2018/06/21 のログ
ご案内:「ミレーの隠れ里」にレイカさんが現れました。
レイカ > 「………驚きました、ね。」

陸文洞酒造から一通の手紙を預かってきた。
それは、ダイラスを拠点としている「トゥネルソン商会」のマグメール支部店長を名乗る人物からだった。

どうやら、アッシェさんのつながりがある人物らしい。
その人から手紙を預かってきたと、倉庫の確認をしてきた従業員からの一通。
それは…この里への協力申請だった。

今までそんなことはなかった。
この里が、まさかそんな大企業とつながりを持つことになるなんて。
内容を見る限り、こちらへの一歩胃的な協力にも見える。
だが、その実を知りたい…。

見返りは何なのか、ただ協力するだけにとどまるのだろうか…。
一度、マグメールに行く必要があるかもしれない。
私はそう考えていた…。

ご案内:「ミレーの隠れ里」にリスさんが現れました。
リス > 「……こっち、なのね?」

 自分の伴侶が、娘が力を貸すと言っている場所があるらしい、そこに連絡を入れてみた。
 それを聞きつけたミレー族の店員が、そこに行きたがっていた、何やら彼女の家族がそこにいる、との事である。
 それならば、と返事は来ていないものの、少女はそこに行くことを決意した。
 手土産にと、ミレーの店員が望むもの……基本的には衣服や食料である、それを馬車に積めるだけ搭載して。
 彼女の道案内に従うように馬車を勧める、護衛は……今回はふたりの娘に頼むことにした。
 今後付き合いがあるかもしれないのと、ミレーの奴隷自信あまり広めたくはないというところがあるらしいので部外者は弾いた結果。
 ドラゴン(ハーフ)二体いれば、野盗とかは問題ないし、途中の野獣などはごはんになるし。
 そんなこんなで、少女は目的地の近くにやって来ていた。

レイカ > 「………アッシェさんの知り合いらしいですが…。」

果たして、信じていいものかどうか。
今まで何度も裏切られてきたがゆえに、どうしても私は疑心暗鬼になってしまっていた。

突発的にやってくる人物は、そこまで気にはしない。
何しろここはドリアードが守護している迷いの森、迷い込む人物は何人もいる。
だが、こんなふうに友好的な手紙を受け取ることは…本当にまれ宙のまれだった。
だからこそ信頼していいものかどうか、それがどうしても引っかかってしまう。

だが、その護衛を引き連れた馬車は、もう見えているはずだ。
城壁を思わせるような防壁、それがそびえている私の里が…。
ドリアードから連絡を受けて、私は入り口の前にやってきていた。
もうすぐ、その場者が到着すると…。

「……鬼が出るか、それとも本当に信頼できるのか…。」

この目で、確かめさせてもらおう。
私はゆっくりと、里の門を開けた。

リス > 「……わぁ。」

 見えてきた里の入口、少女はそれを見て思わずぽかんと口を開ける。
 目的の里は物々しいと言える状態である、入口にある門を見るとそれは要塞、とか砦とか、そういうものを連想してしまいそうだ。
 とはいえ、あまり詳しくないので、そういうイメージだという話なのではあるけれど。
 城とか知っている、娘ふたりは素知らぬ顔であった、お母さんにそういうこと教えてくれてもいいじゃないとか思わなくもない。
 ミレーの奴隷の少女は嬉しそうにしている。

「あ。」

 到着と同時に、門が開いていく。
 流石に馬車に乗っていては失礼であろう、門が開くにあわせて少女も馬車を降りた。

「ごめんください、トゥルネソル商会のリス・トゥルネソルと申します。
 責任者レイカ様にお取次をお願いしたく思います。」

 門が開き、里の中に向かい歩き始める。
 娘二人には、武器をしまってお行儀よくしてなさい、と注意して。
 リスは件の人物がどこにいるのだろうと、里に入って門の内側門が締まるのが邪魔にならない程度の場所まで歩き、見回した。

レイカ > 「………!?」

私は、また驚いた。
てっきりもう少し大人の人物かと思ったが、まだ少女といってもいいような人だった。
もっとも…いろいろと私のほうが小柄なのは間違いない。
身長は同じくらいだが…。

「………。」

いけない、人を見た目で判断するわけにはいかない。
手紙に騙されて、このまま友好的な態度をとるのは…。
だが、アッシェさんの知り合いならば問題はない…と、思いたい。
扉の内側に入られる前に、名乗っておくか…。

「…ご足労、感謝します、私がその、責任者のレイカです。
アッシェさんのお知り合いとお伺いしました、以後良しなに。」

私は、軽く頭を下げた。
しかし驚いた…ミレー族の少女まで連れてくるとは。
馬車の中身が何なのか、私はまだ知る由もないのだが。

しかし…このミレー族の少女……なぜだろう。
この里の中で、よく似ている子を見たような…?

