2021/03/27 のログ
ご案内:「◆城塞都市「アスピダ」(イベント開催中)」にナランさんが現れました。
■ナラン > 春の空気がまだ残る夜。
城塞都市から幾許か離れた深い森の中も例に漏れず、暗く緑濃い香りの中に夜行性の動物が鳴き交わす声も心なしか浮かれている。
―――それも、ヒトが草木を掻き分ける音がすれば止む。
『いたか?』
『こっちではないな』
数人が灯りも持たず、鋭く囁き交わすのは森の中での行動に慣れているからだろう。
それを少し離れたユキヤナギの傍から伺う女は、内心歯噛みをする。
数人で組んで城門付近で陽動作戦を展開し、森の中へと逃げ込んで散会した。
今頃は本体が攻撃を仕掛けている筈で、守りを割り引くという役目は果たしたものの…
(―――…思ったよりも、人数が…)
どうやら二人一組での行動を徹底しているらしい。
それが、確認できるだけで近くに3組。
(…もうすこし、離れてくれれば…)
白い花の影で弓を密かに引き絞って
夜目の効く鳶色の瞳を、獲物へと向けて細める…
ご案内:「◆城塞都市「アスピダ」(イベント開催中)」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
■ギュンター・ホーレルヴァッハ >
そんな、夜の狩りに勤しむ男達の何処かの組から…悲鳴が、上がった。
ついで、短い剣戟の音と、何かを噛み砕く様な音。
重量物が歩き回る様な、ズシン、ズシン、という足音。
彼女が隠れているユキヤナギの付近を捜索していた男達も、一瞬視線を交わした後、音のした方に駆けていく。
レンジャーさながらの動作で駆けていくその姿は、歴戦の兵としての風格を漂わせるもの…ではあったのだが。
今度は、先程よりも近い場所で響く戦闘音。
金属が激しくぶつかり合う様な剣劇。弓が引き絞られる音。
そして――風切り音と共に、少女の直ぐ傍に投げ飛ばされてきたのは、つい先程駆け出していった男。
深々と長剣を突きさされて絶命した、男だったモノ。
「……他愛ないな。わざわざ狩りに出向いてみれば。
森の獣の方が、もう少し私を愉しませてくれるというもの」
そして、先程迄戦闘音が響いていた場所から現れたのは、夜の森に似付かわしくない者達。
豪奢な礼服に身を包み、無感情に男の死体を見つめる少年。
そして少年を護る様に脇に控えるのは、身の丈3mはあろうかというゴーレム。
所々に傷のついたそのゴーレムが、男達と戦っていたのだと見て取れるだろうか。