2015/11/23 のログ
■オーベ > (―――事の起こりは、小さなミレー族の集落へと貴重な薬草と街中で手に入る物資類を交換しに行った時のことであった。ミレーの長老に集落の近辺にゾンビが現れ、原因を調査に行った者が数名、帰らないという話を聞いた事に発する。木乃伊とりが木乃伊に―――というのは、故郷の古い言葉であったが、この場合はゾンビ取りがゾンビにという具合であろう。帰ってこぬものは薬草取の名人でのぅ…という此方の足元を見透かしたような長老の囁き声に、渋々、様子を見に来たらこのざまである)…ハメられたんじゃないか、これ…(耳を澄ませばゾンビの低い唸り声が聞こえてくる。やれやれ、と思いつつも薬草を諦めきれず、茂みからさらに遺跡の傍、柱の陰にまで走り、身を隠せばゾンビの注意を引くように懐から幾つかの鉱石をそっと投げやる)
■オーベ > (投げた鉱石が鈍く光りだし、石畳の上で小さく跳ねるように動けばカタカタと音を鳴らす。その音に半数ほどのソンビが引かれて動き出し、動く鉱石を捕まえようと手を伸ばすがそれらの腕の隙間を縫うようにして鉱石は跳ねた)どれ、ミレーの若者はいるか…どうか…(影から頭だけを出せば、筒型の遠見で姿を確認する。腐っていたりなんだりで、ハッキリとはわからぬが、ミレー族の風貌をしたゾンビは見当たらない)…消えたミレー族の特徴を聞くのを忘れてたな…(そう言えば、と今更ながらに呟きながら眼を細めて遠見を覗きこむ。違う…違う…と、小さく囁きつつ影から姿を確認していく………が、その間にも、遺跡の奥からゾンビが現れ、数は増えていく)
■オーベ > (次第に鉱石の輝きが鈍くなり、ゾンビの腕に捕まえられてしまう。ただの鉱石になったそれを握りしめるようにしながら再びゾンビが散り散りになって動き始める)…時間切れ…か…(す、とまた柱に身を潜めればどうしたものか、と思案顔。件のミレー族の若者も見つからず)…とりあえず、彼奴らを処分…いや、供養?だけはしておかんと…(また、近辺に被害が出ると考えた。緊張に乾いた唇を僅かに湿らせ、柱の陰から出れば、数節からなる呪文を小さく口にし、杖を高く掲げ、カン、と石畳を叩けば眩い光が当たりを包む―――ゾンビの意識が此方に向き、眩いばかりの光が収まれば、様々な装備に身を包んだ霊体がいくつか現れる)…では、参ろうか、かつての同胞達よ。死して尚、戦士であり続ける者たちよ(懐かしい顔がニヤリ、と笑うのを見た。その霊体の表情に申し訳な下げな笑みを浮かべれば、ゾンビの群れに向かって一斉に立ち向かっていくのであった―――)
ご案内:「無名遺跡」からオーベさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にアルバトロスさんが現れました。
■アルバトロス > 「………。」
遺跡へ足を踏み入れてから既に数時間は経過しただろうか。今まで踏み入れてきた遺跡とは、今回の遺跡は一味違っていた。
今までは動物が掘って作ったのではないかと思える洞穴のような遺跡。石畳が敷かれ、壁も見たことの無い紋章が描かれている。
襲ってくる魔物も、魔族よりも魔導兵器の割合が高かった。
「…どうやら、少し違った宝を期待できそうだな。」
襲ってきた魔族と魔導兵器を斬り倒しながら、男は先へと進んでいく。
下へ向かう階段が、何度がありどんどん地下へと向かっているようだった
■アルバトロス > 魔導兵器を圧倒できるだけの武器を手に入れたおかげで、探索は大分楽なものになっている。
油断が出来ないことには変わりは無いが、対抗手段があるだけでも取れる方法は増えるものだからだ。
「………まるで、一昔前の街のような作りだな。」
石畳に紋様の描かれた壁。そして、襲ってくる魔導兵器も心なしが精巧な造りであるような気がする。
そして、一番の違いというのは魔法生物が出現するということだった。
遠巻きから放たれる魔法を剣で受け止めてから、それを斬撃に乗せて飛ばし返す。
それで何とかなるが、逆にそれでしか対処出来ない。厄介な存在だった。
■アルバトロス > 「…どうでもいいな。」
