2019/04/30 のログ
ご案内:「ミレーの隠れ里」にレイカさんが現れました。
レイカ > いい香りだ、私は素直にそう思う。
里で育てている、お茶の葉がきれいに実りを迎えた。
里の皆でお茶を摘み、それを炒ってお茶が出るように加工した。
私は今、それを使いお湯を沸かして、お茶の準備に取り掛かっている。

お菓子は用意した、タルトにケーキ、クッキーも。
お菓子をたくさん用意して、テーブルに並べて、あとはお茶を準備するだけだ。

「………いい、香りです。」

自然と顔がほころぶ。
お湯を暖めて、お茶を出しているさなかの香りが気持ちいい。
まさかこんなふうに、この里でお茶を楽しめるようになる日が来るとは思わなかった。

ずっと、この里は物資不足に悩まされていた。
しかしみんなで頑張り、ここまで来ることが出来た。
もう、皆は町の人間に怯えるような表情は見せない。

あとは、ここを守っていくだけだ、私の長い長い寿命が尽きるまで。

レイカ > さあ、お茶が入った。
少し甘くできるようになったのも嬉しいし、こうしてみんなでお茶ができるのもまた、嬉しい。
以前まできつい目をしているといわれていた私も、随分と昔のように笑うようになった。

「さあ、お待たせしました。お茶にしましょうか。」

その輪の中心に、私はお茶を置いた。
グラスなんて上等なものはない、陶器のコップなんかもいらない。
余った木材をくりぬいて、様々な形のコップに下だけの、本当に原始的なもの。
それでも、皆で一生懸命に作ったそれぞれの、自分のコップ。
大事にしているのがよくわかるから、私はそれでいい。

順調に、里も大きくなっていっている。
ドリアードたちも、以前に比べるとずいぶんと協力的だ。
彼女らも、きっとこの空間を気に入ってくれたのだろう…。

レイカ > こんな日にちが続けばいいのに…。
私はそれを、願ってやまなかった。

ご案内:「ミレーの隠れ里」からレイカさんが去りました。