2017/04/17 のログ
ご案内:「ミレーの隠れ里」にレイカさんが現れました。
レイカ > また、いつものような連中がいた。
ミレー族はお金になる、虐殺こそ禁止されているもののその命はたやすく扱われる。
労働力、性奴隷、ありとあらゆる人権を無視して、彼らは扱われる。
その商品を手に入れるのは簡単だ、そのあたりから奪ってくればいい。

ミレー族を見つけるのはとても困難だ。
だが、少しでも魔法の心得があるならその困難は一気にランクダウンする。
困難が簡単になり、そしてあとは嫌がる彼らを、根こそぎ連れていくだけだ。

「………それで、言い残したことはあるのか?」

私は、命乞いをする男たちを見下ろしていた。
数はそこまで多くない、だがみんな一様におびえた瞳をしている。
自分たちが助かるために、私に対して命乞いをしている。
話に聞いていない、こんなやつがいるなんて聞いてない。
もっと簡単な仕事だったはずだと、わめきたてているのは…傭兵だろうか。

「………殺せ。」

たった一言だけ、私は後ろを向きながらつぶやいた。
後のことは、この森が何とかしてくれるだろう。

もう、私に慈悲なんてものは一切残っていなかった。
目の前に移るのはミレー族の敵、そして私の敵。
それらを助けようなんて、一切思わなくなっていた。

レイカ > 「……………。」

私は、そっと耳につけている耳飾りに手を当てた。
精霊との会話を可能にするための、母様の形見の品。
かつて、恩人に預けていたそれにえとぉ当てれば、聞こえてくるのは常人には聞こえないほどのかすかな、かすかな声。

木の葉が揺れているのは、そこに精霊がいるから。
精霊の声に耳を傾ければ、私はつぶやくように言霊を放った。
『奴らをこの森から決して出すな、そして後悔させろ。』
その言葉は、決して人間には理解できない言葉。
魔法の言葉によく似ているのかもしれない、でもそれとはまた違ったもの。
自然界に眠っている彼らを起こすためには、自然と心を一体化させるしかない。

「………。」

ふう、と私は大きく息を吐いた。
もう、ここにきてどのくらいたったのだろうかと思うことはある。
残してきたものはない、そして悔いもない。
…そう、私はもう誰も信じないし、信じるつもりもない。
私は心を殺した、もうそれを開くことなんてありはしないのだ。