2018/08/02 のログ
■ラファル > 「ん?いーよいーよ。荷物にもならないんだし。」
物のついででしかないし、気にするほどでもないことである。
お礼に軽く笑ってみせる。
「わー、きもちいー。」
雨が降り始める、この時期周囲の状況から見ても雨は涼しくなる。
嬉しそうに、雨を身に受けて心地よさそうに目を細めてみせる。
「えっへん。
ほら、お友達に頼めばいいんだよ!
レイカにだって、お友達いるでしょ??」
察しのいい反応に、少女は嬉しくなってじゃあねじゃあね、とばかりに言おう。
軽く言えば、自分たちだって防衛戦力になりうる。
彼女の友人のような強さではないだろう、でも、その辺の傭兵などより全然強い。
それが、三人姉妹。軍隊が来ても抑えることが可能である。
一番手近な手段。
ほかにも両親のコネを使えば、色々できるはずである。
■レイカ > 「お友達に……ですか?」
雨を操りながら、私は少しだけ首をかしげた。
…そして気づいた、そうだ何を考える必要があるのか。
目の前にいる少女は、私の「友達」だ。そのバックにいる大きな商会も。
確かに、防衛に関していえば頼ればかなりの戦力になるだろう。
だが、そこには一つだけ懸念材料があった。
彼女らに頼むのはいい、きっととても心強いだろう。
だが…その背後にいるのがとても厄介なのだ。
「大丈夫なんですか?仮に王国騎士軍が攻めてきたとして…。
トゥネルソル商会が私たちの里を防衛しているとしたら、もしかしたら王都反逆罪に問われる可能性もありますよ…?」
王都にも店を構えているからこそ、不安があった。
もしも軍とやり合えば、商会であることを隠すことが出来なければ確実にトゥネルソルを調べられることになる。
そうなったら、ラファルさんだけではない。
リスさんや、竜雪さんにも迷惑がかかることになってしまう…。
だからこそ、私は安易に首を縦に振ることが出来なかった。
■ラファル > 「攻めてきたら?
反撃すればいいし、ボク知ってるよ。
お金さえ積めば反逆罪だってなかったことになるんだ。
偉い人の悪いことをお金で無買ったことにするの、日常的にしてるって書いてあったもの。
それに、お城に行くたびに偉い人が悪いことしてるって。
それに、貴族になるのはお金があればなれるって?」
日常的に行われている不正。
それを正そうとしない国、少女は常日頃から王城に忍び込んで、書類を眺めている。
その書類は軍の動き、王城の金の収入に支出や使い道。
不正の証拠など多岐にわたる。
「トゥルネソルがどうにかなったら、みんなしてアッシェお母さんといっしょに、お母さんの実家に行けばいいんだ。
生きていれば、商売はできるし。
それに、こういうふうに食糧支援してる時点で、難癖つけて反逆罪にすることだってしてくると思うよ?
テロリストに食料や道具を融通してるって。
お母さんはそのリスクをも計算した上で、手を出してる。
放っておかないっていう選択し、したんだよ。」
そう、今更、ということなのである。
少女は、きにしないの、ともう一度いう。
■レイカ > 「……ああ…。」
…忘れていた、この国はそういう国だった。
貴族たちの根本的な価値感は、「金になるかならないか」である。
大きな企業には必ず貴族の手が入り込んでいるし、不正取引なんて日常茶飯事。
それを否というほど見てきたのだが、ここ最近ずっとこの森で暮らし続けていたせいで、忘れていたらしい。
そして、ラファルさんのこの楽観的ともいえるそのセリフ。
だけど、私にとってはその楽観的は、達観しているようにも思えた。
きっと、リスさんやアッシェさんがきっちり教育している賜物だろう。
生きていればなんでもできる、私もそう…思えてきたからこそわかる。
「……じゃあ、里で一筆したためますので…リスさんに渡してください。
防衛のために、トゥネルソル商会の力…私に貸してくれませんか?」
防衛をしてくれている彼女が、呼べないときも必ずある。
彼女を呼ぶための笛を持ち歩いているものの、何らかの事情で拭けないときはないとは言い切れない。
だから…それ以外の手段ももちろん考えておくべきだ。
その手段を…私は、”友達”に託すことにした。
■ラファル > 「……もっと、いい国なら、レイカの悩み、ないんだろうね。」
調べたら、魔族を毛嫌いしつつも、金のために魔族と通じるものもいる。
少女は、目を細め、今日も豪華な食事と踊りで乱痴気騒ぎしているだろう王城の方を見る。
うん。やっぱりしてる。
「うん、任せて!」
ここを主で守っている守護竜、彼女がメインで自分たちはサブだ。
でも、手伝うのだからそれは全力で行うべきである。
竜雪お姉ちゃんも強い。
竜胆お姉ちゃんはまあまあ。
ボクはボク。大丈夫だ、うん。
手紙を受け取り、破顔一笑、無い胸を叩いた。
■レイカ > 「悩みどころか…きっとここに私はいなかったでしょうね。」
…彼女には、もう話してもいいかもしれない。
どうして私がここにいるのか、そしてなぜこんなにもミレー族を守ろうとしているのか。
それがどれだけ偽善であっても…私は、もう迷わない。
「はい、任せました…よろしくお願いしますね。」
笑っている彼女に、右手を出した。
彼女はこの里を支援してくれている、数少ない友達だ。
その友達と握手に、何もためらいなどない。
里に帰ったら、お礼と称してケーキでもご馳走しよう。
彼女に教えてもらったレシピだけど…うまくできたかどうか。
それと、新しく里に着たミレー族を紹介して…。
まだまだ、私は忙しくなりそうだ…。
■ラファル > 「……?」
此処にいなかったという表現に首を傾ぐ。家族と一緒にいないのだろうか、と思ったからである
でも、彼女が何故此処にいるか、とかそういうことに関しては知らないし、判らないのでその疑問は今は置いておくことにした。
「ん、必ず届けるよ!」
右手を差し出す相手に握手を返す。
これは大事な手紙だから、母親に手渡しをしなければなるまい。
あと、家のみんなにもちゃんと行っておかねばと思う。
そして、彼女について里に行く。
最初の目的通り、荷物を、物資を運び込むことが少女の目的だから。
物資を倉庫に移動しながらいろいろなケーキのレシピはおまけとしてもらってきているので、それを手渡し。
子供たちと遊んで。ケーキをご馳走してもらって。
すごく甘くて凄く美味しかったのは印象に残る。
忙しい彼女をちょっとだけ手伝って、手紙を持って帰るのだった。
ご案内:「ミレーの隠れ里」からレイカさんが去りました。
ご案内:「ミレーの隠れ里」からラファルさんが去りました。