王都に所属する学者達ならば、この遺跡に造りに関して興味を示したり、何らかの知識もあるのかもしれない。
だが、自分にはそれがない。興味があるのは飽くまでも、遺跡の奥に眠る宝だけ。
無造作に転がっている壺なども、その筋の所に持っていけば売れるのかもしれないが。
「………。」
そんな余裕は無い。
先ほどから何度階段を下りたのかも分からないが、少し空気が変わるのを感じ取った。
■アルバトロス > 先ほどまでとは明らかに違った雰囲気を漂わせる大広間へと辿りついた。
石畳や石壁の色も心なしが暗い色へ変化しているような気もする。何よりも、空気が違う。
「…上位級の魔法生物か。」
何も無かった空間に、靄のような何かが収束していく。
それはやがて、生き物の形を作り出していき…複合生物、キマイラを作りだした。
さながら、実体を持たないところから粗悪な霊獣と言っても良いかもしれない。
「この剣が無ければ、此処で死んでいたな…」
■アルバトロス > 霊獣は男の姿を見つけると、威嚇するように咆哮する。
その咆哮で辺りの塵が吹き飛んでいくのを見ると、兜に隠れた男の口元に笑みが浮かぶ。
盾を構え、青白い刀身の剣の柄を握り直す。
「…面白い、俺を喰い殺せるか。」
次の瞬間、獲物を喰い殺すために霊獣が飛びかかってくる。
男の身体よりも明らかに図体がでかい霊獣の攻撃は、やはり食らってはいけないものの部類に入る。
以前のゴーレムよりはマシだろうが…獣の攻撃は速く、狡猾だ。
横へ避けると同時に、その腹へ向けて剣を振り払う。
■アルバトロス > 獰猛な霊獣の攻撃を一発一発、何とか凌いでいく。
盾がひしゃげて鎧の装甲が徐々に破損していきながらも、確実に青白い刃で霊獣の身体を切り裂いていく。
男は霊獣の攻撃に晒されても、逃げる様子もない。寧ろ、強敵を戦えていることに充実感を感じていた。
「どうした…閉じ込められていたから、動きが鈍いな。」
鎧には幾つもの穴が空いている。兜も既に半壊状態。盾も役に立たない。
だが、この状況は前にも経験済みだ。両手で柄を握り、次で仕留めるつもりで霊獣を睨む
■アルバトロス > 剣を両手で持ち、構え、霊獣へと向き合う。
次の一撃で決められなければ、恐らくは終わりだろう。これ以上続けるだけの体力も残ってはいない。
死と隣り合わせの局面でも、男の口元には笑みが浮かんでいた。
そして、霊獣が鋭い爪を男の胸元、心臓へ向けて突き立てようと腕を振るうと同時、男はその巨体の下へと滑り込む。
「………終わりだ。」
顎の下から、脳天を貫くように刃を突き刺す。
流石の霊獣も脳を破壊されれば致命傷は避けられない。呻くような声を出したあと、霧が霧散するように姿が掻き消えた。
■アルバトロス > 「………はぁ、はぁ…」
体力の消費が激しい。辛うじて生き残れたとは言え、この調子ではいずれは死ぬだろう。
…それが男の本懐でもあるのだが、見たことの無い宝を探すという目的がある以上は生きるつもりだった。
ゆっくりと腰を上げて、独りとなった広間の中を見回す。
これだけの魔物が居たのだから、何かあってもおかしくは無いだろうという予測だった。
「………ん?」
そして、前方に何か小さな鐘のようなものを見つけた。
■アルバトロス > 闘っている間は、あんな鐘は無かったはずだと不思議に感じた男はそれを拾い上げる。
他のものに比べると、痛みが少ないようにも見える。そして、何よりも宝のような気がしてならない。
「…他に何かあるわけでもないか。」
金銀財宝の類があるようにも見えない。これを貰っていくことにした男は、遺跡を出ようと来た道を戻り始める。
■アルバトロス > 行きで大体の魔族を倒してきたおかげで、帰りは割と楽に出てこれた。
遺跡の入り口にまで戻ってくると、既に辺り一面が暗くなっていて夜になっている事に気付いた。
陽の高い内に踏み込んだが、どうやらかなり時間が経っていたらしい。
「………この状態で野宿は、な。」
万全の状態ではないのに野宿をするというのは危険である。
しかし、この暗闇でまともに進めるとも思えない。
仕方ないと遺跡へと戻り、適当に身を隠せる場所で夜が明けるまで待つのだった。
ご案内:「無名遺跡」からアルバトロスさんが去りました。