2018/04/15 のログ
ご案内:「ミレーの隠れ里」にイナリさんが現れました。
イナリ > ここは、どこのミレー族の隠れ里なのか。
その里のど真ん中に位置する場所、そこに、空間の歪みが現れ…
ぴょこん、と一人の少女が飛び出した。
見た目は異国の衣裳を纏った…狐のミレー族っぽい少女だ。
ただし、その尻尾は四本であるのだが。

「あの駄狐を探して幾千霜、この感覚…この地に居ますのね!?」

いきなり現れた少女に、周囲のミレー族達は物陰に隠れたり何なりしている。
そんな周囲の様子に気付いてない様子で、少女は己に浸っていた。

イナリ > 「感じる…感じますわ!
何度も何度も虐げられ、それでもいつかは打ち倒そうと努力に努力を重ねた日々。
忘れもしません、あの辛い日々を…
それも!この地で報われるのですわ!」

ぐぐぐっと力強く握り込む拳、それを、天高く突き上げる。
長年探し続けて見付けた気配に、一人勝手に舞い上がる少女。
完全に周囲の存在を置いてけぼりにし、少女は浸り続けていた。

イナリ > と、そこで、はっと我に返る。
向けられる視線に、ちらり、ちらりと周囲を見渡して。
こほん、咳払いを一つ。

「っと、このままではいけませんわね、姿を変えませんと」

落ち着きを取り戻し、ぱしん、と両手を合わせる。
意識を集中し…ぽんっ、と周囲を包み隠すような煙。
それが晴れれば、耳と尻尾が消えた、人間の姿となった少女に。
ぽんぽんと頭に手を、視線を後ろに、姿を確認して。

「よしと、これで気兼ねなく行動出来ますわ」

実は落ち着き切ってなかった、とか、受け取られるかもしれない。
気恥ずかしさからか、周囲がミレー族である事をちゃんと確認せずの変化。
こうして、ミレー族の隠れ里の中で、一人の人間となった。
と言うか、思いっ切り周囲から向けられる視線の中での変化だ、ありえない。

イナリ > 「とりあえず、まずは社を探す事から始めませんと。
信仰無くして、あの駄孤に勝つ事は難しいですものね…」

深呼吸を一つ、そして、これからの事を考え始める。
一先ずは、己の身を置く場所を確保しなければならない。
最低限の衣食住を、それは大事な事である。

と言う訳で、改めて、周囲へと視線を向けてみた。
周囲は木々に囲まれている、どこかの里だろうと予想出来た。
不思議な事に、里の人々の姿が見えない。
…いや、物陰に隠れてこちらを見ているようだ?
先ほどまでの行動を考えれば、当たり前だろうが…少女は首を傾げる。

イナリ > 話を聞こうにも、こう距離を置かれては話せない。
だが、先ほどまでの様子を見られていた為、周囲が避ける様子も変わらない。
ここから、少女の新たな苦難が始まろうとしていた。
…が、まだ、少女はそれを知らない…

ご案内:「ミレーの隠れ里」からイナリさんが去りました。