リス > ふと、見ると目の前に一人の女性がやってくる。
 エルフ……だっただろうか、すごくスレンダーな体型の女性がやって来る。
 自分と同じような年齢に見えるが、エルフは成長が遅いらしいし年上の方なのだろうか、と思う。
 自分を見て驚いているのは、やはりアレなのだろう。店長を名乗るには若すぎるのは分かっている。
 私はまだ修業中の身である、両親が据え置いてるだけなのだということも。
 でも、肩書きに負けない程度には、仕事はしていると自負しているのだ。

「レイカ、様ですね。
 初めまして、アッシェとは、伴侶の関係にございます。
 家内がいつもお世話になっております。」

 自分の伴侶の知り合いで、力を貸している人。
 なので失礼にならないようにこちらもお辞儀を返す。
 頭を上げたところ、視線が自分からズレている事に気がつく。
 奴隷の店員に視線が移動している。
 奴隷の少女は、奴隷の証として首輪は付いているものの、血色がよく、日常的に栄養をとっていることが伺えるだろう。
 服装も洒落っ気はないものの、しっかりとした生地であり、街で一般的に売られている標準レベルよりもやや良いものを着ているのが分かるだろうか。

「そちらの子は、奴隷です。家族がここにいるらしくて
 道案内として連れてきました、私の店の店員でもあります。
 後ろの物資は、この少女が差入れをしたいと、買ったものです。
 どうぞお収めください。
 あと、許されるのであれば、その子の家族とお話させてあげてください。」

 そう、奴隷に給料も払っている、その給料でこの少女が積荷いっぱいの食料と服を買い、ここまで持ってきた。
 一歩どいて、奴隷と馬車を先に彼女の方へ向かわせる。

レイカ > 「………なるほど、そうでしたか。」

…年で人を判断してはいけない、これは私の人間に対する礼儀だ。
年をとっても腐り切っただけの大人もいれば、彼女のようにできた人間もいる。
この子…おそらく肩書を名乗れるだけの力があるのだろう。
私は少しだけ、表情を引き締めた。
彼女とは対等、いやそれ以上の付き合いをしなければならないだろうと。

「陸文洞酒造よりお手紙を拝見しました。
こちらへの協力申請、非常にうれしく思います…が。
知っての通り、ここは……。」

説明をしようとした際に、ミレー族の少女の名前だろうか。
それを叫んでいる、ミレー族の女性がこっちに走って…そして追い越していった。
なるほど、本当に家族のようだ…。
少しだけいいものを着せられている首輪つきだけれども、顔色もいい。
どうやら、大事にされているようだ。

「なるほど……通りでドリアードが素通りさせたわけです…。
リスさん、でしたね。こちらへどうぞ。詳しい話はそこで…。」

私は、里の皆に荷物の点検をお願いした。
護衛として連れてきている二人ならば、そのあたりも把握しているはず。
何か危険があったら、すぐにでも私を呼ぶように言いつけて。
里の奥のほう、周りよりもひときわ大きな建物。
食堂兼会議場へと、リスさんを通すことにした。

リス > 「はい。」

 女同士の結婚、それに関して彼女は何も言わなかったし、説明で納得してくれたようだ。
 それならば、今は何も言うことはなかった、それよりも大事な問題があるからで、彼女も私もその目的のみ今は話すべきですから。

「だからこそ、お手紙を出させていただいたのです。
 それに……。」

 と、私の言葉にかぶさるように、かかる声がして私も視線を向ける。
 奴隷の娘が、お母さんと呼び返してかけていくのが見える。
 抱きしめ合い、再開を喜ぶ二人に少女は軽く笑ってみせて、よかったね、と言おう。
 抱き合う母娘に届かない程度の小さな声で。

「ありがとうございます、レイカ様。
 お言葉に甘えまして、お邪魔致します。

 竜胆、ラファル、手伝ってあげて。」

 少女は、娘の二人に積荷下ろしと、警戒を頼む。
 周りのミレー族では呼びに行く間に被害が出てしまいそうだから。
 金髪の少女が任せて、と風の精霊を引き連れて入口の外へ警戒に。
 赤髪の少女が、畏まりましたわと、積荷の方へ。

 そして、レイカに連れられて、少女は奥へ通された。

レイカ > 「…常日頃から教えてもらっていたんです、あの人には一人、娘がいると。」

経緯を話せば長くなるが、割愛させてもらえば。
彼女は、もともとマグメールで奴隷をしていたがそこから逃げ出し、私がかくまった。
そして、とある場所で過ごしていたがとある事情により私がここに連れてきた。
そして、あの防壁は2年の歳月をかけて完成させた、いわばこの里の結界のようなもの。
それらを歩きながら説明しつつ、食堂へと彼女を通した。

