2018/11/24 のログ
ご案内:「ミレーの隠れ里」にレイカさんが現れました。
レイカ > 「…………やっぱり、落ち着きませんね。」

もうそれなりに前になるが、愛用していたブレストプレートが使い物にならなくなってしまった。
新しいものを注文しているのだが…やはり、特注品だからか。
手に入ったという情報は、いつもの定期便からはなかなか届かなかった。

鉄では重すぎて、銅では心もとない。
銀で作られていたブレストプレートを亡くしてしまったのは、かなりもったいない。
元々、アンダー用のワンピースを着てはいるものの、防御に関しては本当に不安しかない。
こんな時に襲われたらなんて思うものの、今のところそんな様子はない。
里の中、物見やぐらで見張りをしながら、私は少しだけため息をついていた。

「手に入りにくいものというのは覚悟していましたが……やはり、別のもので代用するしかないでしょうか…。」

もっと硬いものを探しに行くしかないだろうか。
硬くて軽い…都合のいいことだけれども、そういうものが欲しい。
最近は遠くのほうで見ている気配しかない、友人に相談してみようか。
今の時間は…どこか寝床を探しているところかもしれないが…。
明日になったら相談してみよう、私はそう思い悩むのをやめた。

ご案内:「ミレーの隠れ里」にカナムさんが現れました。
カナム > 「んーここらなら有るかな?
まぁ会ってくれるかが問題だけど。」

自身の体よりも大きな猪を担ぎながら村の方へ近づく人影
自身の鼻を頼りにここまでやって来たのだが…

「ここは取引してくれると良いなぁ…こいつが腐る前にさ。」

よいしょ、と猪を担ぎなおし更に村に近付く
門にまで辿り着けば慎重に扉を叩く、力を入れ過ぎれば以前の様に面倒な事になる

「もしもーし、新鮮なお肉は要りませんかー?」

レイカ > 「………え?」

こんなところにお肉の配達?
いつもならば別の人が届けに来るはずだし、そもそも。
ここに来るには、ドリアードたちの防衛を通らなければならないはず。
なのに、それを素通りさせたということは完全に知っている人物か…。

里の人が対応する。
扉を開けて、その人物を確認すれば…喜んで迎えてくれるだろう。
何しろその子は、よくよく知っている人物なのだから。

『レイカ様!カナムくんが帰ってきましたよ!』
「……え、カナム君が!?わかりました、すぐに行きます!」

ここのところ、里に帰ってこなかった子が帰ってきた。
それなら確かに、ドリアードたちが素通りさせたのも納得ができた。
物見やぐらから飛び降りて、私は彼を迎えに行った。

「カナム君!今までどこに行ってたんですか!?」

カナム > 「何か…騒がしい?」

こちらを探る様な音ではない
もしかして警戒された?と猪を下ろし腰に下げた鉈を持つ
こんにちはも無く攻撃されたらどうしよう…なんて思っていると

「ん……え?レイカお姉ちゃん?」

何で?と考える
そして改めてよく周りを見回せば……ここが見慣れた場所だと思い出す

「うわぁ………完全に忘れてた。」

今までとは違う意味で青褪める
いきなりいなくなってかなり経った今、偶々帰ってきたと伝えるなんて…
そう考えるとジリジリと後退しそうになってしまう

レイカ > 一目でわからなかったことは仕方がない。
あの時はまだ防壁だって完全に完成はしていなかった。
だが、今では城壁をも思わせるほどの防壁になったといわれるほどに完成している。
そして何よりも、里の皆の警備もかなり厚くなっている。

だが、そんなことはどうでもいい。
里の一因が帰ってきたのだから、皆大喜びだ。
里中に触れて回り、私の弟が帰ってきたと伝える。

「……?どうしたんですか?」

だけど、なんだか様子がおかしい。
どこか、少し後ろめたいような雰囲気があるので…何かあるのか、と。
軽く首をかしげながらも、そういえば肉の配達がどうとか…。

ここを離れてしばらく、何か彼の周囲での変化があったのだろう。
そこをとがめるつもりはないし、彼が新しい道を見つけたのならば、それを止めるつもりもない。
私の里は、ただ帰ってくる場所であり続けるだけだから。
だが、とりあえずは…。

「おかえりなさい、カナム君。…入らないんですか?」

カナム > 「う、うん…えと…ただいま!」

怒られない?と少しビビりつつもおかえりなさいと言ってもらえたのが嬉しくて…
思わずそう言ってしまった
間違いではないが少し恥ずかしかったり

「にしてもお姉ちゃん、こんな門建てたんだね…正直まだびっくりだよ」

猪を担いで門の中へ、村の中も色々と様変わりしていて目新しい物が沢山
でもそれよりも懐かしい皆の顔の方がもっと多い
本当に帰ってきたんだ…と、確認の為に自分の頬を引っ張ってみたり

