2017/12/14 のログ
ご案内:「ミレーの隠れ里」にレイカさんが現れました。
■レイカ > 「……………そう、ありがとう。」
里の高台で、私は風の声に耳を傾けていた、
もうずいぶんと寒くなって、風も強くなってきているからわかる。
より強く、風の精霊の声を聴くことができるようになって、そのおかげでこの場所にいても、大体のことは把握できる。
王城の動きは、今のところはなかった。
いや、別にあったところで、この里に危害が及ぶかどうかだけが私の問題。
この場所はここしばらく、ずっとばれている様子もなかった。
里のシンボル、ユグドラシルはもうすっかりとこの里を覆い隠せるまで成長した。
畑の育成が遅れるかも、と思っていたけれども……今のこの季節。
今は、畑を耕せるような季節じゃない。
だが、それはこの里の食糧問題に直結する。
外界とほとんどかかわりを持たないこの里は、自給自足でしか食い扶持を繋げない。
備蓄はそれなりにあるけれども、足りなければまた”お使い”を頼むしかないだろう。
「………ちっ…、やっぱりそういう算段だったか……。」
だが、今の私にとって食糧問題云々を考えている余裕はなかった。
…予想通りともいうべきことが、起きているからだ。
やはり、ここに拠点を移して正解だったと思う。
もしも…あのままあそこにここにいる皆を置いていたらどうなっていたかと思えば…。
拠点を移して2年、外壁も完成し守護人も得た。
ここの皆はもう、何かに怯えて暮らす必要はない…はずだ。
見張り台で、憎々しい表情をしながら、私は一つ舌打ちをした。
■レイカ > あの場所に、ここのことは知られていないはずだ。
誰にも場所を言わずに、私たちはこの地に移住してひっそりと暮らしている。
仮に、あの場所が何かしようとしてきたのならば…私は鬼になる。
絶対に、許すつもりはない…あの言葉を投げかけておいて。
それを裏切るような行動を起こしたあの組織を…。
「……何かあったら、すぐに知らせろ。
それと、あの人にはあまり長居しないように…とも。」
買い出しをお願いしているのに、なかなか帰ってこない。
私の貴族嫌いはよく知っているはずだから、あの町にあまり長居してもらうと…やっぱり不安になってしまう。
あの場所は、欲望に素直にさせてしまう…呪いのようなものでもかかっているんだろうか。
かつて、私が心を壊した時のように。
欲望に塗れた目で帰ってきたらどうしようかと、やっぱり不安になる。
…心配性なのかな、と自問自答するけれども、それは仕方のないことだとも言われた。
この里の、皆の命を預かる物として…心配しすぎるに越したことはない、と。
ご案内:「ミレーの隠れ里」にワルセイ・イダーヤさんが現れました。
■ワルセイ・イダーヤ > 『お父様!早く早く!』
(ミレーの隠れ里の近く、そこに、ハーフミレーの少女の澄んだ声が響く)
やれ、少し待ってくれ。アルシャ……俺は年寄りだぞ、少しは落ち付くのだ…
(そう言って、アルシャの後ろを少し息を荒げながら付いていくのは青年風の見た目、実年齢は80代の男、ワルセイ。なぜ、ワルセイがミレーの隠れ里に来たのか…?それは…)
『待てません!だって、隠れ里には、私のお友達になってくれる子がいっぱいいるんでしょ?』
(そう嬉しそうに言う少女。そう、ワルセイの目的は、自分の娘の友達探しなのだ。だが、娘の種族はハーフミレー。人間に友人は作り辛い…そこで、ミレー族に友を作ろうと考えたのだ。そのため、この周辺のミレーの隠れ里を探すために、数百匹の使い魔の蛇を総動員していて…そして、大樹の守る、安全なミレーの隠れ里を見つけたのだ。)
ははは。そうだな。そなたの、初めてのお友達、見つかると良いな…さて……
(何か、視線を感じる、見張りだろうか?だが、此方は異邦人。きっと自分は歓迎されないだろう……だが、この娘と、話をしてほしい。普通に話せる、友ができてほしい…
そう思うのは、父としての親心で…)
さて、この里に来たことが、吉と出るか…凶と出るか…!
