に滑り込み。さらにはぬいぐるみ自身も身体をファスナーの中へと押し込めば。その姿は完全にかき消えて)
ご案内:「無名遺跡」からベルフェゴールさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にエレミヤさんが現れました。
■エレミヤ > 普段お世話になっている冒険者ギルドの仲間に連れられてやってきた無名遺跡。
今回は浅い区域に存在する魔物狩り、と言う事で少女も面子の仲間入りを果たした。数時間程遺跡に潜り、ある程度狩っている内に、知らず知らず区域深くへと進んでしまっていたらしく、引き返そうとした矢先、一歩踏み出した足が床に沈んだ。
正確には、床の一部分が、重さに反応して押し込まれた。
分かりやすいまでのトラップである。
がこん、と重い何かが開く音がした、と思った次の瞬間には階下へと滑り台の如くボッシュート。
「ひゃああああああああ?!??!?!」
間抜けな悲鳴と共にやけに滑らかな石造りの滑り台に運ばれる儘、辿り着いたのは薄暗い空間だった。
周囲はよく見えない。きょろ、と視線を動かしながら杖に明かりを灯そうとして、やめた。
何かがいる。
ご案内:「無名遺跡」にトゥーグァさんが現れました。
■トゥーグァ > 王位継承問題など知った事か、とばかりに今日も今日とて冒険者稼業。
冒険者ギルドにて即席のパーティを組んでの魔物狩り、暫くの間は順調であったが好事魔多し、とはよく言ったもので。
「あっ……おっ、おいっ!?
…チッ!お前らは別のルートを探して来てくれ!オレはこっちから追っかける!」
突然開いた下層へのシュートに運悪く一人の仲間…エレミヤと言ったか、が吸い込まれていく。
それを見れば舌打ち一つ。残りのメンバーに一方的に指示を出せば、静止の声を後に、彼女を飲み込んだ後ゆっくりと閉じようとする落とし穴へと身を躍らせて―――。
■エレミヤ > 少々無様ではあるものの、確りと着地をしたお蔭で目立つ怪我はないらしく、動きに問題はない。
じり、と音を発てないように自分の正面の方にいる何かから距離を取る。
こんな時こそ冷静に、慎重に、焦らない。震える身体を叱咤して、心の中で自分自身に言い聞かせるように繰り返しながら暗闇に目が慣れるのを待とうとした矢先、何かに足を掴まれた。
「えっ!?」
ぐんっ、と掬い上げられるようにして足が上がれば、当然天地が逆転する。
目を白黒させながら、慌てて杖の先に明かりを灯せば周囲の様子がぼんやりと輪郭を持つ。
少女の目に映ったのは、何かの機械の管の様な者と木の根が張り巡る壁。そして、その一本が自分の足を持ち上げ、いずこへと運ぼうとしている様子。
「ひっ、ひえええええ!!!?!?」
少女の叫び声が部屋の中へとこだまする。
もしかしたら青年が滑り降りる穴にも響いてくるやも。
■トゥーグァ > …飛び込んでから即死級の罠(デストラップ)の存在を思い付き、若干後悔するもそれもつかの間、滑らかな斜面を滑り降り、下層へと到着する。
幸いにもそそり立つ鉄杭がお出迎えするような事もなく、五体満足である事を確認すれば、先に滑り落ちたであろう少女に声を掛けようとして……響く叫び声。
薄ぼんやりとした明かりが照らし出すそこには…。
「なっ……なんじゃこりゃあぁぁぁぁ!?
って、うわああああっ!?」
先史文明の物であろうか、良く分からない機械と木の根に覆われた壁と、何かに足を捕まれ運び去られようとする少女の姿。
そして驚愕している間に自分もまた足を捕らわれ、釣り上げられる。
咄嗟に炎の魔術でそれを焼き払おうとして―――すんでで思い止まる。部屋の大きさによるバックファイア、可燃性ガスの存在、そして木の根に引火しての延焼。それらの懸念がある以上、自分の魔法は迂闊に使えない。
ならばと長剣で捕縛を切り払おうとするも、逆さ吊りの状態では上手く切る事も出来ず、少女の後を追うように運ばれていく。
■エレミヤ > 床から生え出た太い根はまるで生きているかのような動きで少女を吊り上げ、床を生え伸びるようにして進んで行く。如何やら部屋ではなく、通路だったらしい。
次いで響く誰かの叫び声。逆さ吊りの儘振り向けば、今回一緒にパーティを組んだ仲間の姿が見えた。
「トゥ、トゥーグァさん!?」
何でここに、とでも言いたげな表情。まさか自分を追ってくれたとは思いもしない。
■トゥーグァ > 逆さ吊りのまま悪戦苦闘する中、二人は通路を木の根に運ばれていく。
太い根は不安定な姿勢からの長剣の斬り付け程度では大した傷も与えられずにいて。 と、前を行く少女がこちらを振り向き、声を掛けてきた。
「エレミヤ!無事みたいだな! ……っても、この状態じゃあそうでもない気もするけどよ!」
ばつが悪そうな笑みを浮かべて答える。仲間を助けに来た、なんて言えば格好良いのだろうが結果はご覧の通り。自分の脱出すらおぼつかない。
「そっちはどうだ!抜けられそうか?」
そう尋ねてみるも、見た感じ難しそうではある、か。
■エレミヤ > 青年の言葉に数秒瞳を瞬かせ、それから漸く自分を追ってあのトラップを降りてきてくれたのだ、と気付いて申し訳なさと嬉しさの入り混じった表情が浮かぶ。
然し、続けられた問いに、はっとしたような表情で再び周辺へと視線を巡らせる。
「ええと…、」
落ち着いて、深呼吸。杖の先で足を掴む根を軽く叩くも、生理的な反応はない。地面も同じだ。
通路一面に張り巡らされた木の根。生きている様な動きではあるが、個々に意思がある訳では無い。
得た知識を脳内で巡らせ、ぎゅ、と杖を握り締める。
「トゥーグァさん、ご助力お願いできますか?」
肩越しに青年へと、少女にしては珍しく力強い意志の籠った瞳を向けた。
■トゥーグァ > 嬉しさと申し訳なさの入り混じる表情を浮かべる少女を安心させるように、歯を見せて笑う。問題ない、と。
こちらの問いかけに周囲を見回し、何か考えを巡らす様子、それを邪魔することの無いように黙って見守り続けて。
「…ああ、勿論だぜ。
何か打つ手を思いついたんだろ?ならそれに乗っかるだけだ。……さあ、オレはどうすれば良い?」
ここまで同行して初めて目にする、力強い眼差し。
それを信じ、相手の指示を待ち構える。
■エレミヤ > 青年から得られた快諾に思わず、と言った様子で双眸を見開く。まさか二つ返事で了承してくれるとは。
じわじわと内側から沸き起こる喜びを深呼吸する事で落ち着けては、杖を動かし、自分達の運ばれている進行方向の指示し、それから運ばれてきた方向へと動かす。
「ここからここまで、トゥーグァさんの術で焼いて欲しいんです。――その後は私に任せてください。」
そうして告げたのは単純な内容。
多分――否、十中八九この木の根の持ち主は魔族だ。幸いな事に、根にまで神経や意思がある訳では無く、落ちて来た物を大元の所まで運ぶ、と言う動作しかしないのだろう。
足を掴む根を叩いても、青年が攻撃しても反撃が無かった事に納得がいく。
青年が先に懸念していた内容は少女も考えた。が、それも問題ない事を説明する時間が今は惜しい。
なにせ、この間も自分達は運ばれ続けているのだ。