今、そこにはちょうど何人かのミレー族がいた。
仕事の合間、休憩中なのだろう…みんな飲み物を手に騒いでいた。
それらに軽く会釈をして、私は食堂の隅へと彼女を通した。

「申し訳ありません、どうにも建築の知識もなかったので…。
こんな簡素な場所に通してしまって、お恥ずかしい限りです。
飲み物は何にしましょうか、ある程度の物ならばありますが…お酒は飲まれますか?」

トゥネルソル商会、ダイラスに本社を置く商会でも割と規模の大きいところだ。
奴隷も売買しているという話は聞いたことがあったが…どうやら普通のそれではないらしい。
ミレー族だけではなく、普通の人間までも売買しているらしいが。

「それで……本題に入らせてもらいますが。
この里への支援をしてくださるというのは…どういった経緯なのでしょうか?」

リス > 「今は、三人になりましたけど、ね。
 あの二人は、竜雪の妹です。」

 割愛に関して、成る程と、こちらが言う方になり、増えてますよ、と冗談めかして言ってみせる。
 逃げた奴隷で、彼女が匿ったという点に関しては、少女は頷くのみである。
 自分が少女を競り落とした時には、母親は既に売られていたらしくその奴隷市場にはいなかったことを思い出す。
 本当に会えてよかった、と口にして笑ってみせる、親が居るなら一緒のほうがいいだろう、と。
 防壁に関しては一人で、と目を見開く。少女も建築の知識はないけれど、あの大きさを一人でというのは大変だと判るから。

 と思ったら、食堂で休憩しているミレーがいた。
 ああ、自分たちのところと同じように、それぞれが役割を持って働いているのね、と。
 会釈するレイカに習い、会釈をして其の儘ついていくことにした。

「お気になさらず、私も建築の知識がないので…此処がすごく苦労されて作られたということ以外判りませんから。
 何もないところからここまで作り上げているのですから、胸を張ってくださいまし。
 今はお仕事中になりますから、お酒は遠慮させてくださいまし。
 飲み物は……お水でお願いします。」

 今からは、ある意味商売とも言えるのだ、お酒を飲んで鈍った頭で話したくはない。
 なので、少女はお酒は謝辞し、口を湿らせるための水を求める。

「はい、経緯というものでもありませんが……。
 今は、きな臭いですし、此処が王国軍に睨まれている事も知ってます。
 ですが、伴侶と娘が関わるのに、相方として、母として、見て見ぬ振りなどできませんから。」

 そう、アッシェと、竜雪がここに関わり、陸文洞が関わるとなると……。
 家族である自分たちも関わっていることになる。
 家族を切り捨てるなんてできるわけもないし、ここの里の者が悪いことをしている理由でもない。
 だから、支援するのだ。と、少女は笑いかける。
 家族のために、その友人のために、更には自分のために。

「ああ、そうそう。
 此処は色々と必要でしょう??
 いい取引先にもなりますし?」

 先物買いです、と冗談めかして、ウインクをしてみせる。
 少なくとも、商売としてはそう言う建前も必要だから。

レイカ > 「ああ……竜雪さんの…?
そういえば、彼女はこちらの方面にお酒を売りに走ることになると聞き及んでいます。」

現在建築中の、北東の位置に陸文洞酒造のお酒を保管する倉庫を建造中だ。
適温に管理できる環境は整っている、あとは棚などをこさえるだけ。
もうすぐ完成するはずだが、今は少し…。
そう、彼女が言う通り、この里は現在きな臭いことになっている。

彼女と、そして私の分の水を用意する。
軽い茶菓子などもあればいいのだが…今はそれを切らしてしまっている、
またそのうち、買い出しに行ってもらおうと思っていたところだったが。

「…そこまでご存知でしたか…。」

この里は今、王都の騎士団に目を付けられてしまっている。
理由はもちろん、例のミレー族のテロ集団だ。
しかもここのところ、精霊たちが怒っているのもある。

先日からどうにも、精霊たちの様子がおかしい。
ここまで長い期間、怒りを抱いていることは本当に経験がないのだ。
彼女がもし、魔法というものを心得ているならば…このあたりの空気が、張り詰めているのがわかるだろう。

しかし、はっきりと言おう。
私は、このトゥネルソル商会がバックについてくれるのは大歓迎だった。
この里は常に、物資不足に悩まされている。
調味料や、薬などの衣料品や日用雑貨。
それらを賄ってくれるこの商会は、是非ともバックにつけておきたい。
そうすれば、ここを防衛してくれている彼女に、ここの守備を任せることができる。
彼女の言い分、というよりも利益もあるだろうが…。
そう思っていた矢先に、その言葉が飛び出し。

「……ふふっ、わかりました。
では、こちらから織物と木彫り細工を提供します。
よければ里を見て回って、何か売り物になりそうなものがあればおっしゃってください。
ただし……ここにいるミレー族を奴隷に…というのは、さすがに遠慮してほしいですがね?」