2020/06/09 のログ
ホースディック > (――女の身も本来なら
そう易々と魔力が枯渇する程に、小さな器では無い筈だ
其れでも、人の身で日夜数多の負傷者を治療させられ
其れ以外の時間に身体を差し出し、嬲られる日々が続けば
充分な休息と回復を得られぬまま消耗し続けるしか無い

そんな身に、与える己が魔力は、いっそ甘露とも言えるのだろうか
女が薄く瞼を開くなら、きっと其の先には、同じ様に閉じられぬ濃碧の瞳が映る
のたうつ裸身の上を、掌が柔らかく滑り、淡く下腹を撫で
魔力を分け与える間、凌辱に疲弊し熱の冷めやらぬ其の場所を
まるで、見越して居るかに揺すり立てて、煽る。)

「―――――、―――、……殺して貰える術なら、幾らでも在る。
御前でも考え付ける事ばかりが、な。」

(けれど、そうしないのは。
「死にたい」が、女の心を現す、正しい表現では無いと推測する故。

暫く続いた口付けは、言葉を紡ぐ為に離れるまで
女の身に、随分と魔力的な充足を与えるだろう
自らを治療するには、問題なぞない程度に満たしてやり
再び口付けを重ねれば今度は、魔力の供給では無い口付けによって、舌を絡め取る
女の視線を受け止めたとて、揺るぐ事の無い、凪の様な碧が
また、何時もの様に女の金色を、見返しながら。)

「……癒せ。 痛みなぞ教えて遣らん。」

(再び、囁いた)。

エラ > 意識して何事かを行うには、今の己は疲れ過ぎていた。
苦痛をいつまでも抱えていたくなくて、無意識に身体の傷を癒してしまうように。
魔力の枯渇に耐えかねて、無意識に与えられた機会に縋りついてしまうように。
――――其れが己の悪夢を、地獄を長引かせると知っていても。

「ん、ぅ―――――ふ、っ…………、
 ぃ………ゃ、―――――…触ら、な、……ぃ、で、………」

散々慰みものにされた身体の上を滑る掌が下腹へ至れば、
一際鋭く腰を弾ませ、拒絶の言葉が口をつくのも、無意識。
叶えられぬ願いだと知っていて、無為に口唇へ上らせながら、
良くも悪くも熟れてしまった肢体を、打ち揚げられた魚のように跳ねさせる。

魔力の充足は飽くまで、我が身を癒す力を取り戻した、というだけに過ぎず、
散々に嬲られた疲労が、綺麗に消えた訳では無く。
無遠慮に再度、今度は只、熱を交わす為だけの口吻を仕掛けて来る男に、
抗えず金臭さの滲む口唇を、震える舌肉を差し出し捧げながら、
――――其れでも、男が囁く命令形の言葉に、従う義理等無いのだが。

「命、令、しない、で………何様の、つもりな、の、
 ………い、や、………私に、触らな……い、で、―――――……」

掠れ声で繰り返しつつも、男の手が退かれる事は無いと知っている。
何故なら己は所詮、首輪と手枷で縛られた雌奴隷であり、
男は己を好きに出来る権利を、確かに有する一人であったから。
従容と自らの身体を癒す、淡く暖かい力を総身に巡らせながら、
―――――触れられている下腹の奥で、じわりと染みた疼きには、未だ、気づかぬ振りをしていた。

ホースディック > (女の舌肉を堪能する側に、女自身の許諾は要らぬ
奪われた側、奴隷と言う身、この城塞に於いて其れは
女が連れ去られてきた時より何ら変わらぬ現実
拒みながらも、抗うほどの力も意思も、活力も持たぬ身で
己を押し退ける事が出来ない以上、女は、一方的に奪われる側でしか無い

だが、其れを言うならば
こうして女と、何か意味の在る言葉を交わし続ける必要すら
本来は、存在しないのだ、が。)

「―――……俺は、何者でも無い。
ただ、御前が戦利品だと言うだけの事だ。
言葉だけの抵抗では、何も変わらん。 ……誰もが、な。」

(祈り、願い、訴えて――変わった事なぞ、何もない。
何も、無いのだ。

一瞬、凪の様であった声音に、僅かな感情が過ったやも知れぬ
指先が、緩やかに女の胎奥を揺らし探り当て――柔く圧する
先に注がれた雄達の、残滓を絞り出す様な手管は、重く奥に響くだろう
戒められて居る手首のせいで、身体を捩らせる事も儘ならぬ女を
ただ、一方的に、奪う為に仕込んで行きながら。)

「―――――……御前を奪うのは、俺だけだ。 ……今は、な。」

(――一言、其の耳元に囁いた声音と共に、響く衣擦れ
内鍵を掛けた扉に、此れ以上誰かが入って来る事は在るまい
使用中で在ると判れば、余程の事が無い限り諍いは起こらぬ
其の程度には統率されて居るのが、この都市の異質な所だが

女がいくら助けを求めても、其の声は誰にも届かぬと
きっと、女自身が、身を以て知って居る筈だ)。

エラ > 戦利品、という表現に、細めた金色が僅かに光を放った。
其れは忘れ果てた筈の憤りの残滓だったか、或いは打ち砕かれた矜持の欠片だったか。
――――けれども今、己は正しく、男に都合良く使われるだけの、物、に過ぎなかった。
為す術も無く口吻けられ、舌肉の戦慄き、滴る蜜の甘さすら男に差し出して、
口腔で蠢く男の舌を、噛み千切ってやる事も出来ないのだから。

「―――――い、や……嫌、…………ん、ぅ、あぁ、ぁ……………、
 も、う………いや、今夜、は、もう、………私、もう…………っ、」

何処までも無力な、か細く掠れた啜り泣きにも似た声音。
引き剥がされた敷布の上、他の男達に蹂躙された名残の穢れを、
只、此の男の蹂躙を受け容れる為だけに搾り出されながら、
自由の利かぬ裸身を甘く藻掻かせ、両脚を弱々しく暴れさせて、
―――――精一杯の抵抗、拒絶、其の全てが無駄に終わる絶望の予感に、
いっそ陶然と頬を染め、呼吸を乱し、胎の奥をしとどに潤ませ。

「奪い尽くして、も、くれない、癖に………、
 こ、れ、以上………揺すら、な、いで………っ、――――――……」

今だけ、という言葉の残酷さを、きっと男も気づいているのだ。
扉は閉ざされ、錠は降ろされ、閉ざされた闇の中で、只、二人きり。
然し其れも所詮は、仮初めの占有、独占に過ぎず――――
揺らされ、踊らされて心を乱せば乱すだけ、迎える朝が辛くなると知っている。

けれど、其れでも、主導権は何時だって男の側、奪い犯し穢す側のもの。
奪われ、犯され、穢される側の女は、諦めて目を閉じ、淫蕩な熱に身を委ねるより術が無い。
鎖された此の暗闇が何時果てるのか、闇の中でどんな狂宴が繰り広げられるのか、
――――――全ては、此の男の掌のなかに。

ご案内:「◆城塞都市「アスピダ」(イベント開催中)」からエラさんが去りました。
ご案内:「◆城塞都市「アスピダ」(イベント開催中)」からホースディックさんが去りました。