2017/07/05 のログ
ご案内:「ミレーの隠れ里」にレイカさんが現れました。
レイカ > 私は、満足げにうなずいていた。
この里のシンボル、空からこの里を隠してくれる大きな大きな木。
ドリアードの力を借り、普通ならば何年もかかるような大樹が、里の中心にそびえたっていた。

しっかりと根を生やした太い幹は、そう簡単に折れることもない。
強い風にも耐えられるだけの幹を、ドリアードたちは用意してくれた。
まるで手を広げるように、伸びている枝のあちこちに生い茂っている緑を見上げながら、私は思わず笑みをこぼした。

「完璧……とはいかないでしょうね。」

周りの森に溶け込むように、という希望は成されている。
だが、少し開けている場所からは畑が見えているし、よくよく見れば里の防壁も見えているかもしれない。
決して完璧じゃない、空からの侵入は防げないかもしれない。
だけど、ないよりはましだろう…気があるということは、ドリアードが宿っている。
精霊の力を使えば、この木は私にとって立派で強力な武器になる。

それに、ただ侵入を防ぐだけじゃない。
この近辺に簡単な遊具なんかを作ることができれば、里の子供たちの遊び場にもなる。
使い道はいくらでもあるし、この大樹はこの里にとってのシンボルになる。

「名前を付けるべきでしょうか……。」

この大樹にふさわしい名前。
それを考えながら、私は機嫌よく里の食堂へと足を進めた。

ご案内:「ミレーの隠れ里」からレイカさんが去りました。