(そう呟き、娘を追って里の方へと向かって行って…)
■レイカ > 「…………!」
何かが、ドリアードの網に引っ掛かった。
なぜ、私がこの森の中に里を構えることにしたのか。
それは、今私が契約している精霊の中に、木の精霊ドリアードがいるからだ。
森には木が多い、だからこそドリアードの網は絶対に、そこに通るなにかを逃がさない。
だが…少し数が多すぎる。
網には引っかかっても、どうしてもそれが何なのかはわからない。
そこで、私は風の精霊にそれが何なのかを教えてもらう。
正体は…無数の蛇だった。
こんな季節に、蛇が出るはずがない…つまりはこれは魔力による使役の線が濃い。
そしてその後ろに、2つの人影がある。
こっちにまっすぐ向かってくるようなので…敵ならば容赦はしないつもりだった。
「…………皆を外に出さないように。私が確認してきます。」
この里の皆に選ばれた長として、私が行く。
そう、見張りを共にしていた傭兵さんに言い残し、私は里の外で、その人物を待った。
そろそろ見えてくるはずだ、大きな木材で作られた防壁。
そして、その防壁よりも高く高く聳えた大樹。
その門の外で…殺意をむき出しにしている私の姿が。
■ワルセイ・イダーヤ > (森の奥、どうやら防壁があり、それを超える大樹が見えてくれば…暢気な少女はほわ~とと声を上げて)
『お父様!見てください、すっごく大きな木がありますよ!しかも、すっごく澄んだ魔力……』
(だが、暢気なのは娘だけ。すでに蛇たちは、防壁の外で待ち構える、何か大きな殺気を感じ取り、警戒し始めて……それは、ワルセイも同じだった。そして、防壁の外、殺意をむき出しに待ち構える女を見付ければ…)
アルシャ、俺の後ろにいるんだぞ。蛇共、アルシャに危害が出ない限り、余計な手は出すな。
(そう使い魔達と娘に言えば、経験則、弓矢の射程ギリギリであろう場所に立って、声を張り上げて)
お初にお眼にかかる。俺の名はワルセイという。後ろの娘は我が娘、アルシャだ。
何の連絡もなくいきなりの訪問、誠に失礼した。
だが、此方に戦闘の意思はない。使い魔の蛇共は、これ以上接近させない。
だから、その殺気を収め、まずは話を聞いてはくれぬか?
(そう言って、両手を上げ戦闘の意思も、武器もないとアピール。そうしていれば……ワルセイの背からひょっこり顔を出したハーフミレーの娘は…)
『は、初めまして。アルシャは、アルシャって言います……!』
(そう父を真似て、大きな澄んだ声を出し、ぺこりと一礼し自己紹介)
■レイカ > 目の前に来た人物二人は…男と、女の子?
無数の蛇はやはりこの男の使い魔らしい。
だが、あちらに戦闘の意志は無し…そしてその向こうに、敵意もない。
風が吹き、それを知らせてくれるならば私も少しは警戒を解こう。
だが…決して信頼していいかどうか。
私は目を使い、その二人の種別を見る。
片方は…人間であるらしい青いオーラを見せた。
だがもう一方……女の子の方が…。
「……なるほど、そちらに敵意がないことはわかりました。
私はレイカ、エルフですが…この里の長をしております。」
敵意がないし、この里のミレー族の敵でないならば、私の敵でもない。
争う必要がないと判断し、私は警戒はしつつも殺気は収めた。
それに、小さな子供までいては…この場で争う意味はなかろう。
その女の子が、半分でもミレー族の血を引いているならば。
「はい、初めまして。…それで、この里に何の用でしょうか?
ここは王都で虐げられ、結界を張る力すらも取り上げられたミレー族の里です。」
もしも、ここでなにか…ミレー族をどうこうしようというのであれば容赦はしない。
だが、仮にもミレー族の女の子を連れている彼…。
少なからず、私はほかの人間とは違う雰囲気を感じていた。
■ワルセイ・イダーヤ > ああ、レイカ殿、理性ある対応、感謝する。少し、近づきさせてもらうぞ。声を張り上げての会話は疲れるからな…
(そう言えば、蛇たちに待機を命じ、相手の弓の射程に入っていって。普通の声で会話できる程度には近づいて)
ふむ……王都で虐げられ…か。それはなんとも……
(なんとも痛ましい話である。が、そう差別する側の種族である人間の自分が言うのは、相手に失礼かと思い、あえて謝罪や同情の言葉はいわず…)
うむ、そなたたちの里に、とある用があってきたのだ。というのも……
『アルシャの、お友達を作るために来たんだよ!レイカお姉さま』
(そう、父の言葉を遮り娘が発言。そしてワルセイは苦笑し…)
というわけだ。俺は、この娘の友人を作りたくて…この里を探し当てた。
この里は、精霊の加護も厚く、魔力も澄んでいて…比較というと失礼だが、この里は他の隠れ里とは、何かが違う。そう思ってな…
(そう言いながら、猫耳のついた娘の頭を撫で、娘は「えへへ~」と嬉しそうで…)
何より…この娘は、ハーフミレーだ。人間にも奇特な奴はいるが…ミレーでもない、人間でもない、この娘を差別せず、ただの少女とみる人間など…悲しいが、ほぼ居ない。
だから…ミレー族に、友人を作ろうと思ったのだ。
少なくとも、人間よりはマシにこの娘と付き合ってくれるだろうと思ってな…っふ、人間の俺が言うのは何だか変だがな。
(そう、少し悲しげに言って……)