2022/06/22 のログ
ご案内:「◆城塞都市「アスピダ」都市外」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ > 城塞都市アスピダ周辺

城塞都市内部には忍び込む者や、何かしらはいる。
しかし大それた突入や破壊活動は今だできていない。
大規模な結界 頑丈な城壁

都市の名前である城塞は伊達ではなかった。



城塞の壁 外側の山脈内部にて

もはや誰からもそう呼ばれる 狂人 メイラ・ダンタリオ
黒い甲冑は赤髪のあの男の代表作の一つだと言える。
背中に担いだ大剣擬きは、呼ばれる別名を嘘とは呼ばせない。

それでも、崩せやしない
最優先事項であるにも関わらず、阻む者が敵ならばよかった
それがまるで果ての無い石の向こうのようにすら思える結界が阻み、メイラは何もできない

だからこそ戦場の常套句のように 相変わらずも嫌がらせが続く。
その嫌がらせを 今度は喚び水にしようというのだから、タダでは終わらなかった。


「騎士道?」


メイラは、誰かがメイラに制止を促すように言う。
そんなことをして、誰が得をするのかと。

首級も上げられず 偉くもなれない 金も上乗せがない。
騎士も 傭兵も 誰も彼もがそれに納得できやしないと。

群れと群れで殺し合う根を語られた上で騎士道を乗せてくる様子
槍働きもせず便利なアイテムで勝利した先に与えられる評などないと
誰かがそう言うと、賛同する声がちらほらと出ていた。

メイラはそれを、一笑で済ませて ギザ歯と赤い瞳でそれらを見やる。


「くだらないですわ。」

メイラ・ダンタリオ > 大砲という 金属の塊を打ち出すことで使用されるはずの戦場兵器
遠くから打ち込むことで群れを千切り、恐れを与えるはずの火薬
それを用いた行為

それを周りは制止させようとする。
剣でも槍でも槌でもない
武人が得をしないやり方になにがあるのだと。

しかしメイラは先日 自身の妹が呟いた言葉でこれを使用した。
幼い可愛い妹が 火薬でどかんとやってしまえばいいのに そんなことをつぶやいたことで
メイラの斬り込んでいった戦の中で、変化を生ませてしまった。


「もう一度言いますわ くっだらないですわ。」


メイラは、周囲の発言を一蹴する。
腰に手を付けるメイラは、三日月の口角のまま、反対する全員をその瞳でキロリと見た。


「飛散物と火薬の熱と衝撃 これで幾つもの都市外の敵共を幾つも消し飛ばす
 それの何がいけませんの? 幾つもの同じ程度の価値しかなくなった 誰彼もわからない首が嫌と?」


メイラの言葉に、周囲は当たり前だろうと吠える。
それに対し、メイラは変わらなかった。
外の評などどうでもいいと。 アスピダは苦しむだけ苦しめばいいと。


「アスピダをいずれ滅ぼす それさえできればどうでもいいですわ。
 地獄に居わすあの御方に、わたくしは首を垂れて語れる。
 全ての首が無価値になり下がるくらいにしてやったと。
 件の“団長”だって同じ目に合わせてやる所存だと。」


わたくしは、あの御方に褒められるのならば、他に何もいらないと。


相も変わらずの狂いっぷり
それに周りは現実と地獄の狭間に揺れている。
偉くなりたいという気持ちは英雄に通ずる。
しかし褒められたいという気持ちも英雄に通ずる。

狂気が、伝染していく。
メイラが化け物呼ばわりされる裏では強戦士の一人である為に。

勝てばいいと肥えた喉腹で言う脂ぎった声に比べれば、随分と澄んでいた。
横から手柄を搔っ攫われることもなく、全て台無しにしてやるために削り続けてやるという構え
少なくとも、死ぬ確立が減るというそれに傭兵の心は動く
少なくとも、地獄で手酷いことをしたというのに、あの王に褒めてもらえるのかと、騎士の心は揺れる。


「だから爆破する。 その音と衝撃でさらに敵兵を呼び込み、全て台無しにしてやりますわ。」


メイラの狂いに、周りの狂いが合えば、動き出す者は増える。

ご案内:「◆城塞都市「アスピダ」都市外」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。