2018/09/05 のログ
ムメイ > 「ま、詮索はしないでおくよ。 そいつと戦っても面白そうではあるが――探ってまで戦わねえから安心してくれ」

無論、強者であれば戦ってみたいと思うのは自分の性だ
ただ、偶発的にそうなってしまったならば――戦場の習いとして、ともかく
意図的にそういった事を引き起こしてまで戦うのは、自分の美学に反する
それに――時が来れば何時でもいいのだから
好きじゃない、と言う言葉にはふぅむ。 と声を出して

「好きっちゃ好きだがどっちかっていえば強くなりたいから戦う、ってだけだ
俺の場合はアレだよ
少なくとも死ぬ事は無いからな、だから鍛えて鍛えて何処までいけるのかやってみたいって奴だし」

彼女からすればある意味、絶句するような返答だろう
挑戦者と言えば聞こえはいいが、その実は果ての見えない頂へ延々と進む
道楽の様でいて、逆に言えば「そうあると決めた」から口にしているのだ

無理強いをする事はないが、その性質故に望まれれば戦う事は察せられるだろう
そうして、名と言葉を聞けば頷き

「まぁ、専ら冒険者の護衛とか隊商の護衛とか
後は場合によっちゃ貴族さんの用心棒だが……ん?」

見た目通りの腕っ節に特化している為、大体そんな感じだった
一度首を傾げる、隠れ里と言う言葉

はてなんだったかと首を傾げて、ややあって思い出す
何件か不可思議な隠れ里の調査依頼とか酒場であったことを
ぽん、と手を打って

「酒場で何回か依頼、見た
どう考えても面白くねぇから、ハナから請けて無い」

つまり今後も継続して受けなければいいと言う事だ

「ま、万が一が起きて前衛が欲しくなったら言ってくれ
数でも質でもどっちでもいいから、逆に言えば前衛しか出来ん
術とかは無理だ」

不死系は往々にして自我が希薄になりがちだが
ここまで自己を確立して接している者は珍しいだろう

基本不死任せの多耐性で物理的にぶん殴る、と言うのが不死者と言う区分に相応しいかは……彼女次第だが

レイカ > 「…男の性、というものでしょうか…?
こうして女で生まれている以上、それを理解することはできますが…。」

少しだけ苦笑をしながら、その答えとしようか。
もともと私も、強くありたいと願っているのも理由の一つだが…私にとって力とは。
それはこの里を守ることの直結するからこそ…理解はできる。
だが、どこまで高められるかどうかは、女である自分には少々難しいかもしれない。

隠れ里の話は…やはり町ですでに話が出ていたか。
ここのところは静かだったのは、ドリアードがすべて未然に防いでくれていたからこそだろう。
ムメイさんが言うように、酒場で以来が出ているということならば。
お金の額にもよるが、おそらく冒険者がこの里を探しているということになる。
どうやら…敵は王都の騎士団だけではないらしい。

「………もう隠れ里といえないかもしれないな…。
…ええ、正直に言えばここはミレー族の隠れ里、それも王都のなかで奴隷扱いされていたミレー族の隠れ里。
…おそらく以前のミレー族のテロ組織が拠点として使っていると歌がされているようですね。」

最悪の場合…この里と王都の全面戦争になりかねない。
だからこそ、彼の申し出は助かる…助かるのだが。

「……一考させてください、おそらくあなたもわかっているでしょうが…魔族と手を組むと、それだけで王都は攻めてくる。」

その事実を知られたくはない…。
彼の協力は、少し慎重に考えなければならないだろう。

ムメイ > 「背負うもんがないからな、こっちは
ましてやそっちは長でここを守ってんだろ?
そういう立場の違いもあるんだろうよ」

何の為に強くなりたいか、それによって強さの意味が大きく変わる
大切なものを守り切る為、そう在るのが彼女
であれば、それもまた強くあることを求める理由となる
――それは、何よりもの原動力となるだろう

そうして、隠れ里の事を聞く
内容を聞けば、なんとも苦虫を噛み潰したような表情になる
これはよくある話だ、とはいえ

「訳ありだとは感じたが、随分とでかいモン背負い込んでんな
このへんの問題あるのっつーと、確か……星のなんちゃら、つったか。
――ま、移動した方が良いんじゃないかとは言うぞ
非戦闘員を抱えて戦うには、立地は悪くないが……実働戦力が少なすぎるからな」

案の定、ミレー族と聞いてもそうか、と言う反応である
庇護者あっての場所だが、彼女の強さを支えている場所でもある
隣人であって、奴隷や下等とは全く思っていないのが伺えよう

そうして、協力の申し出に対する返答には頷き

「構わん、即決して良い問題じゃねぇだろう。
ただまぁ、何かあったら駆けつける――知っちまったからには、なんだ
後で知った時には遅かった、じゃ寝覚が悪いんでな」

適当に呼びかけて骨の小鳥でも出すわ、と告げた
伝言もなにも出来ない代物だが、自分の元へだけは飛べる
――火急であれば来れば判る、と言う事だ

「さて、明日には王都に一度戻らにゃならん
――人間らしく振舞う為に、寝る癖はつけてるんでな」

そろそろ寝させてもらうぞ、と声をかけた
雨具のマントは入り口近くに置いてある
一度伸びをしてから、床にごろんと転がった

レイカ > 「……どうでしょうか、私も何もしがらみがなければ、自分がどこまでできるのかを確かめてみたくはありますけど…ね。」

護り切るために強くありたい、昔の私には決して思いつかなかったことだ。
純粋に、強くなりたいというのは変わりはないのかもしれないが。

この里の戦力は……いや、この話もよしておこう。
移動するにしても時間がかかりすぎるし、ましてや今王都は動いていない。
今動くのが得策かもしれないが…離れることはできなかった。
彼の言う非戦闘員が多すぎるというのが…その理由だ。
だからこそ私は、自分の今持っているすべての力を使ってこの里を作った。
もう、皆が逃げながらおびえて暮らすような場所はいらない。
いるのは…平穏に安心して暮らせる場所だ。

「…本当に魔族には変わり者が多いんですね…。
ええ、その時には…是非ともお願いします。ただ、わかっていると思いますが…。」

この国は、魔族とのかかわりは非常に悪い。
貴族には隠れて魔族とかかわりを持つものがいるらしいが…この里がそれをすれば、王都には絶好の大義名分を与えることになる。

彼がミレー族をどうとも思っていないのが、ある意味ありがたかった。
人間のようにふるまうためには、どうしても人間を学ばねばならない。
その過程で、ミレー族を見下すことも少なくはないはずだ…。

私は、床に転がった彼を一瞥して、軽くおやすみなさいとだけ告げた。
…この里は、本当に変わっているのかもしれないと、長である私が思うのはおかしいかもしれない。
だが…なぜだろう。
少し、ほんの少しだけだけど…やっぱり安心している私がいた…。

ご案内:「ミレーの隠れ里」からムメイさんが去りました。
ご案内:「ミレーの隠れ里」からレイカさんが去りました。