「いたた…夢とか幻覚じゃ無いんだなぁ。僕の運と鼻も捨てたもんじゃないね。」

レイカ > 「カナム君がいなくなって、かなり時間が経ちましたからね。
今では支援者もいて、かなり安定した生活を送れるようになっています。
もっとも…少し問題もありますけれども…ね。」

里の風景は、外もそうだが中も様変わりしていることだろう。
新顔も少しだけいるが、大多数は彼がいなくなった時とほとんど変わりない。

大きなイノシシは、里の男衆が担いでくれた。
もっとも、彼の力ならばそんな手助けはいらないだろうけれども…。

「ええ、夢でも幻覚でもないですよ。
にしても…本当にどこに行っていたんですか?」

何も言わずに、あの日から姿を消してしまった。
弟のように思っていた人物がどのように過ごしていたのか。
やはりそこは気になるので…とりあえず、食堂のほうへと通しながら訪ねてみた。

カナム > 「そうなんだ…それって真面な支援者だよね?
それに問題って?」

ミレー族を支援すると言う者は9割近くが純粋な善意無しの奴ばかり
そう考えてるのでそんな事を聞いてしまう
レイカが簡単に騙されるとは思わないが少し心配してしまう

「うーん、色々?
ちょっとシェンヤンの方へね…帝都や八卦山で調べ事して……」

その後九頭龍山脈の中の色々なミレー族の村と物々交換をしたりして森の中で暮らしていた
狩りや戦闘も多くて退屈しなかったと笑いながら今までの事をざっくりと説明する

レイカ > 「ええ、そこの代表者ともお話をさせてもらいました。
おかげで、今までは手に入りにくいものも態に入るようになったので。」

おかげで冬の準備もかなり万全にできるように。
騙されていることはまずないということは言える、何しろ支援者といっても取引が絡んでいる。
王都でもかなり名前の通った商会なのも調査済み、なので信頼はできる。
防衛のほうでも、かなりアドバイスをもらっているので…。

だが、もちろん問題もある。以前、こちらで騒がれたミレー族のテロ組織。
そのおかげで、王国騎士団に目を付けられてしまっているのだ。
ここのところは、目立った動きを見せていないが…。

食堂は、見た目こそあまり変化はない。
だが、奥のほうではスチールの鍋や包丁、そして陶器のお皿なんかも置いてある。
火を起こす道具もいいものをそろっているし、何より調味料。
それらが完備されるようになったので、かなり上質な料理を作ることが出来るようになっていた。

キッチンへと入り、私は早速火を起こした。

「シェンヤン方面……ですか?
何を調べていたのか…教えられる範囲で教えてもらえませんか?」

ざっくりと彼の近況を聞いた。
ミレー族の村々との交渉で生計を立てていたならば、彼らしいといえばらしいか…。
しかし、シェンヤン方面の話は…少し気になった。

カナム > 「へー真面で優しい金持ちなんて居るんだね。」

素直に驚いてしまう
そんな人物が居るなんて……
用心しろ。そんな声が聞こえた気がして周りを見回すが自分達以外近くには誰も居ない
気のせいかな?

「えっとねー火の怪物って言われてる奴なんだ。
名前は朱雀、燃え盛る炎の鳥らしいんだけど…僕のこれの事とか知れればいいなってさ」

指先から腕までが炎に包まれる
自分にとっては熱くもなんともない不思議な炎

「僕の過去に関係してるのかな…なんて思ってさ。
でも結局道人にも会えずに収穫無し。色んな化物と戦えたのが面白かった位だよ」

ぶすっと頬が膨らみ炎もブスブスと不完全燃焼気味だ

レイカ > 「ふふっ……私も最初は驚きました。
何のメリットがあるのかと疑いましたし…ただ、話してみるとかなり信用で
きる人だと思いましたから。」

なので、ここで作っている織物や木彫り細工などを取引として差し出す。
そしてその代わりに、こちらにはいろいろな物資を提供してもらっている、というわけだ。
おかげで、この時期でも食料が安定して手に入る。
以前では考えられないことだ、里の皆で食べても追いつかないほどに。

「スザク……ですか?」

残念だが、私もその鳥のことはよくわからない。
シェンヤンの伝承は全く持って無知でしかないのだから、当然といえば当然だ。

お鍋を火にかけ、湯を沸かす。
沸騰し、煮えたぎった湯になれば火を消して、大量のソーセージを投入する。
これも、その支援者から譲ってもらったものだ。

「そうですか……、しかし火の怪物ですか。
…精霊の力、ではないようですし……。」

彼の炎からは、それらしいものを感じない。
火が出れば必ず、炎の精霊が顔を出すのだが…それがない。
精霊の関連ではないということは…おそらく、何かしらの呪いのようなものか、はたまた…。
それが何なのかわからない以上、私からアドバイスはできそうもなかった。