2015/12/02 のログ
ご案内:「無名遺跡」にベリルさんが現れました。
ご案内:「無名遺跡」にユニさんが現れました。
■ベリル > ほとんど物音がしない暗闇の空間、遺跡の一室に目を凝らせば何かと動く影が見える。
それは二つの人影であり、一つは生きることをやめた人影だった。
先日のダンジョンでの収穫は殆どなかった。
精々、あのまるでお守りのように首についていた指輪が収穫だが……予想した通り大した値がつくものではなかった。
ただの趣味でやっているわけではない。生活の為だ。
もっと割がいい仕事があるのだと言えばそうなのかもしれないが――いや。
目の前の死体は、以前の物と違って腐敗が進んでいる。
どちらにしろ、不快な臭気を漂わせていることに変わりはない。
いつものように、腰のベルトから取り出したボトルから砂を取り出して、その死体に振りかける。
(…………しけてんな)
■ユニ > そのほとんど物音のしない空間にこつ、こつ、と歩く音が聞こえてくるかもしれない。
鉄製のブーツの音を響かせて、中を進んでいく。
そのブーツの音は遺跡内に響き、彼の耳にも聞こえるだろう。
ゆっくりと歩く。
とはいえ普通の冒険者よりはその足取りは軽く。
暗い遺跡内も悠々と歩く。
この辺りは魔族の面目躍如と言う奴で。
とはいえ一応トラップの危険性を考えればそれほど悠々と歩いては居られないものの、前調べではそれほど危険なトラップは無いらしい。
まあ何があるかわからないが。
「とはいえ、そう言う時点であんましめぼしいもの、無さそうだけど」
あるとすれば哀れトラップに引っかかり、この世とおさらばした死体の持ち物だとか、となるが。
そう考えつつ、ゆっくりと。
■ベリル > 静かな空間だ。
当然のように、それを聞き分けられないならこんなことをしていられる道理はない。
(人か?)
その推測も的外れな場合が多々ある。
幾らでもブーツの音などにせることはできるし、たとえ本物であったとしても、それが人である可能性など、ここでは僅かだ。
さらに言えば、人であったとしても――いや、むしろ、人であるからこそ信用などできるはずもなく。
自分に魔族を検知できる力はない。
ないが、自分には人間も、魔族も、同じような存在にすら見える。
むしろ人間の方が――。
しかし……随分と悠長な足音だ。こんなことぐらいでいちいち緊張しているのも馬鹿らしいが、なんとも、だ。
腰の短剣へ手を伸ばす。近づいてくるその足音の前に、部屋の入口の影へ身を隠した。敵意がなければそれでいい。
■ユニ > そんなのを知ってか知らずか、ゆっくりと音を響かせて入口近くへ差しかかる。
夜目が効くというか、暗闇でも十分に見える故の悠長さで。
そもそも誰かが他に居る、という想定はしていない。
「ええっと確かこの辺が罠か何かあるんだっけ?」
入り口前で止まる気配そして女の声。
がさがさと地図か何かを広げる音はするものの、灯りは一向に付く気配は無く。
すん、と小さく音を鳴らす。
そこには腐敗臭と小さな別の匂い。
「あー……」
少しばかり声のテンションが落ちる。
それは腐敗臭を感じた事が一つと御同業が居るのだろう。
先客が居ると言う事は大方トラブルになる事が多い故に。
気配を探れば僅かに気配。
とん、と一歩下がった。
「邪魔したかな?」
その上で独り言ながら誰かに聞こえるぐらいの声量で喋った。
■ベリル > 腰に伸ばしていた手を下した。
今のこの状況で、短剣を手にするのは意味が薄い。
相手が気付かないままならば、なにかしらの有利だったのだろうが――この様子では、自分の気配も探られているだろう。
なによりだ。
そのまま、カツリと。左足を少し引きずっているかのように歩きながら声をかけた。
「……どーぎょうしゃ?」
今の言葉は、自分の作業を理解していなければ出てこない言葉の筈だ。
態々遺跡に潜って、死体を漁るなどそういないと思っていたが、案外いるのかもしれない。
僅かにまだ漂う臭気が、不快感を煽る。
「こんなところに女性一人で来るなんて、感心しないね」
当然の如く……ただの皮肉に近い言葉だ。
■ユニ > どうやらトラブルにはならないで済むようだ。
まあ襲われそうになればさっさと逃げればいいだけの話である。
気配が動き、こちらへと顔を出す。
それは見れば中々小柄な少年のようで。
中々可愛らしい子なのかも知れない。
流石に暗くても見えるとはいえ細かな顔立ちなどは判断が難しいし。
歩き方に違和感を感じるが、ひとまずそれは置いておくとする。
「さぁ、どうだろう。私はどちらかというと奥にあるモノに興味があるクチだから」
ま、金目になるのなら幾らでも持っていくけど、と続け。
結局の所金目になればなんでもいいのである。
腐敗臭はこの一帯に立ちこめていてそれは不快感を煽る。
別段どうと言うことは無いがそもそも腐敗臭が好きな奴などそういまい。
「あら、御心配ありがと」
んふふ、と笑い皮肉に近い言葉を意に返さず受け流す。
近づかず、適当な石に腰掛けて。
邪魔はしない、というのを暗に伝えて。